見出し画像

コロナに合理主義は通じない 〜 ニュージーランド陥落から見るコロナとの付き合い方 N102

 ニュージーランドで一昨日8月11日(火)に市中感染が4名確認された。毎日多くの感染者に慣れている国民にとっては取るに足らないニュースかもしれないが、このニュージーランドは市中感染ゼロを100日間続けて勝利宣言をしたばかりだった。悲しいことに102日で継続記録は止まった。

  この感染者4名は同じ世帯に住む家族である。夫婦と子供2人だ。政府の調査の限りでは1人がオークランドの冷蔵倉庫で働いていたことから、輸入貨物がどうも感染源になったのでは?と疑っているとのことだ。  

 この感染が示すことは完全な鎖国をしない限りコロナはやってくるということである。基本的にコロナは感染経路を断つ限り感染しないので、海外からやってくる人間や動物の水際対策を徹底すれば良いと信じられてきたが、荷物からも感染するとなると人も貨物も受け入れないことは非現実的だ(貨物を全て水際対策することももちろん非現実的だろう)。  

 そして100日間市中感染ゼロの勝利宣言の際にアーダーン首相は隣国オーストラリアのヴィクトリア州で感染が急拡大をしたことを暗に示唆し、「いったんウイルスを封じ込めた地域で、すぐに感染が再燃し拡大する事例を海外で見ている」と言っていたが、その恐怖からかすぐにStage3のロックダウンを実施した。

 ちなみにこの再燃し拡大する事例であるヴィクトリア州が拡大した理由は水際対策の詰めが甘く、海外からの帰国者を収容するホテルでガードマンやホテルスタッフに感染して、そこから市中感染が広まったと言われている。しかもホテルのガードマンはスマホで仕事の募集を行いスマホ経由で勤務指示を出していたというから驚きだ。「マスクをきちんとしろ」とメッセージを送ったらしいが、感染したガードマンはマスクだけで大丈夫か?と懸念したが、その予感は的中した。  

 コロナはほんの隙間から入り込む。そこには合理主義、MECEのような考え方でバッサリとトップダウンで行なったとしても足元から入り込んでくる。ドアの下にあるわずかな隙間があれば彼らには十分な余地だ。  

 こうなると成功モデルは中国の絶対的な管理方法か?日本のよくわからない自己責任的な管理方法か?の二択になる。 

 何れにせよコロナは国民性、あるいは国土に根付いた思想や価値観を露呈させる良い機会である。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?