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19) ミトコンドリアの活性化による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化予防(その1):ニコチンアミド・モノヌクレオチド

体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術19

ミトコンドリアを活性化して体を若返らせる医薬品やサプリメントを解説しています。

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療は重症化を抑えることが鍵になる】

 新型コロナウイルス感染症のCOVID-19(Coronavirus Disease 2019)はコロナウイルスのSARS-CoV-2(Severe Acute Respiratory Syndrome CoronaVirus 2)の感染によって発症します。現在、日本を含め多くの国で感染が拡大しています。

一般的に、約8割の患者は自然に軽快して治癒していますが、約2割の患者は肺炎を合併しています。肺炎に進展した患者のさらに⼀部が、重症化して集中治療や⼈⼯呼吸を要する状態になります。高齢者や基礎疾患(糖尿病や高血圧や心臓疾患など)のある人が重症化しやすいことが分かっています。

最近増えている変異型コロナウイルスは、従来のコロナウイルスより感染力が高く、重症化率と死亡率が高いことが問題になっています。感染症の症状(発熱や咳など)が治っても、後遺症(倦怠感、味覚・嗅覚異常、脱毛、睡眠障害など)に苦しむ人が多いことも問題になっています。重症化した人ほど後遺症の発症率が高く、症状が強く、持続期間が長いことが明らかになっています。

新型コロナウイルスは肺炎を発症して重症化しなければ、普通の風邪やインフルエンザと同じように自然に治癒します。つまり、重症化することを防げれば、新型コロナウイルスは怖くはありません。
ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬は重症化を抑えますが、有効性の高い抗ウイルス薬がまだ開発されていません。

ワクチンの接種が始まっており、ワクチン接種で抗体ができれば、感染予防や重症化予防に有効ですが、日本ではワクチン接種が遅れており、医療関係者や高齢者(65歳以上)以外の人たちがワクチン接種を受けられるのはまだ数ヶ月先のようです。5月7日の首相の記者会見で1日100万回の接種を目指すと言っていますが、5000万人に2回接種が完了するのに3ヶ月以上かかる計算です。

実際、日本ではこの目標通りに実施できないと予想する方が多数です。
最近流行している変異ウイルスは若い人や基礎疾患のない人でも重症化することが問題になっています。COVID-19で死なないためには、感染を防ぐことと、感染しても重症化を防ぐ方法を実践することが必要です。

感染予防のためには他人との接触を避け、手洗いやマスクなどの感染予防の対策を実践することになります。

「重症化の予防」に関しては、個人で実践できる方法が数多くあります。つまり、栄養状態を良くし、抵抗力や免疫力を高め、適度に運動し、睡眠を十分にとり、ストレスを避ける、タバコは吸わないなどの生活習慣の改善が主です。

さらに、漢方薬やサプリメントや医薬品を使って、積極的に抵抗力や免疫力を高めることはプラスになると思います。しかし、多くの人は、「感染すれば医療機関を受診するしか無い」という考えしかなく、自分で抵抗力や免疫力を高めて、発症や重症化を予防しようと実践している人は少数のように思います。「重症化するのが怖い」と自覚していても、自分で重症化を予防することを実践している人は少ない様です。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や多臓器不全は、究極的には細胞レベルのミトコンドリア呼吸の破綻によるエネルギークライシス(energy crisis)によって細胞死が起こるので、全ての細胞のミトコンドリアの酸化傷害を軽減し、ダメージから保護し、ミトコンドリア機能を高めることはARDSや多臓器不全の予防と軽減に有効性が期待できます。

ミトコンドリアの呼吸機能を高めことによってエネルギークライシスを避けるサプリメントとしてNAD前駆体(ニコチンアミド・リボシトやニコチンアミド・モノヌクレオチド)、メラトニン、L-カルニチン、コエンザイムQ10、R体αリポ酸などがあります。

感染症に対する免疫力を高める方法としてミトコンドリアの機能を高めることは極めて有効であり、サプリメントや医薬品や運動や食事によって達成できるので、日頃から実践しておく価値はあります。


