見出し画像

男塾法律相談100選⑯

一度の過ちを責められ続ける
いま何をすべきか

ほんの出来心から、会社の後輩の女性と2回ホテルに行きました。関係はそれっきりだったのですが、過去のラインのやりとりを妻に見られて、浮気を問い詰められたので、正直に話したところ、「まだ関係は続いているのだろう」と毎日責められて、会社にまで乗り込んで、浮気相手を出せと、わめかられたために、会社中に知られてしまいました。女性には、会社にいられなくなったので、慰謝料を払えと言われ、上司には移動してもらうと注意され、家庭では妻が許してくれません。どうしたらよいのか。。。

ある日の相談より抜粋

何をするべきではないのか
 ほんの出来心でしてしまった不倫。というよりは浮気のつもり、簡単な出来心であって本気の不倫じゃない。そう思いたい2回のホテルでのできごと。実際にズルズル関係を続けているのではなくて、きっぱりそれっきりにしてる。この程度であれば、婚姻関係に悪影響を生じさせるようなものではないから、許されますよね?と、何度も相談されてきました。
 本件の場合もう少し深刻で、過去のラインのやりとりを妻に見られてしまい、問い詰められ、すべて正直に話ししています。すべて正直に話をすることは後日、関係修復したり謝罪をするにあたってバツが悪い事実が次々明るみになる前に、事実を整理して誠実に対応する観点から、悪くはありません。しかし、事実でないことまで認める必要があるかと問われると、微妙です。実際に、事実を事実のまま認めても、「まだ関係は続いているのだろう」などと、被害者側は追及をやめず、毎日責められて、会社にまで乗り込んで、浮気相手を出せとわめかられ、具体的な悪影響が生じてしまっています。
 このケースから学ぶべきは、事実を認めるタイミング、これにつきます。被害者が疑心暗鬼の状態で事実を語っても、被害者は、一部の事実だけを切り出して都合よく話をしているようにしかみえません。現に、奥さんが乗り込んでしまい会社中に知られてしまったことで、2回の関係に過ぎなかった女性側にも迷惑が掛かってしまうことを気にする気持ちはわかりますが、真実を語るには、事件全体を把握し、適切なタイミングをもって語ることが理想なのです。

何をするべきか?
奥さんは、会社に乗り込んで事実を明るみに下だけでは到底満足していません。奥さんの狙いの一つである、女性に会社にいられなくなってもらう目的は達成するも、次は慰謝料の支払いを求めています。慰謝料を解決するにあたっては、お金で解決すること以外の方法をも駆使して、適切な解決策をもって合意しなければなりません。具体的には、お金の支払いを以って、第三者(会社)にこれ以上の口外をしない約束をするのがポピュラーです。それ以前に、上司には異動してもらうと注意され、家庭では妻が許してくれない状況は長期戦になることを覚悟して、今後は第三者に口外しない旨の条項を設定することを先決として考えましょう。その他にも、今後不貞相手には背職をしない、として合意してしまうなど、とにかく、慰謝料を払って満足(完全な終わり)だと思わないことが重要です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?