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32)ビタミンD3は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復を促進する

体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術32

ミトコンドリアを活性化して体を若返らせる医薬品やサプリメントを解説しています。

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はワクチンを接種しても安全とは言えない】

 新型コロナウイルス感染症のCOVID-19(Coronavirus Disease 2019)はコロナウイルスのSARS-CoV-2(Severe Acute Respiratory Syndrome CoronaVirus 2)の感染によって発症します。現在、日本を含め多くの国で感染が拡大しています。

COVID-19感染症の人の中には、症状がほとんど、あるいは全くない人もいますが、重症化して死亡する人もいます。一般的に、約8割の患者は自然に軽快して治癒していますが、約2割の患者は肺炎を合併しています。肺炎に進展した患者のさらに⼀部が、重症化して集中治療や⼈⼯呼吸を要する状態になります。

症状には、発熱、咳、呼吸困難、悪寒や震え、倦怠感、筋肉痛、頭痛、嚥下痛、臭いおよび/または味覚の喪失、吐き気、嘔吐、下痢などが起こります。
 

潜伏期間はウイルスに感染してから2日から14日の間です。SARS-CoV-2感染で重症化したり死亡のリスクは、年齢とともに高くなり、肥満や糖尿病、高血圧、心臓疾患など基礎疾患を持つ人々で増加します。
 

広範な肺機能障害が起こると呼吸困難になり、酸素吸入が必要になります。さらに、不整脈、心筋症、血栓塞栓症および肺塞栓症、播種性血管内凝固症候群、敗血症、ショック、多臓器不全など重篤な合併症によって死亡します。

最近増えている変異型コロナウイルスは、従来のコロナウイルスより感染力が高く、重症化率と死亡率が高いことが問題になっています。感染症の症状(発熱や咳など)が治っても、後遺症(倦怠感、味覚・嗅覚異常、脱毛、睡眠障害など)に苦しむ人が多いことも問題になっています。重症化した人ほど後遺症の発症率が高く、症状が強く、持続期間が長いことが明らかになっています。

新型コロナウイルスは肺炎を発症して重症化しなければ、普通の風邪やインフルエンザと同じように自然に治癒します。つまり、重症化することを防ぐことが重要です。

ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬は重症化を抑えます。抗ウイルス薬のレムデシビルが使用されていますが、その効果は特効薬というほどの効果はありません。

ワクチンの接種は重症化予防に有効です。しかし、ワクチンを接種したから安心ではなく、日頃から免疫力を高めておくことが重要です。
ワクチンは、試験問題を事前に知ってから試験に臨むのと似ています。問題を知って、答えを前もっと考えておくと、試験会場ですぐに正解を書くことができます。しかし、事前に答えを勉強していても、物忘れがひどくて、試験場で答えを思い出せなければ、問題を前もって知っていたことの意味がなくなります。

これと同様に、前もってコロナウイルスの情報を体に覚え込ませて、すぐに抗体を作れるように準備していても、免疫細胞の働きが弱っていれば、ワクチン接種の効果は得られません。実際に、免疫抑制作用のあるステロイド剤を使用していたり、抗がん剤治療を受けているがん患者さんは、ワクチンの効果がかなり低下することが報告されています。


【自宅待機中に重症化して死亡する人が増えている】

 最近は感染者が増えたので、軽症者や呼吸困難がないレベルの中等症であれば、自宅療養が優先されるようになっています。自宅で待機している間に肺炎が急速に進行し、重症化した自宅で死亡する人も増えています。
8月5日の毎日新聞のネット記事に以下のような記事があります。

『警察庁は5日、2020年1月から21年6月までの1年半に自宅で容体が急変して死亡し、全国の警察が変死などとして取り扱った人のうち、計443人から新型コロナウイルスの感染が確認されたと明らかにした。 自宅や路上など医療機関以外で体調が悪化して死亡した人のうち、コロナの感染が確認された人は合計536人。』8/5(木) 18:46配信 毎日新聞

COVID-19は初めは軽い発熱レベルであったのが、急速に病状が悪化し、救急搬送される人は増えています。さらに、医療機関にかかる前に死亡する人もかなり存在するようです。