【正常細胞は分裂できる回数に限界がある】

 1960年代にアメリカの生物学者レオナルド・ヘイフリック(Leonard Hayflick)は、培養した正常細胞の分裂回数には限界があることを発見しました。

人間の胎児から取り出した線維芽細胞を培養すると次第に分裂の速度が落ちて、約50回の分裂回数が限界で、いくら栄養物質や増殖を促進する物質を加えても分裂することはできずに最後は死んでしまいます。

一方、成人の人間から取り出した線維芽細胞の分裂できる回数はその年齢に応じて減少していることも明らかになっています。すなわち、細胞の中には細胞の分裂した回数をきちんと数える装置があって、ある回数を過ぎると細胞は死を向かえるプログラムが働き出すのです。

このように、正常な細胞が分裂できる回数には限界があることを「ヘイフリックの限界(Hayflick Limit)」と言います。ヒトの正常細胞の分裂回数は約50回が限界ということで、それ以上は分裂できないので、寿命があるということになります。

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図:ヘイフリックの実験。赤ん坊や成人や老人の皮膚から線維芽細胞を採取してシャーレで培養すると、年齢が若い個体から採取した細胞ほど多く分裂できる。赤ん坊の細胞の方が老人より多く分裂できるが、赤ん坊の細胞もやがて細胞分裂を停止して死滅する。細胞の分裂回数はヒトの場合は約50回が限界で、これ以上は分裂できない。これをヘイフリック限界という。


【細胞分裂するたびにDNAのテロメアが短くなる】

 細胞の分裂回数に限界を設けているのが遺伝子の末端のテロメアの存在です。染色体DNAの末端部分にはTTAGGGという配列が多数繰り返された構造がみつかりテロメアと名付けられました。この6塩基のリピート部分には遺伝情報が入っていないので、無くなっても遺伝子の発現には問題ない部分です。しかし、テロメアが無くなると細胞はDNAの複製ができなくなります。

DNAは2本の鎖状で、それぞれの鎖を鋳型にして新しいDNA鎖を合成します。新しい鎖を作るとき、DNAポリメラーゼという酵素が鋳型のDNA上を移動しながら、新生DNAを作ります。この酵素が鋳型のDNAに結合するためには、まずプライマーとよばれるRNAが鋳型のDNAの末端に結合する必要があります。

DNAポリメラーゼはRNAプライマーに結合し、そこから新生DNAの合成を開始します。その際、プライマーが結合した鋳型DNAの末端部は複製されません。そのため、細胞分裂でDNAを複製するたびに、染色体のDNA末端は少しづつ切れて短くなっていきます。

短くなっても問題ないように、最初から遺伝情報とは関係なく必要のないDNA配列(TTAGGGの繰り返し配列)がテロメアとして存在しているのです。しかし、テロメアの長さに限界があるので、いずれはテロメアが無くなると、もはや細胞分裂ができなくなります。

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図:染色体の末端にはテロメアという構造があり(①)、この部分のDNAはTTAGGGという配列が多数繰り返されている(②)。細胞分裂するたびに、このテロメア部分のDNAは短くなり(③)、テロメアが無くなった時点で、細胞はそれ以上に分裂することができなくなる(④)。



生殖細胞や幹細胞(骨髄の造血細胞や消化管粘膜上皮細胞のように細胞回転が早い細胞を供給している細胞)やがん細胞のように無限に分裂できる細胞もありますが、これはテロメアを延ばすことができるテロメラーゼという酵素が働いて、テロメアの長さを維持しているからです。普通の細胞にはテロメラーゼ活性はほとんどありません。

高齢者ほど感染症に罹りやすく、重症化率や死亡率が高くなることが知られています。最近の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でも高齢者が重症化のリスクが高いのは免疫力が低下しているからです。

免疫系の老化性の機能低下の原因として、高齢者では細胞のテロメアが短縮しており、さらにリンパ球のテロメラーゼ活性が低下しているので、リンパ球などの免疫細胞の増殖が制限されることが指摘されています。

【テロメア短縮が免疫老化を引き起こす】

 免疫システムは病原体やがん細胞から生体を守る働きを担っています。この免疫システムは自然免疫と獲得免疫に分けられます。

自然免疫は先天的に備わった免疫で、微生物などに特有の分子パターンを認識して異物を攻撃します。マクロファージや好中球には細菌などの病原体に共通した情報を認識できる受容体を細胞表面に持っていて病原体を認識して貪食します。さらにマクロファージはナチュラルキラー細胞を活性化します。

