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7インチ盤専門店雑記627「俺達のアメリカ」

昨日、自宅のレコードラックの上にのっている箱から、シカゴの在庫が出てきたということを書きました。よっしーさんにコメントもいただいたりしたので、補足的にもう少し書いておいた方がよろしいかとなりました。

シカゴの7インチ盤に関しては、情報があまり整理されておりません。Wikipediaの英語版も日本語版もシングルに関しては完成度が低いんです。自分で書き込みたくなりますが、そんな余裕はございません。

まずは昨日の記事のコメント欄でも書いた、「Chicago V」からのシングル・カット、実は日本のみ3枚目があります。「俺達のアメリカ State Of The Union」です。「サタデイ・イン・ザ・パーク」「ダイアログ」に続いて、来日記念盤としてリリースされております。B面は「今は自由さ All Is Well」、両面とも「Chicago V」収録曲ですね。アルバム・ヴァージョンは6分11秒ありますが、シングルは3分59秒、一応別物です。

セカンド・アルバムやサード・アルバムがリリースされてからも、ファースト・アルバムのシングルをリカットしたりしたので、情報が錯綜するのはやむを得ない気もしますが、日本語版Wikipediaのシングル情報は、英語版を訳しただけなので、シングル・カットの内容に齟齬が生じております。

まずもって許せないのが、「いったい現実を把握している者はいるだろうか? Does Anybody Really Know What Time It Is?」のシングルがリリースされているように記されておりますが、日本では「流血の日(1968年8月29日) Someday (August 29, 1968)」がシングルで、そのB面に「いったい現実を把握~」が収録されています。「流血の日」がどれだけ売れたかは全く分かりませんが、中古盤市場の玉数はさほど豊富ではなく、この盤を入手してB面に気がつき、どうして「いったい現実を把握~」のシングルが見当たらないのかが理解できました。リアルタイムでは結構人気があった曲のように記憶しており、見つけられないことが不思議だったんです。

またCBS SonyはEP盤がそれなりにありまして、これまた情報が得られなくて、悶々とするところなんです。「サタデイ・イン・ザ・パーク」が売れて、まだラジオでかかりまくっていたタイミングで入手したEP盤が ↓ これでして、A面が「サタデイ・イン・ザ・パーク」と「俺達のアメリカ」、B面が「ダイアログ」と「俺達の見た未来 Alma Mater」でした。…もう無茶苦茶聴きました。毎日毎日繰り返し聴いた盤です。…状態はよろしくなくなっていると思います。

33回転だなんだということは当時はどうでもよくて、4曲入りでリーズナブルなEP盤が好きでした。これはこれで、時代の空気感を孕んでいると思うんです。80年代になると12インチになってしまいますからね。他にも「イントロダクション」や「クエスチョンズ~」が入っているヤツや、「遥かなる愛の夜明け」や「渚に消えた恋」が入っているヤツは大事にしておりました。なぜなら「渚に消えた恋」のシングルはこれまた格別レアなんです。いまだに一度も目にしたことがありません。セカンド・シングルやサード・シングルは玉数がグッと減りますから、仕方ないとは思いますが、ちゃんとリリースされたかどうか確証もないので、何とももどかしいんです。

実は「長い夜 25 Or 6 To 4」は日本盤シングルだけ別ヴァージョンだったり、象徴的なロゴを使い始めたタイミングやら、いろいろ研究のしがいがありまして、シカゴの7インチ盤は興味が尽きないものなのです。


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