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  そのファイルはなぜ 真っ黒に塗りつぶされているのか
 
2022年11月25日森友学園に関する財務省の決裁文書改ざん問題
赤木雅子は夫・赤木俊夫(当時54)のマフラーを身に着けて判決を迎えた
「夫と一緒にいる気持ちで」その日を迎えたかったのだ
 
裁判で提出された「赤木ファイル」は
関与した職員の氏名が黒塗りになっていた
誰が指示したかは黒く塗りつぶされている
しかし黒くとも誰かはわかっている
真っ黒であるがゆえに「問われず」「問わない」
真っ黒なファイルは 何も開示されず
真っ黒なままでよいと 判決は下された
 
大阪地裁の中尾彰裁判長
「職務中の行為に関する賠償責任は国が負い、公務員個人は責任を負わない」
「賠償責任を負わない以上、元局長が道義上はともかくとして
説明をしたり謝罪をしたりすべき法的義務が発生するとは考えられない。」
とした
 
雅子は思った
真っ黒に「守られた」男 佐川に
夫は「改ざん」を「強制」された
夫は「怖い」といいながら「自殺」させられた
その佐川を裁判は真っ黒なまま
「謝罪をしたりすべき法的義務が発生するとは考えられない」と結論だけ下した
 
 そのファイルはなぜ 真っ黒に塗りつぶされているのか
問うこともなく
 
2022年11月 
「安倍元総理国葬警備関する経費」が
川内博史氏の情報公開請求によってあきらかになった
8月27日に行われた「国葬」
警備費用がいくら掛かったのか
国民の知る権利にこたえる情報開示請求に対して
警視庁「積算内訳」と記された資料には
「詳細は別紙1のとおり」とあり
その別紙1には「麹町」「丸の内」「神田」など
都内97署と5つの方面本部などの名称が記載され
警備にかかった「人数」や「費用」は
 
「総黒塗り」
 
「何もかも」隠された
警視庁は文書を黒塗りにした理由について
「警備上の安全確保の観点から詳細は明かせない」という
奇々怪々 謎の趣旨の説明をした
 
 そのファイルはなぜ 真っ黒に塗りつぶされているのか
 
 
2023年8月8日 共同通信社が配信した一つのニュース
「日本武道館で営まれた安倍晋三元首相国葬に関し、共同通信が内閣府に招待者名簿などを情報公開請求したところ、74%の氏名が黒塗りだった。」
黒塗りは
元国会議員の100%
報道関係100%、
遺族・遺族関係者96%
約12億円の経費を全額国費で賄った国葬の名簿
内閣府は
「業務の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがある」という
「どの業務」に「何が」差し支えるのか意味不明な 
またも奇々怪々な 謎の趣旨の説明をした
 
 そのファイルはなぜ 真っ黒に塗りつぶされているのか

赤木俊夫はなぜ自殺させられたのか
真っ黒な国の
真っ黒なファイルは
何も語らず
それで済まそうと
それで無かったことに
してしまおうとしている
 
 
真っ黒なファイルの
裏側に
迫っていかない限り
真っ黒を鋭く
切り取ってしまわない限り
真っ黒で済まされてきた歴史を
変えない限り
 
そのために
僕らが変わらない限り
僕らの明日は何も変わらない
 
 
 

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