一方、獲得免疫は,後天的に外来異物の刺激に応じて形成される免疫です。高度な抗原特異性と免疫記憶を特徴とします。(下図)

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図:細菌やウイルスなどの病原菌に対して好中球やマクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞が排除する。抗原による感作の必要のない第一次防衛機構が「自然免疫」となる(①)。病原菌の抗原が樹状細胞に取り込まれ(②)、抗原を貪食した樹状細胞はリンパ節に移動して抗原の情報をT細胞やB細胞に渡して活性化し(③)、病原菌に対する抗原特異的な免疫応答によって病原菌を排除する(④)。この抗原特異的な免疫応答が「獲得免疫」となる(⑤)。



病原微生物が侵入したり、何らかの原因で炎症が起こると、血管から顆粒球や単球などが遊走して来ます。このように炎症反応によって集まってきたり、あるいは組織に常在していた樹状細胞やマクロファージは、侵入した細菌やウイルス粒子、あるいは死滅した細胞の死骸や断片などを取り込み、リンパ液の流れに沿って所属リンパ節に移動します。

樹状細胞やマクロファージは取り込んだタンパク質を分解し、その結果産生されたペプチド(アミノ酸が数個から数十個つながったもの)をMHC(major histocompatibility complex:主要組織適合抗原複合体)分子の上に提示します。

活性化した樹状細胞はリンパ節で手当たりしだいにナイーブT細胞(まだ一度も活性化されたことのないT細胞)とくっつきあって、何かを確かめます。ナイーブT細胞はその表面にT細胞抗原認識受容体(TCR)を持っています。樹状細胞の表面に提示されたMHC+抗原ペプチドとピタッとくっつく受容体(TCR)をもったナイーブT細胞と出会うと、そのT細胞を活性化します。

抗原を提示して活性化している樹状細胞にはCD80/86という補助刺激因子が発現しており、T細胞のCD28と結合し、刺激を送ります。さらに、活性化した樹状細胞はサイトカインを放出しており、ナイーブT細胞はそれを浴びることになります。

このようにTCRを介するシグナルとCD28を介する補助刺激とサイトカインによる刺激を同時に受けたTリンパ球は初めて活性化し、TCRの特異性を保ったままで分裂・増殖して自らのクローンを増やします。

CD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)は、Th1またはTh2のパターンを示すサイトカイン産生細胞へと分化します。
CD8陽性T細胞(キラーT細胞)は成熟し、細胞質内にパーフォリンやグランザイムなどを含んだ細胞傷害顆粒を持つエフェクター細胞になります。

エフェクター細胞はリンパ節を離れ、胸管を経て循環血液中へと流れ込み、血流に従って全身を巡ります。炎症の起こっている組織から産生されるサイトカインやケモカインなどの作用でエフェクターT細胞は炎症部位に集まり、病原菌やがん細胞の攻撃に参加します。

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図:病原菌(細菌やウイルスなど)に由来する抗原(①)やがん細胞から放出されたがん抗原(②)を未熟樹状細胞(③)が取り込んで成熟して抗原を提示するとき(④)、MCH(major histocompatibility complex:主要組織適合抗原複合体)分子にペプチド抗原を載せて細胞傷害性T細胞やヘルパーT細胞に提示する(⑤)。このとき、MCH+ペプチド抗原にぴったり結合するTCR(T細胞受容体)を持つT細胞は、補助刺激因子(CD28とCD80/86など)や樹状細胞から放出されるサイトカインの働きで活性化され、がん抗原を認識するT細胞がクローン性に増殖し(⑥)、病原菌やがん細胞を抗原特異的に攻撃する(⑦)。


この様に病原菌やがん細胞に対してリンパ球が抗原特異的に攻撃する場合、T細胞やB細胞などのリンパ球がクローン性に増殖する必要があります。「リンパ球のクローン性増殖」とは、ターゲットとなる病原菌やがん細胞に特異的に反応するリンパ球が細胞分裂を繰り返して同じ細胞を増やすことです。

