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【大人の発達障害】仕事でミスをするのは「言葉の障害」にあった。
頭では分かっているつもりなのにいざ仕事に取り組んでみると、一度ミスしたところをもう一度ミスしたり、自分でもこんなミスをした理由が分からないという経験はないでしょうか。
『やる気が無いの?』
『投げ槍でやってない?』
このようなことを言われた読者も多いことだろう。
著者も実際に言われたことがあります。確認作業を二重にしても、取り組み方を工夫をしても一向にミスは無くなりませんでした。
しかし、実はその対策には盲点があります。それは・・
パソコンで何かを打ち込む前にすでに問題が発生しているということです。
その問題とは心理学の用語で「内言」という言葉の問題です。
内言とは何か
この「内言」という問題を発達障害当事者でご存知の方は少ないのかもしれません。この内言を簡単な言葉でいうと「心の中の言葉」です。
人間は言葉で物事を考えますが、実は言葉は行動にも多くの役割を担っているのです。
子供は大人とのコミュニケーションから言葉を学びます。その中で言葉で自分の行動を制御することを学びます。
例えば、親から「バスの中では静かにしなさい」と言葉で注意されたとします。この注意に従った子供は親から褒められるなどのフィードバックによって親からの命令や注意を受けて行動することができるようになります。
その過程で次第に内言(心の中の言葉)で自分の行動を制御するようになりっていくのです。
発達障害と内言
言葉には自分の行動を制御する機能があることが分かりました。しかし、それと発達障害にはどのような関係があるのでしょうか。
実は発達障害や自閉症を持つ人の行動調整機能・実行機能に関しての研究が多く行われてきました。
そして立命館大学社会学研究科前田明日香氏は以下のように述べています。
「自閉症など発達障害をもつ人が、前頭葉に障害を受けた患者と似た行動(注意の難しさ、保持・固執行動、抑制の困難など)を示すという観点から、自閉症などの発達障害と実行機能との関連性を調べる研究が行われてきた。
太田(2003)は、Pennington&Ozonoff(1996)とSergeantら(2002)を参考にして、自閉症における実行機能に関する31研究内、実行機能に何らかの障害が認められた論文は22本、73.3%であった。 (※前田明日香「行動調整機能における研究動向とその課題」『立命館大学産業社会論集』第43巻3号 2007年12月)
つまり、発達障害をもつ人には実行機能に何らかの問題があるのです。この課題を解決しなければ、仕事上でのミスは減っていかないのです。
対策法は?
ミスを減らすために内言と行動が一致しない言行不一致の状態をどのように解決したらよいでしょうか。
この解決策として「書き出す」ということが効果があるのでは無いかと思います。その理由は「そもそも何を考えていたか」を自分自身が理解することでどの場面で行動が一致していないかを知るためです。
実際にミスをした場合、
・そもそも何を考えていたか忘れてしまう
・どのように物事を考えていたのか自分自身でも把握できていない
という2つの理由によって、自分自身にフィードバックできないため改善できない状況にあると思います、
また、タスク管理の一環として、やるべきことを一端箇条書きにする人は多いかもしれませんが、書き出すことで自分の考えていることが見える化されて思考が整理されやすくなります。
この発達障害と内言の問題は一朝一夕では解決できませんが、原因が分かっていると対処可能な課題へとなります。
そうなればあとは取り組み、改善するのみだと思います。
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