見出し画像

大阪はかつて 
摂津 河内 和泉に分かれ
その和泉と呼ばれていたところで
ぼくは小学校に通いました
田んぼのあぜ道がそのまま舗装されたような町でした。

道草しながら帰り道
道の真ん中に蛇がとぐろを巻いて
「おいでおいで」をしていました
田んぼには小さな「カブトガニ」がいて
飽きもせず いつまでも見ていました
肥溜めの横を通るとき いつも緊張しました。
雨が降った翌日
道に飛び出した蛙たちがぺちゃんこにひかれて
生臭いにおいが漂っていました

あぜ道のそばのドロ沼には
ザリガニ どじょう めだか
いっぱいいました。
「沼には 大ナマズがいます」
ぼくは待ち続けました。

ある時ついに
沼が動いて
ドロンと謎の物体が!

最近こんなことばかり思い出します

ひとみ
おとうさんは
もう一度歩いてみたい
ひとみと一緒に

黄金の稲穂に囲まれた あのあぜ道を


1994年 娘5歳の時に書いた拙い詩です。今、かつての面影はなく、田んぼは住宅地に変わりました。



この記事が参加している募集

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します