見出し画像

本を読む方法 ~読みたいけど時間がないんだよね、という前に~

先日、友人の集まりでお勧めの本を紹介しあうことになって、「やばい、最近全く読めてないから何も勧めるものがない」と恥ずかしい思いをしてしまいました。みんなそんなにアンテナを張って知的好奇心を満たし続けられてすごい、と尊敬しつつ、どうすればもっと本を読みたい、という欲望を現実的に満たすことができるのか、気になってしまいました。そこで今日は、8つの秘訣をご紹介します。


ちなみに、皆さんは今頭の中に「次に読みたい本」候補は浮かんでいますか……?(ぜひタイトル教えてくださいませ。)



1.「本の世界」の中に住む

食事やスナックを社員に無償で提供しているGoogleでは、「ヘルシーなお菓子は社員のすぐ手に届くカウンターに、そうでないものは瓶に入れて棚に隠す」方策をとっているのだとか。読書にも同じ作戦が使えます。玄関を入ってすぐ手に取りやすいところに本棚を置き、家じゅうのそこかしこ、車の中にも、すぐ手に取れるように本をちりばめておけば、気づけば本を読む習慣の出来上がり。テレビを見づらい場所に移動する合わせ技もありますよ!

2.ベッドライトは暖色に

本を寝る前に読む人は、ライトは蛍光色ではなく暖色、暗めにしましょう。眠る前に光の刺激を避けて、ベッドタイムの読書でリラックスしてからスムーズに眠りに入りましょう。

3.スマホの中毒性を下げて

いまやスマホは「集中力減退マシーン」と化しています。なぜなら、快適で、セクシーで、手放せなくなるように設計されているから。ポケットに入るスロットマシーンのような中毒性を誇る、読書の強敵です。では、どうやってその魔の手から逃れればいいのでしょう?例えば、メインスクリーンからアプリを移動して、ロックを解除した時にアイコンが目に入らないようにすること、画面が割れたら割れたままにしてしまうこと、充電器を不便な場所において面倒にしてしまうこと、寝室に持って入らないといけないなら、おやすみモードを使って夜〇時以降は着信もメッセージもブロックしてしまうこと。少しずつ、少しずつ、スマホの魅力を減らしていきましょう。

4.十進分類法を使ってみる

皆さんはどうやって本棚に本を並べていますか?色別?買った時期?それともランダムに積み重ねて…?図書館が分類法を使うのには理由があります。心理学や宗教から科学、芸術までのすべてをカバーし、細かく仕分けされているので、この通りに並べれば自然に本同士のつながりが見えてきます。本棚の並び替えの作業が必要ですが、一度整理してしまえば、より早く、目的をもって、主体的に本を選び、読むことができるようになります。実際の分類は国立国会図書館のページ等でチェックすることができますよ。本棚に戻すときに見返しに小さく分類を書き込んでしまうと便利です。

5.PodcastやBooktubeを使って「次に読む本問題」を解決する

読書の習慣が身についてくると、すぐに最大の問題「あー、次何を読もう問題」が勃発します。空港や駅の書店のリストや、ベストセラーのランキングを飛び越えて書店の横の棚から話題の新書以外の本を探すのが、人生を本当に変える一冊を見つける第一歩です。情報があふれかえる現代、雑誌の特集だけでなく、PodcastやBookTuber(本に焦点をあてたYoutuber)なども人生のパートナーとなる一冊探しを大いに助けてくれるはずです!そして、noteでお勧めの本を紹介してくださっている方も是非チェックしてみてください。

6.ニュースのフォローを全部やめる

本に集中するためには、雑誌や新聞の購読を諦める選択も必要かもしれません。が、あなたを「追いかけくる」ニュースって、何かわかりますか?そう、もっと本気で考えるべきなのはオンラインのニュースなんです。SNSのすべてのニュースサイトのフォローを解除して、ブックマークも削除してしまいましょう。「情報が消費するものは何か、それは受け取るあなたの関心だ。つまり、氾濫する情報は関心の枯渇を招く。自分の関心を向ける先を、豊富な情報源の中から効率的に割り当ててなければならない。(政治学者のハーバート・サイモンの言葉)」ちょっと極端にも聞こえていまいますが、黙っていてもスマホに膨大な通知が届く時代、取捨選択はどうしても必要です。私も早速メールや通知の整理を始めてみます。(ニュースの悪影響についてもっと深く知りたい方、次回の記事にご期待ください!笑)

7.「読む」ほかに何も機能がない媒体で本を読む

著作家のSeth Godinが「iBooksでまともに本を読める人はほとんどいません。タッチするだけでメールを確認できるので。」と言ったように、次々に届く通知をみると人はどうしてもそれが気になって、つられてしまいます。そうすると、新しい世界に飛び込むどころではありませんよね?自分の心が本の世界に消えていく体験ができるなら、木の伐採もやむをえないと思ってしまう、という人もいます。本物の紙の本だけが忠実に読書体験をもたらしてくれるんです。文字を拡大したい人や運転中に楽しみたい人はオーディオブックを活用したり、通知が受信できないデバイスを探してみてください。本物の本オタクになりたければ、本物の本が一番です。……と書いておきながら、個人的には電子書籍も活用しています。何時間も続けて長編小説を読むには確かに適していないかもしれませんが、短時間せっかく確保した読書時間にぎゅっと楽しむにはやはり便利です。本当に面白い本は、本当に集中力がある人は、通知に勝てちゃうんですよね!笑

8.本屋さんや図書館に相談してみましょう

信頼できる書店と店員さん、あるいは図書館司書さんを探して、是非、困っていること、自分の好きなことなどを話してみましょう。うーんと唸った後、人生の大きな転機や、旅行前に読む本、子どもたちと戦うための本など、ぴったりの本を探してくれるはずです。自分が人間的に成長したいとき、より深いレベルで自分と共鳴するような本を持ってきてくれます。AIやAmazonのおすすめではなく、人間こそが最高の”アルゴリズム”だと思う方は自分と趣味の合う書店員さんを探すことが、自分の大好きになれる本を見つけるための最短経路になるかもしれません。


さて、たくさん本を読めるようになるための8つの秘訣をご紹介しましたが、皆さんはどう感じましたか?ちょっとここまで本を好きになるのは大変、と思った方もいるかもしれませんが、まずはどれか一つ、取り組んでみてください。一年後にはどれだけあなたの書棚と頭がパワーアップしているでしょうか?

では最後に、皆さんの読書家への一歩を後押しするサイエンスを。

読書によってミラーニューロンが刺激され、共感、思いやり、理解力を担う脳の部位が活性化すること(Annual Review of Psychology 2011)、文学小説を読むことで心の理論がより発達すること(Science 2013)、小説のセクションを読んだ後に脳の言語野のコネクティビティが増加すること(Brain Connect. 2013)なども明らかになってきています。

ここまで読んでくださったあなたは本当はもっと本を読みたいと思っているはずです。ひとは自分が食べたものでできている、そして、自分が読んだものでできあがっていきます。

さぁ、ページをめくってみましょう!



参考:https://hbr.org/2019/04/8-ways-to-read-the-books-you-wish-you-had-time-for

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?