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7インチ盤専門店雑記327「ドビー・グレイ」

ドビー・グレイの「明日なきさすらい Drift Away」、大好きな曲です。ウイキペディアによると、ドビー・グレイはテキサス出身のブルース・シンガーで22枚のスタジオ・アルバムをリリースしているとか。2011年12月に癌により他界しております。

「明日なきさすらい」が大好きでシングルも手に入れましたが、アルバムを買うところまではいきませんでした。もう一曲でも好きな曲があれば「明日なきさすらい」が収録されているアルバムは探したかも知れません。他人事のように書きますが、中学生の頃のヒット曲です。夢中になって全米Top40を聴いておりましたから、大好きな曲でも優先順位的に後回しになってしまった曲はいっぱいあります。レコードは今とさほどお値段が変わりませんから、当時の物価から考えると随分高価なものだったように思います。そんなにしょっちゅう買えるものではありませんでした。

自分はまずソウル・トゥ・ソウルというラジオ番組にハマり、黒っぽいものから洋楽の世界にハマっていきましたが、直ぐにグラム・ロックやプログレの方が面白くなってしまいましたから、ソウルのレコードはあまり買ってません。その後も全米Top40は大好きでしたし、黒い音が嫌いになったわけではありませんが、レコードを買う段になると後回しになるのは黒っぽいものだったように思います。実を言うと、凄く好きな曲なのに、ドビー・グレイという人物に関しては、あまりよく知らないんです。いまだに謎の人物なんです。昨年11月にブルース・スプリングスティーンがソウル・カヴァー集のアルバムをリリースしたとき、ドビー・グレイのカヴァーが入っていて、凄く懐かしかったんですよね…。でもその程度です。

今でも覚えているのが、このドビー・グレイと「ナッシング・フロム・ナッシング」が大ヒットしたビリー・プレストン、そしてアース・ウィンド&ファイヤーは大好きだったんですけど、随分悩んで、結局他のものを買ってしまったんです。あの時、ドビー・グレイやビリー・プレストンの方を買っていたら、その後の音楽趣味が随分違ったものになったような気もします。中学生の頃の、いまだに忘れられない、ちょっと悔しい記憶だったりします。

「明日なきさすらい」は、その後、ロッド・スチュワートの1975年の大名盤「アトランティック・クロッシング」の「Fast Side」=「Three Time Loser」側にカヴァーが収録されており、これを耳にしたとき、意外にも思いましたし、「やっぱり名曲だよな」とも思いました。ただね、この曲、メンター・ウィリアムスという人が書いた曲で、ドビー・グレイのオリジナルというわけではありません。メンター・ウィリアムスは名曲をいっぱい書いているポール・ウィリアムスの弟さんなんですけどね。この曲がイチバン有名ということで、他にはあまりヒット曲もありません。

ドビー・グレイが謎と言っても、そもそも日本での知名度があまり高くないと思います。次のアルバムのタイトル・チューン「ラビング・アームス」も中ヒットしましたが、シングル盤で使われている写真は同じものだったりします。ビリー・プレストンにもそんなところがあって、レコード会社があまり予算をかけていないアーティストなんだなということが、その辺から窺い知れるわけです。雑誌等が主な情報源だった時代ですが、情報が入ってこなかったんですよ、ホント。

ただこの人、「いかすぜルーシー」とかもやっていて、それが自分の中では印象をよくしているんです。好きな曲をカヴァーしてくれる人って、何となく好きだったりしませんか?

ビリー・プレストンはビートルズやローリンング・ストーンズから愛されたキーボード奏者ということになるのでしょうが、私個人的には「ナッシング・フロム・ナッシング」とミック・テイラーが参加しているライヴ・アルバムが大好き、というところで終わっております。シリータとのデュエットとか他にも大ヒット曲がいろいろある人ですけど、「ナッシング・フロム・ナッシング」は頭一つどころか、ダントツで好きな曲です。この曲が好き過ぎて、他を聴く気になれなかったという人です。…いまだにそうなんです。こういうのって、何歳になっても変わらないんですかね。

「明日なきさすらい Drift Away」と「ナッシング・フロム・ナッシング」、近いうちイベントで使いたいなと思っております。…すなわち、ラジオではかけそびれた曲でして、最終回のセットリストの落選曲だったというわけです。最終回のセットリストは、50曲ほどの候補から選び出した12曲でしたからね。まあ、あの12曲はあれでよかったと思います。落選した曲はnoteやイベント等でご紹介していきますかね。


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