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[擬態人Aに学ぶ]子どものココロのほんとのトコロ(#2)

前回記事の振り返り

第1回の記事では、子どもは親が思っているより家での会話や起きていることを理解しているという内容をご紹介しました。

昨今問題となるモラハラ

子どもの前で夫婦喧嘩をするのは良くないですが、さらに最悪なのが子どもの前でモラハラ場面を見せてしまうことです。以前から問題になっているモラハラとはなんでしょうか?

モラハラとは、「バカだな」「死ね」などと人格や尊厳を否定するような精神的苦痛を与えることを指します。

夫婦喧嘩とモラハラの違いはどこ?

では、「よくある夫婦喧嘩」と「やってはならないモラハラ」の違いはどこにあるのでしょう?それは、次に紹介する2つが参考になります。

まず一つ目。モラハラはどちらか一方が萎縮して言い返せないような状況にあることを指します。夫婦の関係が対等で互いに意見を言い合うことができれば夫婦喧嘩と言えますが、例えば「夫の態度が支配的で逆らえない」「言い返すのに恐怖を感じる」のような状況であれば、それはモラハラでしょう。

もう一つは、「怒りが度を超えてしまっている時」はモラハラを疑った方が良いかもしれません。例えば「パートナーが大事にしていたものを壊してしまって、怒鳴られてしまった」が、まぁ一般的な夫婦喧嘩に近いものとするなら、「食事のマナーがなってないと激怒された」のような、多くの人であれば「そんなに怒らなくても、、、」と思うことに対して度を超えて怒っていたり、人格否定をするようなことを言うのはモラハラといえるでしょう。

本作のシーンから

さて、擬態人Aのシーンを参考にモラハラについて考えてみましょう。たつる君の義父である"剣崎統次"は確実にモラハラ認定される人物です。そもそも剣崎はモラハラ以前にたつるへの虐待を行っているので正直なところ論外ですが、彼が妻である美弥子にどんなモラハラを行っていたかをみていきたいと思います。

まず、「忙しさを言い訳に家事を手抜きする」と言うシーン。

擬態人A、渡辺アカ、2022、秋田書店
擬態人A、渡辺アカ、2022、秋田書店

妻の美弥子は幼稚園の慣らし登園で時間がなかったという理由で味噌汁に乾燥野菜を使ったようです。昨今の忙しい夫婦であれば、よくある風景に思えますが統次はそこをネチネチと突っついてしまいます。美弥子が統次を恐れて言い返すのを躊躇っていることが、この2人の関係性にモラハラが生じていることが明らかなように思います。

互いに対等な関係であれば自分の意見をすんなり主張しても良いものですが、統次の支配的な姿勢が美弥子を萎縮させてしまっているので、対等な関係とは言えません。そもそも、「乾燥野菜使ったくらいで文句言うなよ、作ってくれるだけマシだろ」というのが一般的な反応だとするなら、そういった状況に度を超えて怒っている統次のヤバさがわかるかもしれません。

モラハラ夫(妻)への対処法

心療内科に勤める医師によれば「モラハラ・DVの加害者となる人は生い立ちに原因があることも多く、自ら改善の意志がないと難しいと思います。ただ、離婚には非常に手間も労力もかかりますし、子どものことや今後の生活を考えると、今は離婚できない・したくない、と考える人も多いのではないでしょうか。」とのこと。

擬態人Aに登場した剣崎美弥子は刃物を持ち出すまでにかなり追い詰められてしまっていました。モラハラは、人をそういった事件にまで追い込んでしまうだけでなく、長くモラハラに晒されていると"うつ病"など心身の健康を害する要因にもなり得ますので、何らかの対処が必要です。美弥子には何が必要だったのでしょうか?

先の医師によると、統次のような相手を支配しようとする傾向があり、さらにはたつるのような子どもに対して虐待を行うような状況においては、自分だけで解決しようとするのではなく行政やNPOなど第三者機関を介して解決を試みることが望ましいようです。

まとめ

ちなみに、モラハラ夫によくある特徴がチェックリストになっているので、ご興味がある方は試してみてください。剣崎統次はアウトオブアウト!!


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