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7インチ盤専門店雑記544「記憶を辿る旅3」
noteで「ドビー・グレイ」と検索すると、自分の書いた文章が2つヒットしました。…他はありません。日本ではあまり人気がないのでしょうか?でも大好きなので、繰り返し書いちゃいます。ロッド・スチュワートもカヴァーした「明日なきさすらい」、名曲です。作者はポール・ウィリアムズの兄弟、メンター・ウィリアムズですけどね。初出というわけでもありませんが、ドビー・グレイのヴァージョンが売れたわけです。中2の頃、よく口ずさんでいたことを何故だか憶えているんです。
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前回の記事でも触れておりますが、ビリー・プレストンの「ナッシング・フロム・ナッシング」も大好きな曲です。ラジオ番組の最終回では、この2曲は落選となりましたが、ブラック・ミュージックのイベントでは筆頭候補で当確です。
当時中学生だったので無理もないと言いたいわけでもありませんが、ドビー・グレイが黒人さんだということは、ずっと後になってから知りました。正直なところ、黒人か白人かということに全く興味もありませんでした。声だけでは意外に分からないものです。当時の自分にとって、その辺の情報を教えてくれるのはテレビ番組の「ソウル・トレイン」だけでした。出演してなければ知りようもありません。ラジオ番組の曲紹介では肌の色なんてあまり触れませんしね。極東の島国の小僧には必要な情報ではありませんでした…。
好きなアーティストが「ソウル・トレイン」に出演すると、意外に感じることは案外少なかったように記憶しています。それでもオハイオ・プレイヤーズだけはビックリしました。それまで観た黒人アーティストはほとんどヴォーカル・グループだったのに、彼らはバンド・スタイルで、しかもかなりロックっぽい演奏を聴かせる連中でしたから、目が点でしたね。…ジャケットからは分からないことでした。
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まあ、その一方で、少し聴き馴染んでからは、声から黒人さんだなと判断していたアーティストもいることはいます。ルー・ロウルズはその代表でしょうか。母親が好きでよく聴いていたものの、あのバリトン・ヴォイスは間違いなく黒人さんの声だと思っておりました。バリー・ホワイト的な姿を想像していたのですが、意外にスマートで別の驚きはありましたけどね。
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限られた情報源から一生懸命好きな音楽を見つけ出していた当時、今よりも随分純粋な耳を持っていたと思います。必要もない大量の情報を得てしまった後で聴く音楽は、やはり情報のバイアスがかかっているように思えます。肌の色なんて関係なく、好きなものは好きというシンプルな感覚は一定の年齢以上はなかなか持ち得ないものですかねぇ。…穢れたとまでは申しませんけどね。
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ただし、例えばビリー・プレストンなんてビートルズ人脈で語られるようなアーティストですし、加えてライヴ盤ではミック・テイラーがギターを弾いていたりと、コレクターズ・アイテムとしての性格も併せ持っているわけです。例えば ↑ コレなんてジョージ・ハリスンがプロデュースまでしているわけで、1万円はゆうに超えるお値段だったりするわけでして、純粋な思い出話の途中でいきなり生臭い話が出てきてしまうわけですよ。嗚呼、穢れているなぁ…。ま、レコ屋がやるイベントですから、当然なんですけどね。「ナッシング・フロム・ナッシング」はフルレングスで、「オール・ザット・アイヴ・ガット」はちょいがけ、というあたりでいかがでしょう。
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