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好きなだけ愛したらいい家も街も

3月23日(水)

出社する気が起きず、コーヒー淹れて、メイコにもらったチョコケーキを食べる。

その後、部屋を掃除して日記を書いた。
高田馬場でT氏と合流。馬場・早稲田界隈にできては数年でつぶれる類のおしゃれカフェ(失礼)でランチ。

その後早稲田松竹へ。
絶対に来たかったジム・ジャームッシュ特集で、学生時代ぶりに「コーヒー&シガレッツ」を観た。オムニバスの最後の話以外ほとんど覚えてなくて、新鮮な気持ちで鑑賞。ケイト・ブランシェット様の話と、「いとこ?」の会話の緊迫感がよかった。
2本目は「ナイト・オン・ザ・プラネット」。世界各地5つの都市で同日同時間帯に起きている、深夜タクシーの運転手と乗客が織りなす物語。初めて観たけれどとても面白かった。一話目のロサンゼルスの話、ベタだけれどこれが一番好きだったな。運転手役の女の子の佇まいと揺るぎないプロ意識が眩しすぎて。

その後、飯田橋に出て焼き鳥屋で乾杯。

その後、沖縄料理屋で二次会。

帰った時間が遅くて、体がしんどい。


3月24日(木)

出社当番だったので出社する。前夜の酒でだるいがなんとか。
ひたすら4月からの仕事の準備をした。前倒しでいろいろと進めておく。
無限にコーヒーが出てくる部屋に久々に行ったらタルトが出てきて、思わず「ここはカフェですか?」と言ってしまった。カフェに仕事をしにきた人になった。

以前担当していた顧客が会社に来てくれて、じっくり話をした。自分の仕事を、ひいては自分を全肯定されてしまった。たくさんお礼を言われたけれど、感謝しなきゃなのはこちらの方。その人と関れた仕事は本当に幸せだったし楽しかったのだ。その記憶があるから、今、部署が変わってもがんばれていると言っても過言ではない。それをその人に伝えられてよかった。
買い物をして帰る。パン屋で豆を買うつもりがすでに今日は販売終了になっていた。
夜は野菜スープに豆腐を入れて食べた。メイコから誕生日祝いのワイン飲み比べセットが届く。

容量が250mlずつなのも、パウチだから瓶を捨てなくていいのも最高。うれしい!
花言葉事典を読んでから寝る。


3月25日(金)

起き出して、だらだらと朝ごはんを食べる。コーヒーを切らしているのでハーブティーを飲み、クッキーなどをひたすら食べてしまう。
花の水換えをして、フランスゴムの葉っぱに霧吹きして拭いた。
個人本新刊の編集作業をやる。写真のトリミングや配置に試行錯誤してみるものの、自分のセンスのなさを痛感するばかりだ。無事出来上がるのだろうか。

化粧をして、ライダースを羽織って自由が丘へ。駅前にfitfitを発見し、前に見かけてほしかったゼブラ柄のローファーを即買いした。
自由が丘デパートに初めて行ったけれど、小さな店が通路の左右にみっちり並んでいて楽しい。文フリみたいだ。目当てのこ豆珈琲でインディアモンスーンを買った。
いいお天気で、もうすでに幸せ。

わずか15分ほどの買い物ですっかり自由が丘を満喫しているけれど、そもそもなぜ自由が丘に来たかといえば、梶本さんから今日の手巻き寿司パーティーの持ち寄り食材を受け取ってうちの冷蔵庫に入れるため。無事梶本さんから包みを受け取って、まっすぐ帰る。
うっかりつまみ食いしないように、預かった食材はすぐ冷蔵庫に入れた。
そしめ早速買ってきたコーヒーを淹れて、甘栗を食べてから買い出し向かう。刺身やら薬味やら飲み物やらをどかどか買う。
帰宅して家の掃除をして米を炊く準備ができたところで、自由が丘での用事を終えた梶本さんが来た。
一緒に手巻き寿司の具材を切ったり盛りつけたり。これは同棲カップルみたいでとても楽しい……。

バイキング会場のようになるワーキングスペース。

酢飯は白ごはん.comのレシピで作った。ちょうど酢飯が出来上がったところでマリコさんが到着。私はマリコさんとは初対面だったのだけれど、ずっと手がけている記事やTwitterを見ていたので、初めて会った気がしなかった。
手巻き寿司パーティー開始。酢飯がちゃんとおいしくできていて一安心。

