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「同志少女よ、敵を撃て」:20230823

「戦争版:君たちはどう生きるか」

まず、読破してそう思った。
戦火の中どう生きるかを問われ続けるような物語だった。


軍事もの?こういう戦争系は読んだことがなかったのだけど、
戦争物語でもあり、生きている各々の信じる正義と悪、純粋に戦争の異常な空間の話と女性の生き方、そういういろいろなものを煮詰めてある小説
分厚い本ではあるけれどグッと入り込める没入感はとても高い作品だとおもう。

カタカナ弱い私なばっかりに・・・・名前が覚えられない・・(愚かすぎ)
ん-ーー?だれだっけ??ってなりながら一生懸命読みました。
ネットで相関図まで調べちゃった。

世界史も地理の知識の乏しさ故、解像度が低いまま読み進めてしまってそれらの知識をもっと持っていたなら、さらに楽しく読めるたのにと勉強不足を痛感した本でもありました。


この小説がデビュー作の新人て私が同業者だったら10年後を思って泣きながら寝ますけど??
ほんとにデビュー作??カクヨムとか魔法のiランドとかで名前を変え品を変えトップとか取ってなかった??


ちゃんとした感想

戦争は普通に暮らしている人が人を殺さなければならなくなる

当たり前ではあるのかもしれないけど、普通に暮らしていた人たちが突然武器を持って同じ人間を殺せと言われ殺しはじめる。隣の兄さんも優しい先輩も、好きな人も。同じように生活を持つ種族を異なる思想のもと殺しあう。そして現に、この21世紀の時代にロシアのウクライナ軍事侵攻による”戦争”は行われている。そう思うとこの物語の彼女たちは今まさに戦火にいる彼らの生きている日々をなぞっているようでこの平和な日常で本を悠々と読んでいる自分に恥ずかしいとさえ思ってしまった。


それぞれの階層や側面がある

登場人物全員の考え方は当然それぞれだし、人間ならざるものと思っていた敵は愛する妻と子に行ってきますのキスをして、隣人に挨拶をしてランチは公園で本を読みながら過ごすかもしれない。温和で素晴らしい上官と思っていた味方は、戦争に来る前は何人もの女子供を陵辱し気に入らない理由だけで人を殺した凶悪犯かもしれない。そういう人間の多角的な面を考える場面が非常に多くて、どの人にも同情してどの人にも同情しきれない作品。


君たちはどう生きるか

戦争下、彼女たちのように戦争に適応し(適応せざる負えなかった)生きることを諦めずにいれるだろうか。自分を奮い立たせ過酷な状況においても仲間を信頼し、自分たちと同じ人間を殺せるのだろうか。そして戦争が終わった後どう生きていくのか、生きていけるのか。ありがたいことに戦争を体験したことのない私は火煙の臭いも死臭もしらない。
そんな平和の中にいる私は戦火にいる彼女たちに私の生き方を一体どう言えるんだろう。


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