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7インチ盤専門店雑記115「明日なきさすらい」

ドビー・グレイの「ドリフト・アウェイ」ですね。懐かしい曲です。1973年当時は好きかどうかも分からずに聴いていました。21世紀になって、久々に聴いたとき、「ああ、これ、好きだったな」と思い出したようなものです。ただそれでも、この曲のメロディを忘れたことはなく、頻繁に脳内再生されていたんです。

自分にとって、こういった70年代のヒットチャートを賑わせた曲は、様々な思い出とリンクしているようで、なにかしらの事象、たとえば機械油の匂いを嗅いだり、黄色く色づいた銀杏並木を目にしたり、電車のドアが閉まる音を聞いたりといった程度のトリガーで特定の曲が蘇ってくることが多いんです。

ところが「ドリフト・アウェイ」という曲は、何もないときに思い出すので、ちょいと不思議な存在です。おそらく、ヒットした当時、何もすることがなくて寝転がって天井を眺めていたときに聴いたとかなんだと思うんです。ただ先程聴いてみて、気持ち悪いくらいに憶えているのでビックリしました。そんなわけで、ちょいと特別な存在の曲です。

この曲の作者、メンター・ウィリアムズは、カーペンターズやスリー・ドッグ・ナイトのヒット曲などを書いたポール・ウィリアムズの弟さんなんですね。全然似てませんけどね。メンター・ウィリアムズの他の作品を探してみたんですけど、めぼしいものが見つかりません。「ドリフト・アウェイ」が代表曲ということです。でもこれをつくれたら一生幸せだな…。






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