【栄養不全があると免疫細胞の働きが低下し、COVID-19は重症化しやすい】

 「重症化の予防」に関しては、個人で実践できる方法が数多くあります。つまり、栄養状態を良くし、抵抗力や免疫力を高め、適度に運動し、睡眠を十分にとり、ストレスを避ける、タバコは吸わないなどの生活習慣の改善が主です。
 

さらに、漢方薬やサプリメントや医薬品を使って、積極的に抵抗力や免疫力を高めることはプラスになると思います。しかし、多くの人は、「感染すれば医療機関を受診するしか無い」という考えしかなく、自分で抵抗力や免疫力を高めて、発症や重症化を予防しようと実践している人は少数のように思います。「重症化するのが怖い」と自覚していても、自分で重症化を予防することを実践している人は少ない様です。
 

しかし、医療機関にかかることさえ制限されるようになったので、自分の命は自分で守ることを考えるのが良いと思います。

COVID-19はウイルスによる呼吸器感染症ですが、重症化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は栄養欠乏症とも言えます。栄養不足によって自然免疫防御が低下した集団に日和見的に広がるためです。
免疫力が低下した方が、健康な人では問題とならないような病原体に感染することにより発症する感染症を日和見(ひよりみ)感染と言います。
 

COVID-19で重症化する理由は、基本的には日和見感染と同じです。免疫力など生体防御力の低下が主な原因になります。生体防御力の低下の原因としては、加齢による免疫老化の他に、栄養不良による諸臓器機能の低下が重要です。

免疫応答に必要な栄養素には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDなどのビタミン類、亜鉛やセレンなどのミネラルがあります。ビタミンB群やタンパク質(アミノ酸)が不足すると酵素反応が阻害されて免疫力が低下します。したがって、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントの服用やタンパク質の多い食事はコロナウイルスに対する免疫増強に有効です。

免疫機能をサポートするポリフェノールとフラボノイドが多く含まれている果物や野菜の摂取量を増やすことは、免疫力の維持に有効です。以下のような報告があります。

Effect of Flavonoids on Upper Respiratory Tract Infections and Immune Function: A Systematic Review and Meta-Analysis (上気道感染症や免疫機能のフラボノイドの効果:系統的レビューとメタアナリシス)Adv Nutr. 2016 May; 7(3): 488–497.

この論文では、全体として、フラボノイドの補給は、明らかな副作用なしに、対照と比較して上気道感染症の発生率を33%減少させました。
 

漢方薬の生薬は、野菜や果物以上に、抗酸化作用や免疫増強作用のある成分が豊富です。ポリフェノールとフラボノイド以外にも、多糖類やサポニンや精油など免疫力を高める成分が豊富です。
漢方治療を専門に行っている立場からは、COVID-19が流行している状況で、感染症の予防に漢方治療をもっと利用しても良いように思っています。


【ビタミンD3は新型コロナウイルス感染症の回復を促進する】

以下のような論文が最近報告されています。

Effects of a 2-Week 5000 IU versus 1000 IU Vitamin D3 Supplementation on Recovery of Symptoms in Patients with Mild to Moderate Covid-19: A Randomized Clinical Trial(軽度から中等度のCovid-19患者の症状の回復に対する2週間の5000IUと1000IUのビタミンD3サプリメントの効果:無作為化臨床試験)Nutrients. 2021 Jul; 13(7): 2170.

【要旨の抜粋】
目的:ビタミンD欠乏症は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化のリスク増加と関連している。この多施設ランダム化臨床試験は、ビタミンDが不足傾向にある軽度から中等度のCOVID-19患者の症状およびその他の臨床パラメーターの回復における、5000IUと1000IUの毎日の経口ビタミンD3補給の効果を評価することを目的としている。

研究の設計と設定:軽度から中等度のCOVID-19で入院した合計69人のPCR陽性の成人を対象として、1日のビタミンD3摂取量が5000IU(n = 36、男性21人、女性15人)あるいは1000 IU(n = 33、男性13人; 女性20人)のいずれかに割り当てられた。

ビタミンD3の補給前と補給後に血液サンプルを採取し、空腹時血糖、脂質、血清25(OH)D、および炎症マーカーを測定した。COVID-19の症状は入院時に記録され、完全に回復するまで監視された。

