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7インチ盤専門店雑記589「ケリー・ブルー」

ウィントン・ケリーの「ケリー・ブルー」、大好きな盤です。予備もありますぜというヤツです。タイトル・チューンは文句なし、歴史的な名演・名曲です。加えて大好きな「グリーン・ドルフィン・ストリート」もやってます。ビル・エヴァンスの2種と聴き比べたりして楽しんでおります。どちらに軍配が上がるというものではありません。全部好きです。

ジャズを聴き始めた頃、…ジャズの勉強中と言った方が正しいと思いますが、「ケリー・ブルー」とウォルター・ビショップ・ジュニアの「スピーク・ロウ」、そしてエロール・ガーナーの「ミスティ」の3曲が苦手でした。ロック耳には取っつきにくいものだったのでしょう。妙に古さを感じてしまい、「敢えて自分が聴かなくてもいい音楽かも」ということにして、10年近く聴かなかったと思います。

所蔵LP・CDをデータベース化していた2000年代初頭、久々に聴いて「アレ?」となりまして、こんなによかったのかと認識を新たにし、その後愛聴盤になったのが「ケリー・ブルー」と「スピーク・ロウ」でした。「ミスティ」は名曲だなという認識は持ちましたが、やはり自分が聴かなくてもという部分に変わりはありませんでした。…どこが違うのやら、よく分っておりません。

「ケリー・ブルー」と「スピーク・ロウ」はアナログレコードで聴きたいという思いも強く、随分熱心に探しました。アナログ氷河期でしたから、限られた店舗に繰り返し通い、「ケリー・ブルー」は手に入れましたが「スピーク・ロウ」はいまだにCDで聴いております。「ミスティ」に関しては、有名な「コンサート・バイ・ザ・シー」は買っておりません。でもウェブでも聴けますから、まあこれでよし、と。一方で「One World Concert」のアナログ盤はご寄贈いただきました。実はこちらの方がまだ好きで、「コンサート・バイ・ザ・シー」を買う気が失せております。

さて、2枚ある「ケリー・ブルー」どちらも国内盤でして、一枚は75年頃の、一枚は84年頃の再発盤です。

オリジナル盤のレーベル・デザインとか全然知りませんけど、白黒反転させたようなデザインの違いがあります。どちらも「LONG PLAYING」とか「MICROGROOVE」とかいったことが書かれており、古さを演出しております。どうせならオリジナルと同じデザインにすればいいのにね…。

ジャズに関しては、オリジナル盤に対するこだわりが全くありません。もともとリアルタイムで聴いてきたものでもありません。状態が悪いオリジナル盤を高いお代で買うのであれば、状態が良い再発盤の方がいいかもといった程度です。ノイズが酷いものに価値を見出せない性格です。

ジャズ本でいろいろ研究していて困るのは、どの程度売れたかについてはあまり触れられていないので、中古盤市場に出回っている玉数が計り知れないんです。どうも、ウォルター・ビショップ・ジュニアの「スピーク・ロウ」は、リアルタイムであまりヒットしていないのか、玉数が少なそうなんですよね。たまたまかもしれませんが、「ケリー・ブルー」なんかと比べると、全然見かけないという気がします。アナログ盤で再発してくれませんかねぇ…。

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