最近の記事
マガジン
記事
「アメリカ、イギリス及びドイツにおける中小企業政策と会計検査等の状況」に関する調査研究業務」説明会用資料 有限責任 あずさ監査法人 2021年3月
前置き 【目的】 • 本調査研究は、アメリカ・イギリス・ドイツ及び日本の中小企業及び中小企業政策の状況、各国の会計検査院の役割や検査等の事例について整理・分析することにより、我が国会計検査院の中小企業政策に対する会計検査に有用な情報を提供することを目的としている。 【対象】 • 2008年のリーマン・ショック以降の各国の中小企業政策を対象とし、中小企業全般を対象とする政策と個別の政策分野のみを対象とする政策を深掘りしていく。 一方で、政府開発援助のように外国企業を対象とした
支援機関による中小企業の事業承継支援の可能性 ―事業承継・引継ぎ支援センターを中心とした支援の連携― 竹川 充(福井県立大学大学院)
前置き 筆者は中小企業庁が全国に設置する事業承継・引継ぎ支援センターで統括責任者を務める一方、福井県立大学大学院博士後期課程において、主に中小企業経営や中小企業の事業承継に関する研究を行っている。その為、中小企業における事業承継に密接に関わる立場から提唱する論文となっている。 要約 事業承継ガイドラインを見てもわかるが、中小企業に一般的な親族内承継が事業承継全体に占める割合が低下する一方で、役員・従業員への承継や社外への引継ぎ(M&A)が増加している。 このような状況で
非親族承継における所有と経営の分離 〜中小企業の事業承継におけるケーススタディ〜 Separation of Ownership from Management Observed in Business Successions to Non- Family Persons 〜A Case Study of Business Successions among SMEs〜 久保田典男 横浜国立大学大学院 Norio Kubota Yokohama National University
前置き 中小企業の事業承継に関して、経営能力の高い第三者への承継が近年注目されている。 非親族の承継者が事業承継を契機に経営革新を遂行した事例分析を通じて ①非親族承継において何故所有と経営の状況に違いがみられるのか ②所有と経営が分離した中(承継者が創業者一族から株式を買い取らない中)で、何故承継者が経営革新を遂行できるのか を考察する論文となっている。 上記の考察の背景に ① 何故か所有と経営の状況に違いがみられるのかなどについて、踏み込んだ考察がなされていな
小規模企業の事業承継に関する一考察 A study on Business Succession of small business 諸藤 加寿代 Kazuyo MOROFUJI† 遠山 正朗 Masao TOYAMA††
前置き 本研究は、事業承継と起業をプロジェクトと捉えて両プロジェクトの比較を行い、事業承継のメリットとデメリットを明らかにすることを目的とする。 事業承継に関して、「承継される企業側の現経営者へ向けた情報」は多くあるが、「後継者側の視点からの情報は少ない」 その為、事業承継に向けて行う作業手順が不明確である。これらを明確にし、起業希望者へ情報提供を行うことは事業承継の活性化に寄与するものと考える。 要約 起業と事業承継とを比較するならば、後継者となって経営者になる場合
地方都市における小規模M&Aに必要となる 公的支援機関の役割 ―福井県の菓子製造業:恵比須堂の事業承継事例より― 竹川 充(福井県立大学大学院博士後期課程) Mitsuru TAKEGAWA (Graduate School, Fukui Prefectural University)
始めに 今の日本にとって、中小企業の事業承継がいかに危惧すべき問題かはこれまでにも記載しているので省略する。 事業承継ガイドラインでは、事業承継を「親族内承継・役員」「従業員承継」「社外への引継ぎ(M&A1))」の 3 類型に分類している。 同ガイドラインでは、親族内承継が中小企業に一般的であるものの、事業承継全体に占める割合は低下していることにも言及している。子息がいる場合でも、事業の将来性や経営の安定性等に対する不安の高まりや、家業にとらわれない職業の選択、リスクの