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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 真冬の夜のジャズ

今週あたり、本格的な寒気が到来して東京もいよいよ寒くなりましたね。朝晩の冷え込みは堪えます。夜の清澄白河界隈は人通りがいつにも増して少なく、寺町なんだということを思い知らされます。せめて外から見える窓辺に温かみのある灯りをともして、などということもしてみましたが、果たして効果はあるのやら…。

自分にできることはと考え、BGMでも真冬の夜に相応しいものにしてみようと、自分のnoteで多く読まれているものを調べてみたところ、ダントツで「真夏の夜の7インチ・ジャズ」の2本がアクセス数を稼いでおります。日々書いている「7インチ盤専門店雑記」より2ケタ多いわけです。…100倍。「先週最も読まれた記事です」などというお褒めをいただいたものの10倍程度、やっぱりジャズは人気があるんですかね…。Googleニュースがリンクを貼ってくれただけのことなんでしょうかね?

映画「真夏の夜のジャズ」は1959年のニュー・ポート・ジャズ・フェスティバルのドキュメンタリーですが、時代が時代ですから、ハードバップ全盛期、ブルーノートの1500番台あたりの若手が出演しているかと思いきや、意外に古いメンツで録られたものだったんですね。終盤はルイ・アームストロングというのはまだ分かるのですが、トリはマヘリア・ジャクソンなんです。しかもチャック・ベリーとかまで出演しているし、イメージしていたものとは随分違うもので驚かされました。

どのみち自分が生まれる前の出来事ではありますが、その当時どんな感じで音楽が聴かれていたのかということはやはり気になります。日本特有のジャズ喫茶という文化も考えると、さらに幅は広がるわけですが、基本がカフェで何をかけるか程度の話ですから、今どういうものがお客様に喜ばれるBGMなのかというのは、常に意識しているべきかもと思います。

ただ、その当時、若手として勢いがあったのは…とか、フェスのヘッドライナーを務めるほどに人気があったのは…といったことを考えると、意外なほど時代考証があやふやになってしまいます。サブカル近現代史研究などということをやっている手前、時代考証は得意な方ですが、その年代にどの世代の人がどういった感覚で文化的な事象に接していたかなどという、時代考証の積分みたいな考証はなかなか骨が折れます。…たかだかBGMを何にするか考えるのに、そこまで悩まなくてもいいんですけど、そういうことをして楽しんでいる側面は確かにあります。

一応ジャズ喫茶ではないと言い続けている手前、あまりジャズばかりかけているのも憚られるのですが、放っておけばやはりジャズっぽいものを流していたりします。ノーゲスの場合は、古いブルースとかも聴いていたりしますが、お客様がいらっしゃる限りノラ・ジョーンズあたりが最も喜ばれる路線ではないでしょうか。この20年ほどでここまで安定した地位を築いたのは凄いことですね。音楽の世界でも、とりわけカフェなどのBGMで求められる「癒し」という点では文句なしですからね。3月に新盤がリリースされるということで、その頃はまたへヴィー・ローテーションになるでしょうからねぇ…。それにしても爆音でハードロックやプログレなどを鳴らしている店のオーナーが言うことではありませんな…。

マッタクの独断と偏見で申しますと、ECMの音源などはカフェのBGMに最適だと思っているんです。でも、そうそう都合よくは行かない部分もあります。恐ろしく空気感を伝えてくる録音は気温までも伝えてきます。キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」は1975年1月24日録音ですから、やはり凛とした空気感を持っています。せっかく暖房を入れて温めているカフェの空間が実際より5度ほど寒くなってしまいます。…ウソです。でもそんな感じです。他はないかと探したらマーク・アイシャムとアート・ランディの「ウィ・ビギン」も出てきましたが、…これも寒いな。1987年1月、オスロで録音されていますね。…ダメですね。膝が冷えてしまいましたね。

「逆手にとって、ステイプルチェイスだとどうだ」とケニー・ドリューやデューク・ジョーダンあたりを聴いてみると、…いいですねぇ。同じように北欧で録音されたものでも、人々を温めることを意識して作られたんですかね。針を下した瞬間は「これも寒いか」と思ったものの、意外にいけますね。この染み入るような温もりはクセになります。この冬はステイプルチェイスを極めてみますかね。

実に個人的な問題ですけど、「清澄白河カフェのキッチンから見る風景」の方でBGMについて書くと、日々徒然書いている「7インチ盤専門店雑記」と何が違うのか分からなくなってしまいますね…。


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