結果:2週間のビタミンD補給は、1日5000 IU摂取グループのみで血清25(OH)Dレベルの有意な増加を引き起こした(調整済みp = 0.003)。
カプランマイヤー生存分析では、年齢、性別、ベースラインBMI、およびD-ダイマーを調整した後でも、5000 IUグループの方が1000 IUグループよりも咳の消失(6.2±0.8日 対9.1±0.8日; p = 0.039)および味覚障害の回復(11.4±1.0日対16.9±1.7日; p = 0.035)にかかる期間が大幅に短縮した。

結論:ビタミンDが不足している状態の軽度から中等度のCOVID-19患者において1日の5000 IUの2週間の経口ビタミンD3補給は、咳と味覚喪失の回復までの時間を短縮する。
ビタミンDが不足気味のCOVID-19患者の補助療法として、たとえ短期間であっても、1日5000IUのビタミンD3を摂取することを推奨する。

感染してからでも、やや高用量(1日5000 から10,000 IU)のビタミンD3を服用すると、回復を促進する可能性を示唆しています。


【高齢者はビタミンD欠乏になりやすい】

 元来ビタミン(vitamin)というのは、生命に必要なアミンの意味で、微量で生体の正常な発育や物質代謝を調節し、生体機能の維持に不可欠な有機化合物で、普通は動物体内では生合成されないもので、食物などから摂取する必要があります。
 

しかしビタミンDは例外で、体内で合成できます。つまり、ビタミンDは体内で生成されることから、ビタミンというよりホルモンに近いと言えます。ただ、ホルモンは生体内で生成されるものに限定されるので、ビタミンDは体内で産生されるだけでなく、食品からの摂取量も多いのでビタミンに分類されています。体内のビタミンDの90%程度は皮膚で紫外線を浴びて生成し、10%が食事から摂取と言われています。

体内でコレステロールから合成されるプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)は皮膚で紫外線照射を受けてビタミンD3(コレカルシフェロール)へ変換されます。ビタミンD3は食品やサプリメントからも摂取されます。体内で生成されたビタミンD3と食物から摂取したビタミンD3は、肝臓で25位が水酸化されて25(OH)ビタミンD3(カルシジオール)に変換され、さらに腎臓などで1α位が水酸化されて活性型の1,25(OH)2-ビタミンD3(カルシトリオール)になります。

 

25(OH)ビタミンD3(25-ヒドロキシビタミンD3)は体内でのビタミンDの貯蔵型であり、長期間安定に血液中を循環しています。血中25-ヒドロキシビタミンD3の濃度がビタミンDの体内貯蔵量の指標として用いられます。

活性型ビタミンD3は、核内受容体への結合による遺伝子発現の調節や、細胞膜のビタミンD受容体への結合によるシグナル伝達系の活性化のメカニズムなどによって、骨形成やカルシウム代謝、炎症、免疫、発がん、細胞増殖、細胞分化、細胞死(アポトーシス)など様々な生理機能の調節に関与します。

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図:体内でコレステロールから合成されるプロビタミンD3(7-dehydrocholesterol)は皮膚で紫外線(HV-B)照射を受けてビタミンD3(Cholecalciferol)へ変換される(①)。ビタミンD3は食品やサプリメントからも摂取される(②)。ビタミンD3は肝臓で25-ヒドロキシラーゼ(25-hydroxylase)によって25(OH)ビタミンD3(Calcidiol)に変換され(③)、さらに腎臓で、1α-ヒドロキシラーゼ(1-alpha hydroxylase)によって活性型ビタミンD3である1,25(OH)2ビタミンD3(Calcitriol)になる(④)。活性型ビタミンD3は、核内受容体への結合による遺伝子発現の調節や、細胞膜のビタミンD受容体への結合によるシグナル伝達系の活性化のメカニズムによって(⑤)、骨形成やカルシウム代謝、炎症、免疫、発がん、細胞増殖、分化、アポトーシスなど様々な生理機能の調節に関与する(⑥)。


