「絶望と不安 ～彼女が退院した後、どうするべきか～」

彼女が退院できたとしても、実家にはDV男が居座っているかもしれない。下の子はまだ大学生で県外で一人暮らしだから、自分がアパートに戻ることになっても病院と連絡が取れるように、わざわざオヤジを呼び戻したのかもしれない。彼は離婚させたことを知らないのだろう。

前の旦那が実家に居座っているすると、彼女は帰りたくない、怖いと言う。どうするべきか……。私の家に来てもいいが、面識がまったくないうちのオヤジと母と妹がいる。両親は老々介護、妹は「行かず後家」である。
そんな家に来てもあまり心は安まらないと思うし、食事を作る台所もない。

私にはカネがない。彼女の貯金にも限度があるだろうし。私自身は今の実家を出たいと思っている。私も家族と仲が良くないし避けている。私は自分の食事だけは最低限の食材で作って食べているが、彼女と二人分となると米も必要だし、どうしても不便が出てくる。
もう二人でどこかへ行くしか方法はない。自分の人生もうまく行かないことばかりだった。彼女も似たような道を歩んでいる。ただ穏やかに、普通に生きたいだけなのに、それすらままならない。

働かないから悪いと言われそうだが、雇ってもらえない。派遣であっても履歴書が必要だとか、通勤が遠ければムリも出てくる。今さら履歴書なんて書きたくない。転職が多い履歴書など書いて何になる。篩い（ふるい）にかけるための、雇う側にとって都合の良いだけの品定めだ。自分のスキルに見合わない仕事をやったところで長続きしないことは最初から解っている。今までがそれの連続だから。

そうやって自分の可能性がどんどん狭まっていって、最後には身動きが取れなくなる。そういう「形式」ばかりを重視した、くだらない社会システムの中で奴隷になることもできずに困っている人達がどれほどいることか。生活も仕事も安定している人間は無責任な綺麗事だけ言って、社会的弱者の現状や生活を理解しようとはしない。所詮他人事と綺麗事を言っているだけにすぎない。

自分に合わないと解っている仕事、ムリして嫌々やっている仕事はただの奴隷と同じだ。自分の人生の時間と労働力を切り売りして「サラリー」をもらうだけの労働作業である。日本も世界もそういう社会にさせられてきたのを知っている。それが「カネ」による奴隷支配だ。

日本はサラリーマンが圧倒的に多いというのも、意図的にそうさせられてきた。だから、雇われないと生きて行けない人が多い。自営業や個人事業はリスクが高くて社会保障費も膨大である。昔の商店街を潰されてきたのも、サラリーマンを増やして、「企業に雇われる」という奴隷を作り出すためだ。６３３で12年の教育はその奴隷を作り出すための下地作りである。この12年で忠実な奴隷思考が出来上がるというわけだ。日本とはそういう国にさせられてきた。目覚めた人なら皆知っている。

日本は社会システムの枠からこぼれ落ちた人間は何のセーフティネットもない。今の日本の悲惨な現状である。生活保護かNPO団体の慈善事業に助けを求めるしか方法がない。生活保護など簡単にはおりない。
手持ちのカネが０になると、生活の基盤さえ立て直すことは不可能になる。食料を分けてもらえるところもない。フードバンクは生活保護を申請していないと利用はできないとか書いてあった。なんてバカバカしい条件だ。社会的弱者にとっては意味も価値もない。

数多いる国会議員のほとんどは国民のための仕事をしていない。自分たちの利権と金儲けだけのどうでもいい政策ばかりを推し進めている。国民はその犠牲者である。税金ばかり搾り取られ、最後にはカスにされても救ってもらえない。日本は良い国なのに、国を運営している人間がお粗末すぎて、こんな自堕落で悲惨な国は他にない。

私としたことが、また良からぬ憤りが頭をよぎり話が脱線してしまった。

彼女が退院した後、私の家で生活させて、しばらくしたら二人でどこかへ行こうか考えた。そんなこと可能だろうか？彼女の家も私物も捨てて、駆け落ちするかのようにどこか遠い土地へ逃げるようなことをするのか？自分一人なら何とでもなるかもしれない。しかし二人でとなると・・。
溜息しか出ない。
結局何をやるにも、どこへ行くにも、この「カネ」という呪縛から逃れることができない。こんな社会にはもうウンザリだ。私は死にたくなる。絶望だ。私の人生っていったい何なのだろう。。

彼女と一緒に暮らしたいし、幸せにしてあげたいけど、、今の私には・・。
ただ穏やかに、普通に暮らしたいだけなのに。