マリコさんが持ってきてくれた高級海苔が、風味豊かでとっても美味しかった。梶本さんが持ってきてくれたきゅうりのキムチとサーモンも無限に食べられる!『作りたい女と食べたい女』の手巻き寿司回を真似て用意したしらす納豆もよかった。具材の量や酢飯の加減などだいぶ掴めた感じがするので第二回もぜひ開催したい。
初めて会うマリコさんと、共通点がいくつもあって驚く。本の話や書くことについての話がたくさんできてよかった。
米は3合炊いたのだけれど、3人で見事に完食!!酢飯を思う存分食べたいという欲望を満たしまくることができた。

紅茶を淹れて、マリコさんが持ってきてくれた宝石のようなケーキをデザートに食べる。

見てよこの素敵なケーキたち。マリコさんが一つずつのケーキについて解説してくれる。私はコーヒー味のマカロンがのって、中にカシスソースが入ったおしゃれすぎるモンブランをいただいた。タルト地にくるみも入っていてとってもハピネス!
2人が帰ってからもLINEが続いて、終わらないパーティー感が楽しい。楽しい気持ちのまま洗い物をして風呂に入って寝た。


3月26日(土)

昨晩遅寝したので9時起き。午前中、顔のコリをほぐす美容器具・フェイスポインターとサンバリアの日傘が届く。日傘はサイズと機能性重視で選んだのだけれど、白と黒のボーダーで、持ち手は竹にしたら、思っていた以上に可愛くて嬉しい。しかし昨日買ったローファーはゼブラ柄なので、どちらも身につけたら白黒ハッキリつけたい人になってしまうな。
ついこの間までインテリア用品が続々届いていたのに、家が落ち着いた瞬間に自分自身に目が向いたんだなあと思う。そろそろ運動も再開しなければ、と思う。顔のたるみも気になるけれど、余分な肉をまとった体も許せない。
フェイスポインターで顔をポスポスしているうちに午前が終わった。頬骨に差し込むように押すとめちゃくちゃ痛い。目の周りを押すと足の裏がむず痒くなる。

その後、掃除して新刊の作業を進めて、米を炊いた。炊き立てのごはんと昨日の手巻き寿司の残り具材で海鮮丼を食べた。

さらにコーヒーを淹れて昨日いただいたケーキを食べる。

アンジュルムの上國料さんがオフ日に一人で高尾山に登ったブログを読んだら、私も山に登らなければという気になってきた。関東近郊の初心者向けの山を調べるなどする。
そんな風に一日だらだら過ごし、夜になって近所のサウナへ。今日は緑茶やコーヒーばかり飲んでたせいか汗があまり出ず。
帰宅。洗濯してまたフェイスポインターで顔をポスポスして寝る。


3月27日(日)

久々の営業仕事。しらす丼を朝ごはんにして、コーヒーを淹れておいしいチョコを食べてから支度をする。
普段ずるずるした服ばかり着ているから、たまにかっちりしたパンツスーツを着るとコスプレしているみたいな気分になる。髪はハーフアップに固めて、一粒パールのネックレスもつけて、出陣。足元はパンプスではなく先日買ったゼブラ柄のローファーにしてみた。ヒールがないと心許ないけれど、すぐ慣れるだろう。
ひたすら笑顔で接客する。同業者で愛想ない人とか上から目線な人、本当になんなんだろう……出直してこい、と思ってしまう。

ランチは近くのサンドイッチスタンドでチーズバーガーとコーヒー。

午後もわしわし働き、あっという間に一日が終わった。疲れるし、女だからといってその仕事に配置され続けていることはムカつくけれど、嫌いではないのだ、この仕事。
片付けを終えると、久々にチームの反省会(飲み)をやるという。行くつもりだったらしい店がまだ開店前で、銀座の街をうろうろすることに。客引きに呼ばれて店に入ったら、乾杯の生ビールがぬるくてまずくて逆に感動した。
久々の職場の飲み会で、会話や酒のペースが掴めず。最初はがんばって話していたけれどだんだん飽きてしまって、ずっとテーブル上の十二世座占いのおみくじ機を眺めていた。

3時間ほどで解散した後、T氏と小籠包の店で飲み直し。T氏はひどく疲れて酔っていた。私は仕事とさっきの飲み会の鬱憤を晴らすようにべらべらしゃべった。小籠包が美味しかった。一次会からここで飲みたかった。



3月28日(月)

先日友人と「恣意的なTwitterアンケート」の話をしたので、昨日の夜、酔った勢いで「明日も鬼のように働く」「明日は登山する」「明日は何もしない」の三択でTwitterアンケートをとった。本気で仕事するつもりがあったらこんなアンケートの取り方はしない。何もしないに票が集まるに決まっている。と思っていたら登山の得票もわりと多かった。
それでも、朝起きたら「何もしない」が優勢だったので、今日は大手を振って何もしないことにした。恣意的! 登山はまた今度。
ゴミ捨てして10時頃までに植物の世話をして、フェイスポインターを顔に打ち込む。フェイスラインのもたつきとほうれい線がだいぶマシになってきた。自己満足ですけれども!

