XR脚本術とK-POP ストリームの源がここにあった
XR脚本術で書かれた「無敵の人3.0」において
主人公である「キミ」が無人称の「VOICE」によって覚醒する
契機はK-POPによってもたらされます。
僕は「MUSIC IS MY RADOR」とか
「LAST NIGHT DJ SAVED MY LIFE」といった
音楽系パワーワードが大好物です。
だからMV監督をやっていますし
以前、亡くなられた雨宮まみ女史にインタビューを受けた時
「僕にとって女の子って音楽が実体化した存在なんです」
と大真面目に言い放って「ロ、ロ、ロマンチックすぎません??」と
爆笑されたりもしました。
でも本気であらゆるクリエイションはその時代で最も優れた
POP MUSICとリンクしているはずと考えていて
であるなら脚本もまたどう考えてもK-POPという「音」と繋がらなくてはならないと思っています。
2015、それは「KPOPルネッサンス」元年だった
全てが「再び始まった」のは紛れもなく2015年でした。
TWICEがOH MY GIRLがGFRIENDがデビューし
RED VELVETが5人組の完全体となりあの奇跡のPOP ANTHEM
「DUMB DUMB」をリリース、BTSが「I NEED U」で結成以来
初めて一位を獲る、そしてそこから雪崩を打ったように
2016年にはI.O.Iが始まり、前代未聞
のアイドルプロジェクトLOONAが始まり、BLACKPINKのデビューへ・・・・・
ポップ・ミュージック史を塗り替えSNSを中心とした「ソーシャルポップ」の誕生を
告げたPSYの「ガンナムスタイル」から三年
下は小学生から上はおじいちゃんおばあちゃんまで
あらゆる世代がスマホによってネットに繋がる時代
そんな新しい時代のためのポップミュージックとして
2015年以降のKPOPはその役目を引き受ける覚悟を決めたのです
山下達郎を驚愕させた少女時代「Genie」のマスタリングサウンド
ルネッサンスというくらいなのでその前に規範となる時代の音があって
もちろんそれは2009年にリリースされた少女時代の「Genie」
何故か日本では「GEE」の方が人気があるんですが
KPOPが完全にポップ・ミュージックの核を手に入れてしまったのは
「Genie」のサウンドとあの圧倒的なMVによってでした。
当時JPOPの重鎮である山下達郎氏がインタビューで
「遂にKPOPは洋楽と同じ音を鳴らしてしまった・・・・」
と感慨深げに語っていらしたのを今でも痛烈に覚えています。
(もっと具代的に言ってしまうとこの20年間のほぼ全てのポップヒッツにエンジニアとして参加しているSerban Ghenea的音をSMエンタはこの時手に入れたという事です)
POP MUSICがポップ・ミュージックであるべき不変の方程式とは
「Genie」が手に入れたもの、それはポップ・ミュージックが
生まれた1950年代から現在まで変わらないほとんど魔法のような
方程式、
「最新のダンスグルーヴによるメロディーとコトバの再編集力=POP MUSIC」です。
ロックンロールのリズムを
ファンクの16ビートを
ディスコのアフタービートを
そして現在のHIPHOPからEDMまで
その時代時代における最新のダンスビートによって自らを
更新していく「編集力」、しがみ付くのではなく手放す事で
メロディーとコトバを決壊しようとするその意志の事をPOP MUSICと言います。
それは革命と同じくらい勇敢な行為であり
そこに発生する自由を感じたくて人々はポップミュージックに耳を傾けるのだと思います。
KPOPはそのポップミュージックだけが特権的に手にすることができる
自由を手に入れました。
不自由を嘆く「奴隷音楽」になったJPOP
「無敵の人3.0」に全てを記述してありますが
一体何が・誰がJPOPを殺し、その死骸を眺めながら
僕等の「ココロ」を「魂」の在処をあざ笑っているのか?
正しいポップミュージックの「響き」は僕等が抗うべき
「敵」の姿を否応なしに刻印します。
もしキミにその「敵」の姿が見えないならば
その「敵」の嘲笑が聴こえないならば
その「敵を倒せ!」という勇敢な雄叫びが聴こえないならば
キミはアナタは「正しいPOP MUSIC」を聴いていないのだと思います。
JPOPのチャートから最新のダンスグルーヴと格闘し
自らを更新していこうとする編集力を持ったANTHEMが
消えてからはや10年近く・・・・・・
もうそろそろ僕等はその犯人を断罪すべきなのでは
ないでしょうか?
スクリームとストリーム ITZYと(G)I-DLE
そんな日本を尻目に平成の最後、そして令和時代の始まりに
KPOPにはあまりにも正しいPOP MUSICを鳴らす
二つのグループが誕生しました
キミはアナタはITZYの「Dalla Dalla」を
(G)I-DLEの「LION」に耳を欹てて、そのメッセージを手に入れようと
してくれただろうか?
「Dalla Dalla」でITZYのイェジ嬢がまるでジョンライドンが
「アナーキーインザUK」で「NO FUTURE」と言い放った時と同じような
強度で「MY LIFE=アナタを取り戻せ!」とシャウトした時
「LION」で(G)I-DLEのリーダーでもあり
全ての楽曲の作詞・作曲を担当している
ソヨン嬢がBillie Eilishと同じ位相で
「誰も私を手懐ける事はできない愛さえも」と唄った時
メロディーとLYRICの間に現れる
新しい視界、そこから見えるバベルの塔こそが
僕らが書くべき脚本にとっての「セリフ」の本当の姿です。
哲学者のドゥールズは現実を更新するもの
その編集力への意志の強さを「仮想(ヴァーチャル)」
と呼びました。
まさにVRからXRへ!
K-POPとはXRな新世界におけるヴァーチャルなANTHEMなのです。
映画アンダルシアの犬のように
BEASTIE BOYSの「ILL COMMUNICATION」のように
あらゆる情報が再編集されフリークスと化した「音の獣」
僕等はその雄叫びこそを脚本のためのコトバ(セリフ)と
すべきなのだと思います。
今回もお読みいただき誠にありがとうございました。
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