タサヤマ

出版社勤務。修士持ち。社会学専攻。83年生まれ。 noteの記事が本になりました→『内…

タサヤマ

出版社勤務。修士持ち。社会学専攻。83年生まれ。 noteの記事が本になりました→『内側から見る 創価学会と公明党』(ディスカヴァー携書)https://honto.jp/ebook/pd_28830457.html

記事一覧

「宗教2世」に対する同化アプローチと調整アプローチ――荻上チキ編『宗教2世』書評への再応答に代えて

今回のnote記事では、本年1月に書いた荻上チキ編『宗教2世』の書評記事にいただいた反応を踏まえつつ、宗教2世をめぐる議論をさらに更新していくためのいくつかの論点を提…

タサヤマ
1年前
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宗教2世を宗教被害者としてのみ論じることの問題について~荻上チキ編著『宗教2世』書評~

今回のnoteでは、荻上チキさん編著『宗教2世』の問題点をいくつか書いていきたいと思います。 本記事の執筆にあたっては、2022年の12月18日にオンラインで行った同書の読書…

タサヤマ
1年前
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"Soka Gakkai’s Human Revolution: The Rise of a Mimetic Nation in Modern Japan"はめちゃめちゃすごい本なので読んでほしい…

なんというか、ビビった。 読んでるときに何度か声を出して叫んでしまった。 同じ時代でほぼ同じテーマに取り組んでいる研究者の本についてこれを言っていいのか分からない…

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3年前
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書店における「道徳」と「倫理」~「本屋とヘイト本」問題をめぐって~

第1節 はじめに本記事では、永江朗さんの『私は本屋が好きでした』(太郎次郎社エディタス)という書籍をめぐる議論を支点にしつつ、「書店とヘイト本」というテーマを考…

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4年前
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本になりました。

noteのみなさま、お久しぶりです。タサヤマです。 前回、「創価学会と会社」というエッセイを投稿してからおよそ2年が経ちました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。わ…

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6年前
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創価学会と会社―戦後日本の都市にあらわれた「二つのムラ」―

 まずはじめにカミングアウトするが、私は創価学会員である。出身大学は創価大学だし、出身高校は関西創価学園だ。べつにゲイを論じる人間がゲイである必要はないし、暴走…

タサヤマ
9年前
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「宗教2世」に対する同化アプローチと調整アプローチ――荻上チキ編『宗教2世』書評への再応答に代えて

今回のnote記事では、本年1月に書いた荻上チキ編『宗教2世』の書評記事にいただいた反応を踏まえつつ、宗教2世をめぐる議論をさらに更新していくためのいくつかの論点を提示したいと思います。

・前回書いた記事⇒
宗教2世を宗教被害者としてのみ論じることの問題について~荻上チキ編著『宗教2世』書評~

・それに対する社会調査支援機構チキラボのレスポンス⇒
「『「宗教2世」当事者1,131人への実態調査

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宗教2世を宗教被害者としてのみ論じることの問題について~荻上チキ編著『宗教2世』書評~

今回のnoteでは、荻上チキさん編著『宗教2世』の問題点をいくつか書いていきたいと思います。
本記事の執筆にあたっては、2022年の12月18日にオンラインで行った同書の読書会で出た参加者の感想も随時付記していきます。同読書会に参加されたのは、創価学会2世が私を含め6名と、世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)2世が1名です。年齢は20代から40代で、全員男性。組織活動の程度や、信仰のあるなしに

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"Soka Gakkai’s Human Revolution: The Rise of a Mimetic Nation in Modern Japan"はめちゃめちゃすごい本なので読んでほしいという話

"Soka Gakkai’s Human Revolution: The Rise of a Mimetic Nation in Modern Japan"はめちゃめちゃすごい本なので読んでほしいという話

なんというか、ビビった。
読んでるときに何度か声を出して叫んでしまった。
同じ時代でほぼ同じテーマに取り組んでいる研究者の本についてこれを言っていいのか分からないが、これまでに書かれた日本の創価学会についての著作のほとんどを過去にするような著作だ。

言いすぎだと思う。
言い過ぎだと思うけれども、それくらい今回紹介するレヴィ・マクローリンさんの著作『Soka Gakkai’s Human Revo

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書店における「道徳」と「倫理」~「本屋とヘイト本」問題をめぐって~

第1節 はじめに本記事では、永江朗さんの『私は本屋が好きでした』(太郎次郎社エディタス)という書籍をめぐる議論を支点にしつつ、「書店とヘイト本」というテーマを考察するうえで共有すべきことを考えることを目的にしています。

いま書店界隈では永江さんの書籍をめぐってさまざまな議論がSNSを賑やかしています。
いくつかの観点から検討することのできる永江さんの同書ですが、本記事では「出版」や「取次」ではな

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本になりました。

本になりました。

noteのみなさま、お久しぶりです。タサヤマです。

前回、「創価学会と会社」というエッセイを投稿してからおよそ2年が経ちました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。わたしは何も変わりません。

じつは前回の投稿がきっかけで、ディスカヴァー・トゥエンティワンという出版社より本を出すことになりました。タイトルは『内側から見る 創価学会と公明党』。お値段は税込み1,080円。推薦帯は宗教社会学者の島薗進

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創価学会と会社―戦後日本の都市にあらわれた「二つのムラ」―

 まずはじめにカミングアウトするが、私は創価学会員である。出身大学は創価大学だし、出身高校は関西創価学園だ。べつにゲイを論じる人間がゲイである必要はないし、暴走族の研究者が元ヤンである必要もない。ただ、私は創価学会員である。生まれた時からずっと。たぶんこれからもそうだ。

 その上でいうが、さいきんの公明党はおかしい。いやずっと前からおかしいという人も、そもそも創設当初からおかしいという人もいるか

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