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弁護士ばんぶう
2021年10月27日 23:48
0 はじめに 悪意の遺棄について複数回検討をしてきました。実際の「遺棄」の意味に比較すると広い意味であって、文言に拘泥されないことは理解できました。実際、学理上もこれを維持できるのか。1 通説的な考え方 『注釈民法』第3版,366頁によれば,「悪意」とは、法令上の通常の用語法(知っていること)とは異なり、社会的・倫理的に非難されるべき心理状態、すなわち遺棄の結果としての婚姻共同生活の廃絶を
2021年10月27日 22:15
0 はじめに悪意の遺棄について、引き続き検討してみます。同居に至った経緯をみて、悪意の遺棄に該当しているかどうかを線引きの基準としている?と思われる裁判例でした。今回も悪意の遺棄に該当すると判断された事例です。1 裁判例の検討東京地方裁判所において平成26年 3月25日に出された裁判例は、原告が、妻である被告に対し、同人が不貞行為をした上、原告の承諾を得ずに一方的に同居を解消して家を出て行き、
2021年10月27日 22:02
0 はじめに 突然ですが、離婚裁判を百個分析することにします。記念すべき第1回は悪意の遺棄です。悪意で遺棄をした、(言い方は悪いですが)姥捨て山においてきたような文言が離婚事由になることは割と有名です。記念すべき第1回は、不貞行為や暴力行為などのあからさまなものではなく、悪意の遺棄、を探ってみます。1 裁判例の検討 東京地方裁判所において平成29年 9月29日に出された裁判例は、妻であった原告