ビタミンD3はサプリメントとして市販されています。サプリメントのビタミンD3は、肝臓で25-ヒドロキシビタミンD3に変換されたあと、必要に応じて腎臓で代謝されて活性型(1,25-ジヒドロキシビタミンD3)になり、その活性化は、副甲状腺ホルモンやカルシウム濃度によって厳密にコントロールされているため、過剰症になることはほとんどなく、安全性が高いと言えます。

日光に当たれば、体内で十分な量のビタミンD3が生成されます。日照時間の短い緯度の高いところに住んでいる人は体内のビタミンDの濃度が低い傾向にあります。また、ビタミンD含有量の多い魚やキノコの摂取量が少ない場合もビタミンD欠乏の原因になります。家に閉じこもることの多い高齢者は、ビタミンD欠乏になりやすいので、サプリメントで補うメリットは高いと言えます。ビタミンDの不足は感染症や心臓病のリスクを高めることが明らかになっているからです。


【血清中のビタミンD濃度はCOVID-19の死亡率と逆相関する】

 ビタミンD受容体は生体防御や免疫に関わる細胞(単球、マクロファージ、抗原提示細胞、活性化T細胞など)で発現しています。これはビタミンDが生体防御や免疫に重要な働きを持つことを意味します。したがって、ビタミンD欠乏は自然免疫と獲得免疫を低下させるので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含め様々な感染症の発症と重症化のリスクを高めます。

ヨーロッパの国を対象に、それぞれの国の国民のビタミンDの平均濃度とCOVID-19の発症数と死亡数の関連を検討すると、ビタミンDの濃度とCOVID-19の発症数および死亡数は逆相関するデータが報告されています。つまり、ビタミンDの血中濃度が低いほどCOVID-19の発症数と死亡数が多いという関係です。
以下のような報告があります。

The role of vitamin D in the prevention of coronavirus disease 2019 infection and mortality(コロナウイルス疾患2019の感染と死亡の予防におけるビタミンDの役割)Aging Clin Exp Res. 2020 May 6 : 1–4.

これは英国の研究チームによる論文です。この研究で対象になったヨーロッパの20カ国は、医療や公衆衛生のレベルに大きな差がないので、体内のビタミンDの濃度がCOVID-19の感染や死亡に影響するかの検討か可能になります。
 

研究チームは各国の国民における平均ビタミンDレベルとCOVID-19の症例・致死率の関係について調査しました。その結果、ヨーロッパ20カ国において、国民のビタミンDレベルとCOVID-19症例数の間、特に致死率との間に相関関係がみられました。

イタリア・スペイン・スイスでは特に高齢者の平均ビタミンDレベルが少なく、これはCOVID-19が重症化したグループと一致しているということです。(下図)。

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図:ヨーロッパの20カ国の、それぞれの国民の血清25(OH)ビタミンDの平均濃度と、それぞれの国の人口100万人当たりのCOVID-19による死亡者数(左図)と感染者の数(右図)がプロットされている。25(OH)ビタミンDの血清濃度が高いほどCOVID-19の感染と死亡の数が少ないという負の相関が認められている。(出典:Aging Clin Exp Res. 2020 May 6 : 1–4.)

以下の論文はアイルランドの研究者からの報告です。

Vitamin D and Inflammation: Potential Implications for Severity of Covid-19(ビタミンDと炎症:Covid-19の重症度に対する潜在的な影響)Ir Med J; Vol 113; No. 5; P81

この論文の結論は以下の様に記述されています。
『ビタミンDの状態を良くすることは、COVID-19に対して潜在的な利点がある。COVID-19におけるビタミンDの役割を支持する生物学的根拠と疫学的データが存在する。』

ヨーロッパでは緯度が高い(北に位置する)国の人がビタミンDの濃度が低いというわけではなく、スペインやイタリアではヨーロッパの中でビタミンDの濃度が低く、COVID-19の死亡率も高い結果でした。

ノルウェー・フィンランド・スウェーデンでは日光や紫外線量が少ないのですが、サプリメントの摂取や食事によるビタミンDの補給が行われているため、ビタミンDレベルが高くなっています。国民のビタミンD濃度を高めるために、食品にビタミンDを入れる政策が行われている国もあります。
北欧諸国ではCOVID-19の感染率と致死率が低く、ビタミンDレベルとCOVID-19の致死率の間には「統計的に有意な相関が見られる」とのことです。(下図)。

