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小皿と江戸料理 一汁多菜 

小皿や豆皿、蕎麦猪口などを並べて夕餉の支度
たくさんお皿が並ぶ食卓は、口福につながるような気がする。

江戸後期から明治にかけての伊万里の器
珉平焼(黄釉龍文小判型豆皿)を加えるとアクセントになるから好き

豪華で贅沢な食材を使わずとも、口福な夕餉 

肉料理はなし、魚は桜海老少々
卵と野菜と豆腐でささやかな献立

献立
・炒めこんにゃく 
・ゴーヤと桜海老の蒸し煮 
・トマトをすり胡麻とレモンで
・山かけ豆腐 
・乾燥大根のはりはり漬け風 実山椒入り 
・いり玉子
・米なすの黒胡麻味噌かけ
・糠漬け 
・モロヘイヤのお味噌汁 
・ごはん


図書館で借りてきた江戸料理の本から数品
江戸後期の蓋茶碗と蕎麦猪口に盛りつけて、江戸気分に浸る。

山かけ豆腐

濃いめの鰹出汁に醤油と塩を加えて調味、
お玉で一口大ですくい取った木綿豆腐を加えて煮る
煮汁ごと器に盛り付け、すりおろした山芋をかけて、青海苔を天盛りにする
(日々徳用倹約料理角力取組より)

いり玉子

玉子に煎酒を加えて煎る
私は煎酒は純米酒・梅干しを半量まで煮詰め、鰹削り節を一つまみ加え、
火を止めてから塩麹を入れて濾して作っています
(慶応二年御献立帳より~少しアレンジ)

炒めこんにゃく

板擂りして下茹でし、切れ目を入れて胡麻油で炒め、
酒・醤油・砂糖で味付け、唐辛子でぴりり

米なす黒胡麻味噌田楽

米なすは太白胡麻油でソテーしてから水を少し加えて蒸し煮、
(油の量をぐんと減らせる)
味噌に酒、砂糖、黒擂り胡麻で少し甘めの味付けに

茄子の味噌田楽も江戸料理の本からのアレンジ。

江戸料理の本を読み、作り、収集してきた古伊万里などの器に盛り付け、味わう夕餉です。

さてさて
それではいただきます

楽しんで遊んでいるだけなんだけど、これが面白い。

某日 本を読み、叩き牛蒡飯を作りたくなった。

江戸っ子は朝、上方は昼に一日分の飯を炊いたそうだ。それで冷や飯を美味しくいただくご飯もののレシピが多く考案されたというわけだ。

叩き牛蒡飯

久々に白米を買い、銀シャリを炊いて叩き午房飯
粉山椒と割り黒胡椒が醤油味の牛蒡のアクセントになる!

牛蒡1本を洗い、皮をこそぎ鍋の大きさに長さを合わせて切り、
1分間茹でてザルにあける
すりこぎで牛蒡を叩き、3㎝長さに切る
酒大匙4・醤油大匙3と砂糖少し、水も少し、粉山椒を加えて煮汁がなくなるまで煮て、
銀シャリの上にのせ、
割り胡椒をかける

「日々徳用倹約角力取」のレシピを醬油の分量などアレンジ

当時の牛蒡は今よりもっと固かったそうで、香りも何倍もよかったのだろうと想像しながら叩き牛蒡飯を、よくできたレシピだと味わいながらいただいた。

江戸の食の魅力について書かれた本、所謂和食のルーツである江戸料理を辿る。ふむふむ。「和食」の輪郭がすこ~し見えてきた。


江戸料理ではないけれど残り物やらで、明治の器を使って夏ランチ

夜空に打ち上げ花火の模様の団扇を横に置いてみた
朱塗り丸盆と明治伊万里色絵皿で
いつものお惣菜がちょっと華やか

・モロヘイヤのお味噌汁 
・もずく 
・枝豆 
・人参と胡瓜の糠漬け 
・海苔入りだし巻 
・岩手の乾燥大根の煮物(煮干しだしで)
・焼き茄子とトマト、大葉、ベビーケールの黒胡麻和えサラダ 
・胚芽米


夏の器遊びもまた愉快。

初めて骨董なるものを買ったのが23歳のときだった。
奈良の骨董屋。
古いものは実家の蔵にはたくさんあったけれど、母は新し物好きだったからモダンな器ばかり使っていて、だから私も古い器にはさしたる興味もなかった。
ところが奈良の骨董屋の店先を覗いてみたときから、古伊万里などの骨董が放つオーラにすっかり魅せられた。

乳母車を押して奈良を散歩しながら骨董屋を覘く、そうすると店主の翁が、まあまあお茶でもどうぞ、お嬢ちゃんかわいなぁと、お茶を飲みながら骨董話をしてくださる。

そんな日から何十年も経ち、さすがにもう新たに買うことはないけれど、私の下に集まってきた古いものたちは、日々の食卓を私色に彩ってくれている。

23歳のとき初めて買った骨董品
珉平焼(緑釉龍文小判型豆皿) 


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