見出し画像

CCO 時代における中小企業の事業承継  東村 篤

はじめに

時代は情報の流れがトップダウンからボトムアップへと移行し情報のすそ野が広がっている、CC(Corporate communication)の重要性を中小企業の多くが未上場企業であるからとトップ自らが意識し対応していないからに他ならない。現在の日本はCCO時代にあると言っても過言ではないと筆者は考えている。
このことから、我が国の成熟した社会にあって中小企業にとって、CC が経営戦略において極めて重要であるとしている。

CC(Corporate communication)とは・・
・コーポレートコミュニケーション 
企業や団体(組織)そのものが主体となって行われるコミュニケーション方法を指す。
具体的には、企業のイメージを高めるため、多彩なコミュニケーション手段を用いて取引先企業や消費者と関係性を作ることを意味する。

以下、中小企業の現状を表したグラフ



要約

1995 年以降の社会は、従来の技術絶対価値の社会とは異にする IT 情報技術を核とする第 3 次産業革命入りの情報感性満足価値の社会である。
そのことから、現在のようにグローバル化しデジタル化した成熟社会の下では、中小企業においても CCO または CCO 的な存在を必要とする時代を迎えたと言っても過言ではない。

グローバル化した情報社会においては “ コンテクスト Context” が最も重要なキーワードとなる。文脈・前後の関係、習慣、文化の違いから「場面(ばづら)」を理解し「企業活動の見える化(可視化)」、「企業のらしさ(個性化)」が重要となろう。
これからの企業の成長発展はコミュニケーションをビジネスモデルに取り込んでいく必要がある。
「誰をターゲットとしていくのか?」「何のコンテンツでもって効果的に事業を行っていくのか?」「ロジステックを含めいかにして効率良くコスト削減で事業を展開していくのか?」この3 つの要素は潮流に適応したビジネスモデル策定において必要不可欠である。

 売上高を競う時代は終わった。
今の時代は、地域社会であり、いかに企業価値を高めるかが大切。
特に影響をもたらすのが事件・事故等非常時での企業の対応にある。企業価値を形成する多くの要因・要素は、有形資産よりもブランド等の知的資産やレピュテーション等の無形資産によって生み出されてきている。

IPO にしても子息等への事業承継にしても CC(Corporate communication)の重要性が増してきている。それは、その評価が IPO においては「株価」であり、子息等への事業承継においては「企業価値」であるからに他ならない。
一般的に株式会社である以上、経営の目的は「企業価値を最大化させる」ことにある。これは企業のある姿として、「いかにして価値を創造させるか」と同義語となる。
そういう意味で 、「IPO への過程でのステークホルダーとの良きコミュニケーション」子息等への事業承継を巡っての家族・親族、社内外ステークホルダーとの良きコミュニケーションづくり」は間違い無く欠かせないと考える。

概要
今回の論文からは非常に「経営」に視点を当てた、ある意味投資家目線のような印象を感じる論文であった。
中小企業における後継者不足の問題は、多くが国の取り組みや地方行政に視点を当てたものとなっている論文が多いなかで、中小企業におけるCC(Corporate communication)を重要視した論文は始めて出会ったので、非常に興味深い内容だった。

結局、時代にあった変化は全てにおいて重要だ。ファッションのトレンド・政治のあり方・企業の経営方針など、どれとっても時代に合わせた変化は必要であり、中小企業の後継者不足を考える上で、もう一度その問題に直面している企業が経営を通して、時代にマッチしたあり方を形成できているのかを見直す必要性があると言える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?