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図:ヨーロッパの国々の国民の血清中25(OH)ビタミンDの平均濃度と人口100万人当たりのCOVID-19による死亡者数の間には統計的有意な逆相関の関係が示されている。


以上の疫学データは、ビタミンD欠乏が新型コロナウイルスの重症化と関連することを示唆しています。
そこで、ビタミンDの補充は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染と重症化の予防に役立つかもしれないという指摘が報告されています。
以下のような報告があります。

Evidence that Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths.(ビタミンDの補給がインフルエンザとCOVID-19の感染と死亡のリスクを低減できるという証拠)Nutrients. 2020 Apr 2;12(4). pii: E988. doi: 10.3390/nu12040988. 

これは米国からの報告です。この論文では以下の服用量を推奨しています。

感染のリスクを減らすために、インフルエンザやCOVID-19のリスクがある人は、1日に10,000 IU のビタミンD3を数週間服用して25(OH)D濃度を急速に上げ、その後5000 IU / 日の服用を継続する。
目標は、25(OH)D濃度を40~60 ng / mL(100~150 nmol / L)より高くすることである。 COVID-19に感染した人の治療では、ビタミンD3の投与量を増やすことが役立つ場合がある。

血中25ヒドロキシビタミンD (25-OH-D) は血液中のビタミンD代謝物の中で最も濃度が高く、ビタミン補充状態をよく反映するため、体内ビタミンDレベルの指標となっています。血中25-OH-ビタミンDが50 nmol/L(20 ng/ml)以下が不足状態と考えられています。この論文の著者らは血清中100~150 nmol / L(40~60 ng / mL)に高めるように推奨しています。
 

その目的で、1日に10,000 IU のビタミンD3を数週間服用して25(OH)D濃度を急速に上げ、その後5000 IU / 日の服用を継続する方法を提案しています。
 

今までの研究から、血中ビタミンD濃度が不足している人のビタミンD濃度を改善するためには1日4000 IU (100μg)程度が必要であることが示されています。

日光浴などで体内のビタミンD合成を増やすことの他に、ビタミンDを多く含む食事を摂取するか、ビタミンDのサプリメント(1日4000 IU程度)を摂取することはCOVID-19の感染と重症化の予防に有効と言えます。

適度な日光浴や屋外での運動を行うと、体内のビタミンDの量を増やすことができます。屋外での運動は、運動による健康作用と、体内のビタミンD3の量を増やすことによる相乗効果が期待できます。あまり外に出ないような人や、日照時間の短い冬の季節には、天気の良い昼間に外で日光浴や軽い運動をすることはビタミンD3の体内量を増やす方法として有効だと言えます。
 

ただし、日焼けするような強い紫外線を長く浴びることは、皮膚がんや悪性黒色腫の原因となりますので、紫外線の強いときは日光浴や屋外での活動も適度にした方が良いようです。
 

アフリカ系アメリカ人はビタミンDの不足が多いという結果が報告されています。皮膚の色が黒いのは皮膚のメラニン色素が多く、皮膚の紫外線の吸収を低下させるので、皮膚におけるビタミンD産生が低下するためと考えられています。皮膚が黒くなるまで日焼けするのは、一見健康そうにみえますが、皮膚のしみやがんの発生を高めるだけでなく、ビタミンD3の産生を低下させて抗老化にはマイナスになる可能性があることも知っておくことが大切です。
 

ビタミンD3はサケ、マグロ、サバなどの脂の乗った魚や、牛のレバー、バター、チーズ、卵黄などに多く含まれます。このような食事や屋外での運動や日光浴が困難な場合は、1日2000IU(50μg)から4000 IU(100 μg)程度のビタミンD3のサプリメントの摂取は有用です。

ビタミンD3の補充は心臓血管系疾患の発症を予防し、寿命を延ばす効果も報告されています。
1日4000 IU(国際単位)のビタミンD3を日頃から摂取すると、新型コロナウイルス感染症の重症化を予防し、心臓病を予防し、寿命を延ばす効果が期待できます。


体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術 記事まとめ


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