「何もしない」をするために化粧をして出かける。久々に台湾式朝食の店へ。初めてこの店に来たのはちょうど一年前。マンションの内見でこのあたりをまわっていた時期だった。この店で朝ごはんを食べて、街を散策して、こんなふうに過ごしたら住みたくなってしまうに決まっている、街を愛してしまうに決まっている、どうしよう、と思っていたのだった。
無事に自分のおうちを手に入れた今の私は、愛してしまえばいいよ、家も街も、好きなだけ愛したらいいよ、と思う。
大好きな鹹豆漿とネギ豚餅。はー、台湾に行きたい。毎日この朝食とルーロー飯食べて暮らしたい。


その後肉屋で野菜コロッケを買う。肉のコロッケは売り切れていた。桜がよく見える川べりのベンチに腰掛けて、桜や川下りする遊覧船を見ながら食べた。

私が座っているベンチの逆端に、桜色のパーカーを来て桜色に白髪を染めた老婦人が座ったので、こんにちは、と挨拶した。
コロッケを食べ終わった後も、降り注ぐ陽の光に包まれてぺったり座ったまま、多分何十分もぼうっとしていた。スマホなんか見る気もしなかった。
私が立ち上がったときには、隣の老婦人は目を閉じていたので、声をかけずに立ち去る。
過ごした空間と時間とすべてが愛おしかった。夕飯の買い物をして帰った。

午後は家で読書をしたり、プライムでアニメ「平家物語」を観たりして過ごす。夕飯は炊飯器で作るサムゲタン風スープとレタスの塩昆布サラダ。
「平家物語」はとても面白くて夢中で観ている。オープニングの羊文学の曲の歌詞が合いすぎている。
良い一日だった。


3月29日(火)

昨日作ったサムゲタン風スープととレタスサラダを食べてから家を出る。東京駅でT氏と合流して踊り子号に乗り込んだ。朝9時からビール。
伊東駅で下車。伊東で降りるのは初めてかも。気温が低く海風がダイレクトにぶつかってきてかなり寒い。海沿いの定食屋「開福丸」に入ってランチセットを注文。鯵のたたきとキスフライ二尾がついてくる。鯵のたたきが新鮮でとてもおいしかった。

干物屋で塩辛と、酒に合うとすすめてもらったたこの柚子胡椒和えの瓶を買って、酒も調達してホテルかめやへ。貸切露天で温まりながら日本酒を飲む。

部屋に戻ってビールと日本酒を飲みつまみを堪能する。

夕方また貸切露天に入り、チェックアウトの時間まで部屋で爆睡。温泉上がりでぽかぽかしたままぐっすり眠れてとても幸せだった。
寝起きでむにゃむにゃしながら、T氏が変な自作の歌を歌うのを聞いて笑い転げた。そういうのに私は弱い。

帰りは熱海から新幹線。ハイボールを飲み野菜天や燻製卵を食べているうちにあっという間に東京駅に着いた。

3月30日(水)

アニメ「平家物語」完走。9話が良すぎた。語り手のびわが母親に会って自分の役割を知るところと敦盛の最期。もう、もう。

午後、職場の年が近い同僚女子2人が家に遊びに来ることになっているので、部屋を掃除する。二人と駅で待ち合わせて、買い出ししてから我が家へ向かう。部屋を褒められてうれしい。
ビール、ワイン、ウイスキーと次々に空にしていく。部署が違うから普段職場ではあまり話さないし、感染症が流行してからは職場の外でこうして会うこともなかったので、久しぶりにじっくり話せてよかった。
一人がここ数年プライベートで抱えている問題を打ち明けてくれた。そうして話してもらえたことありがたいと思うと同時に、これまで知らずに傷つけたことがあったかもしれないなあと反省する。

昨日の酒も残っていたのか、床で寝てしまい途中の記憶があまりない。起きてトイレで吐いた。新居で初めてのげろである。
それなのに回復してからさらに酒を買い足して飲み、しゃべり、気づいたら夜11時半だった。10時間以上飲み続け喋り続けていたことになる。慌てて解散。
我が家のリビングから見える位置に時計がないのがいけない。

皿を洗い、自分が汚したトイレを掃除し、風呂に入って風呂も掃除して寝た。

日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。