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7インチ盤専門店雑記345「大ヒット後」

ヘッダー写真はグランド・ファンク・レイルロードの「ウォーク・ライク・ア・マン」の7インチ・シングルです。超絶レア盤ですが、特別お高い値段で取り引きされているわけではありません。こういったものの相場は本当にいろいろな要因が複合的に交じり合って形成されるもののようです。レアか否かは一つの要因ではありますが、レアでも人気がなければお安いわけです。同様にどんなに状態がよくても、人気がなければねぇ…。

ある程度以上に知名度があるアーティストの場合は、一定のファンがおりますから、また話が違います。売れてない曲でもコンプリートしたい人たちがいるかぎり、一定以上のお値段を維持します。デビュー曲を含め、初期音源が共通して人気があるような気もします。知名度を持ち上げた最初のヒット曲より前のシングル盤を探していらっしゃるというのもよくあることです。マドンナは「ライク・ア・ヴァージン」より前のシングルがえらい高いことになっております。そんなところです。

さて、「ウォーク・ライク・ア・マン」、ビルボードのアルバム・チャートで2位まで行った大ヒット・アルバム「アメリカン・バンド」からのセカンド・シングルです。ナンバー・ワンになったタイトル曲の大ヒット後で、まったく売れなかったと思いきや、実は最高位19位の中ヒットです。Top20入りしていれば大ヒットですかね…。如何せん、次のシングルが「ロコモーション」のカヴァーでして、またナンバー・ワンになります。ナンバー・ワンに挟まれた曲は、Top20入りしていても、完全に忘れて去られたような印象になってしまいます。これは極端な例かもしれませんが、大ヒット後のシングルはレア度高めですね。アルバムが売れてしまったでしょうからね。

ちなみにこの曲、いくつかの文献でフォー・シーズンズのカヴァーと書かれておりますが、1963年のヒット曲「恋のハリキリボーイ」の原題が「Walk Like A Man」ですから、勘違いされたのでしょうが、同名異曲です。カヴァー・ヒットが多いので仕方ないかもしれませんが、ヒドい話ですね。グランド・ファンクのオリジナル曲ですし、似ても似つかぬタイプのハードロック・チューンです。


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