7インチ盤専門店雑記654「1980年代のギター?」
自分は1960年生まれなので1970年代が丁度十代ですから、どうしても70sカルチャーがベースの人間です。楽器で言えばGibsonとFenderです。アマチュアが重宝するのはGrecoやFernandes、AriaPro IIという時代です。Yamahaというメーカーもありましたが、プロもアマも使うというイメージを持っておりました。これがもう十歳上だとグレッチやエピフォン、リッケンバッカーやモズライトなどという名前も出てくるのでしょうか。もう十歳下だと、思い切り種類が増えているように思えるのですが、如何でしょうか。
1980年代に入ったころ、自分もまだ楽器をいじっておりました。最初に買ったのはGrecoのMR-1000、モット・ザ・フープル~バッド・カンパニーのギタリスト、ミック・ラルフスのシグネチャー・モデルでした。レス・ポールをファットにしてダブル・カッタウェイにしたようなギターです。ファット・ボトム過ぎて重たいということと、重量バランスが非常に悪かった記憶ばかりあります。ただ実際に使っていた人間は、皆さん「音はいいんだけどね」とおっしゃっていたように思います。ネックの付け根に割れが入ってしまいましたが、そのまま押し入れの中にしまってあります。
その後、フェンダー・ジャパンのテレキャスターを買いまして、これが無茶苦茶弾き易い上に音もよくて、スタジオで遊ぶ時に重宝しました。MRよりかなり軽かったですしね。知り合いに貸したら、そのまま返ってきませんでしたが、まあ今更返されても困りますけどね…。使いたい人が持っているのが楽器にとっても幸せでしょう。
1991年のクリスマス・シーズンに友人の結婚式のためにニュー・ヨークへ行きまして、そのついでにマンハッタンの54丁目あたりにあった楽器店でギブソンのレス・ポール、スタジオ・ライトという軽いつくりのレス・ポールを購入して機内持ち込みにして持ち帰りました。これはハードロック向けのギターでしたが、アンプを通さなくても、ビックリするほど大きな音で鳴るので、さすがギブソンなどと妙に納得してしまいました。買って間もなく、両手の掌を複雑骨折してしまい、楽器演奏からは足を洗いました。これも死蔵しております。
1980年代は、ギブソンとフェンダーばかりでなく、いろいろ出てきた時代というイメージです。何はともあれ、日本製のIbanezが海外で確たる地位を築いた時代です。70年代も終わろうかという頃から急に認知度が高まり、KISSが使ったりしたので、妙に親しみがあります。パット・メセニーやスティーヴ・ヴァイのイメージもありますね。パット・メセニーはグレコのギター・シンセも使っておりました。グレコといえばチープ・トリックのリック・ニールセンですかね。いい音出してました。
70年代の終わりごろはパンク/ニューウェーヴによる様々なシーンでの変革の波が起こったこともインパクトがありましたが、クロスオーバー/フュージョン・ブームもあって、いろいろ新しいものが出てきました。特にエレキ・ベースのインパクトが大きくで、それまでフェンダーのジャズ・ベースかプレシジョン、ギブソンだとSGタイプのベース、そしてリッケンバッカーくらいしか目にしなかったのが、スタンリー・クラークがアレンビックのスルーネックを使っており、ブームのようになりました。その少し前から流行り始めていたのがミュージックマン・スティングレイでして、何だか重そうなイメージでしたが、使っているベーシストは多かったように思います。
1980年代の中頃になるとPaul Reed Smithというギターが流行り始めましたよね。カルロス・サンタナのイメージが強いのですが、もの凄い勢いで広まったように記憶しております。80年代のギターというと、真っ先にイメージするのがポール・リード・スミス、PRSですね。個人的にはフリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムが使っていたターナーのモデル1という小ぶりなギターも気になっていけませんでしたけどね。あの時代、ジャクソンとかいろいろ出てきて、種類が増え過ぎてついていけず、やっぱりギブソンかフェンダーがいいなあとなったのでした。この記事、写真が無いとつまらないですかね…。でも面倒なので、画像検索でもしてみてください。