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七草粥をギリシャ風に

 こちらはかなりご無沙汰しておりました。本年もどうぞよろしくお願いします。

 去年の春に投稿した前回の記事はギリシャ正教の節食についてでした。クリスマスホリデーが終わりひと息ついたかと思えば、またすぐにカーニバル、レント(節食期間)、イースターと、大きな行事が続きます。

 ここ数年の自分の中の傾向として、元々あったニスティシマ(ギリシャの節食料理)への興味がどんどん高まっていて、別に肉食をやめようとかいう気はないのですが、これからはそのジャンルの料理をもっと紹介したいと思っています。

ギリシャ風アレンジの七草粥

 ブログの方でも書きましたが、前述の理由からか、今年は人日の節句をちゃんと覚えていたので(むしろ、お正月料理はすっ飛ばしてこちらが楽しみだった)久々に七草粥を作りました。
と言っても、使ったのは日本の春の七草と決められたものでなく、アテネの青空市場で適当に集めてきた青菜やハーブの類。ニスティシマにも通じることですが、邪気を払い心身ともに清浄にし、それが健康にも繋がることだと思うので、誰かが決めた種類にこだわることはあまりないかなと考えています。

これでも一部

 日本だとスーパーなどで七草セットというのが売られてますが、割高だしちょっとしか入ってないですしね。ギリシャでは青菜はキロ単位で売られてるし(少なめの量からでも買えますが)、ハーブも一束がとても大きいので野菜のようにたっぷり食べられます。7種類も買ったら掃除して洗っての下処理が大変でしたが、すぐ使わない分は冷凍してしばらく楽しめるので蓄えのつもりで頑張りました。

今回使った”七草”

 さまざまな青菜や野草、ハーブが売られているギリシャの青空市場では、種類にこだわらなければ7種類ぐらいはすぐに集まります。どんな組み合わせにしようかちょっと考えたのですが、七草粥以外にパイや煮込みも作る予定だったので、それに入れたいものを選びました。ちなみにこれらは野山にも自生し、アテネの自宅近くでもイラクサ、シロガラシ、ルッコラ、カフカリスラはよく見かけますし、他に食用の野草と言うとヒナゲシやマルガリータ(春菊)なども生えています。

カフカリスラについては和名がないようでギリシャ名のままにしましたが、気になる方はこちらの記事を読んでみてください。

 
 さて、ギリシャ風の七草粥について。ギリシャに七草の概念はないのであくまでも「ギリシャ風にアレンジした七草粥」です。日本と共通するのは野草を食べる食文化、それが健康にいいとされていること(医食同源にも通じる)、お米のお粥があることなどでしょうか。ギリシャでも、お米をやわらかく煮たお粥は病人食として、またコンフォートフードとして食べられることがあります。日本と違うのはレモンやオリーブオイルを入れるということで、オイルはお腹を下している時には抜きにした方がいいとされ体調によっては入れない場合もあるのですが、レモンは必須のようです。……というようなことをブログの方に書いてて気付いたのだけど、味的にも健康効果も「お粥に梅干し」の組み合わせと似ていますね。
 
 作り方は日本のとほぼ同じで、お粥を炊いて火から下ろす少し前に刻んだ七草を入れ塩で味をととのえます(誤解があるといけないので繰り返しますが、七草の部分は私のアレンジです)。食べる時に、お好みでオリーブオイルとレモンを加えて各自好みに調整します。こちらでは投稿が遅くなって七草の日に間に合いませんでしたが、いつ食べてもおいしいお粥ですので節句にこだわらずどうぞ。七草を刻んで冷凍しておくと、このお粥や他の料理にも使えて便利です。

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