見出し画像

人生にもしも...なんてないけど ㉑それぞれの親子関係 絆

私の反抗期は三人兄弟の中で一番母をてこずらせたが、母が向き合い、受け止めてくれたおかげがあった。のちに「受験のストレスじゃったんじゃろうて。成績が悪い子ほど反抗期に手を焼いた。」と言われたけど...(苦笑)。
そして、高校生の頃、電話で母が「親が子を信頼せんでどうするん...」と話しているのを聞いたこともあり、母には絶対的な信頼を抱いていた。
 
でも、私と違い反抗期がなかった兄は、また違った感情を抱いていたようで、それは兄が自分の家庭を持ち、家族と家族の関係性になって数年後に表面化した。
 
一般的に、息子は母親似、娘は父親似になる可能性が高いと聞くが、兄と母は似ていた。
小学生の頃、食卓で母と兄はツーカーで話している会話に、私はいちいち「なんで?」「それで?」と口を挟み、2人から「全部言わんでもわかるじゃろうが」と言われ、口をとんがらせ「わからんけぇ、聞いとるんじゃんっ」と口答えし、仲間に入れず悔しい思いをしたことがあった。
 
また、兄が進学で家を出る前頃、夜、母がアイロンがけをしているそばで兄が座り込んで話をしている姿も印象に残っている。
 
初めての長期休みに帰省した兄は、大学での研究内容を紙に書いて母に説明し、母もそれをわかろうと熱心に聞いていた。私もそばで聞いていたが、全然笑うとこがないじゃんとすぐ飽きて自分の部屋に戻った。
 
子育て中は、子供3人がよく風邪をひき、しかも順番にひく為、母は1週間以上看病生活をする羽目になっても気合で健康を維持し、1日も寝込むことなく家族の為に常に働き続けてくれていた。
そんな母がコケて怪我をして入院したと聞き、私も家を出ていたので兄に連絡し、二人で見舞いに行ったことがあった。その時、兄は母が好きだった作家の文庫本をお見舞いに渡すと、椅子に座って母の手をゆっくりさすり始めた。母はそのままさすられていたが、その穏やかな微笑みが印象に残っている。
 
だから、母と兄の間には私が入れない絆があるように感じていた。
なのに、兄に母に対してわだかまりがあると言われた時、母のどこに?とよくわからなかった。
今なら、似た者同士ゆえによくぶつかり、”あーいう父にvsこーいう娘の私”とは違う反発の仕方、似た者同士ゆえの摩擦があるのだろうとも思える。
 
いずれにしても、兄には兄の思いがあるんだし、兄が我が子を授かった時「子供は3歳までに一生分の親孝行をするってほんとだなぁ」と言っていたこともあり、子育てを通して感じることやして返すことがあるんだろうと、時間が解決するのを待つしかないと思っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?