リンパ球のテロメアが短く、例えば10回しか分裂できないと2の10乗(210)の細胞数は1024個です。1000個程度のリンパ球では病原菌やがん細胞に十分な抗原特異的な攻撃はできません。がん細胞の場合、1gのがん組織には約10億個のがん細胞が存在します。

20回の細胞分裂(220)で約100万個です。30回の細胞分裂(230)で約10億個です。
リンパ球がクローン性に増殖する場合、テロメラーゼ活性が亢進して、細胞分裂が継続できるように働いていますが、高齢になるとリンパ球のテロメラーゼ活性は低下しています。テロメラーゼ活性が低下していると、抗原に特異的なリンパ球のクローン増殖に限界があります。これが、高齢者が感染症やがんの発症が多いことの理由の一つです。病原菌やがん細胞を排除する免疫細胞のクローン性の増殖が十分にできないためです。

ある研究では白血球のテロメア長が短いと、肺炎による入院のリスクが高く、感染に関連する死亡のリスクが高いことが報告されています。インフルエンザワクチン接種後の免疫反応に関する別の研究では、Bリンパ球のテロメア長が長い人は、Bリンパ球テロメアが短い人と比較して、より強力な抗体反応を示しました。

つまり、COVID-19のワクチン接種を受けても、白血球のテロメア長が短い体質の人や高齢者は、抗体が十分にできない可能性があることを示唆しています。

白血球テロメア長に関する疫学データでは、加齢、肥満、男性、白人、アルコール依存症、アテローム性動脈硬化、糖尿病、感染症、心血管疾患が白血球テロメア長の短縮と関連することが報告されています。


【NAD+を増やすと免疫力が向上してCOVID-19の死亡リスクを低下できる】

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では高齢者ほど死亡率が高いことが明らかになっています。高齢者は心臓や呼吸器の機能が低下し、動脈硬化や糖尿病や高血圧などの併存疾患を持つ人が多く、これらの状態がCOVID-19に対する死亡リスクを高めています。高齢者では免疫機能が低下していることも、重症化しやすい理由と思われます。

従って、心臓や呼吸器や免疫組織の機能を高めれば、COVID-19の重症化のリスクを軽減できます。その方法の一つとしてニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)があります。以下のような報告があります。

Influence of NAD+ as an ageing-related immunomodulator on COVID 19 infection: A hypothesis(COVID 19感染に対する加齢関連免疫調節剤としてのNAD+の影響:仮説)J Infect Public Health. 2020 Sep; 13(9): 1196–1201.

【要旨】
老化に関連した生物学的機能の低下は、人間の病気の罹患率と死亡率の増加に対する重要な要因である。これらの生物学的機能の低下の中には、心臓機能の大幅な低下、肺のガス交換の障害、免疫機能の障害がある。

加齢の過程において、液性免疫および細胞性免疫応答における多くの変化が観察される。循環している炎症誘発性サイトカインが増加し、ナイーブリンパ球が減少し、抗原提示細胞の数が上昇し、全体的な免疫応答が損なわれている。


さらに、老化はテロメアの長さの進行性の短縮と関連している。テロメアは染色体の末端に位置し、染色体の安定性を維持する上で重要な役割を果たす。テロメアの短縮に対して免疫細胞は感受性が高いため、テロメアの長さは免疫系にとって非常に重要である。

テロメアの短縮は、免疫細胞の機能と発達に悪影響を及ぼす。これらの有害な変化により、感染症の重症化、入院のリスク、さらには死亡のリスクが高まる。

高齢のCOVID-19患者は、免疫機能障害、サイトカインストーム、および呼吸機能障害により、実際に合併症のリスクが高くなる。

抗老化作用と免疫調節作用のあるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)のような因子を投与すると、その強力な免疫調節効果と寿命延長効果により、これらの病的変化を最小限に抑えることができる。  
NAD+レベルを上げると、テロメアが安定し、免疫細胞の機能にプラスの影響がある。


COVID-19に感染した場合、高齢者は重症化しやすく、子供はほとんど軽症で終わります。この違いは、高齢になるほど免疫力が低下することが関連していると考えられています。

前述の様に、老齢の個人と子供のDNAレベルでの重要な違いの1つは、テロメアの長さです。テロメアは染色体末端の反復ヌクレオチド配列の領域を表します。免疫系はテロメアの短縮に非常に敏感で、その機能は厳密に細胞の再生とTおよびB型の細胞のクローン性増殖に依存するためです。テロメア短縮は細胞の分裂増殖を制限します。

ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+) は酸化還元反応をになうさまざまな酵素の補酵素としてよく知られています。

生体内での NADの合成経路における中間体である ニコチンアミド・リボシド(NR)やニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)をサプリメントで補うと、体内のNAD+の量を増やし、サーチュイン群を活性化することにより、糖尿病などの老化関連疾患の病態を軽減するとともに、老化遅延や寿命延長にも関与しているらしいということが明らかになっています。

サーチュイン(サーチュインファミリー)は食物不足(飢餓状態)の時に活性化される遺伝子群で、NAD依存性脱アセチル化酵素です。サーチュインはタンパク質の脱アセチル化(アセチル基を除去する)によって様々な酵素の活性を調整することによって、細胞周期、代謝、抗酸化システム、オートファジーなどの細胞機能の制御に関与しています。

カロリー制限(栄養不良を伴わない低カロリー食事療法)で、霊長類を含む多岐にわたる生物種において老化を遅延させ、寿命を延長させることが知られていますが、このカロリー制限のときに活性化されて寿命延長と抗老化作用に関与するのがサーチュイン遺伝子です。

サーチュイン1はPGC-1αを脱アセチル化することによって活性化します。活性化したPGC-1αはミトコンドリア新生を亢進します。

老化および老化関連疾患は,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD+)量低下,およびNAD+依存性脱アセチル化酵素サーチュインの活性低下と密接な関わりを持つことが示されています。
加齢に伴って体内のNAD+の量は減少します。

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図:加齢とともに組織のタンパク質重量当たりのNAD+は減少する。NAD+の減少が、老化に伴う臓器や組織の機能低下の主な原因となっている。

老化に伴いNAD+量およびサーチュイン活性が低下しますが、ニコチンアミドリボシド(nicotinamide riboside:NR)やニコチンアミドモノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide:NMN)などのNAD+中間代謝産物の補充がサーチュインを効果的に再活性化することが明らかになっています。


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図:ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD+)はトリプトファンやニコチン酸やニコチンアミドなどから生成するルートもあるが、特にNAD+の前駆物質であるニコチンアミド・モノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide:NMN)とニコチンアミド・リボシド(nicotinamideriboside:NR)をサプリメントとして摂取すると体内のNAD+を増やすことができる。


NAD+の前駆物質であるニコチンアミド・モノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide:NMN)とニコチンアミド・リボシド(nicotinamideriboside:NR)は以前はかなり高額でしたが、最近は安価に入手できるようになっています。

NMNやNRをサプリメントで補充すると、体を若返らせ、免疫力を高め、新型コロナウイルスに対する抵抗力を高めることができます。感染しても重症化を防ぐことができます。ワクチン接種の効果を高めることもできます。

高齢者はワクチン接種で副作用が少ないことが明らかになっています。これは免疫応答が高齢者ほど低いから副作用も起こりにくいことを意味し、ワクチンの効果が十分に上がらない可能性を示唆します。つまり、高齢者にワクチンを接種するときは、ミトコンドリアの活性を高め、免疫細胞の働きを高めることが重要です。その目的でコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)やニコチンアミド・リボシド(NR)をサプリメントで補うことは有効です。

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図:生き物には寿命(生まれてから死ぬまでの時間)があり(①)、時間とともに老化が進む(②)。体内の生命活動に必須の補酵素のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD+)の体内量は老化の進行とともに減少する(③)。NAD+の前駆物質であるニコチンアミド・リボシド(④)ニコチンアミド・モノヌクレオチド(⑤)をサプリメントとして補充すると、体内のNAD+量を増やし(⑦)、体を若返らせ、寿命を延ばすことができる(⑦)。

体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術 記事まとめ

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