見出し画像

集団での出し物が鬼門(1)

小学校の中学年になった頃から、長男はみんなと一緒に踊ったり表現するタイプのイベントを嫌がるようになった。

運動会のダンス、夏期合宿のレク、キャンプファイヤーでの踊り等々に、うっ・・となるらしく、その場にいるだけで取りあえず許してくれという状態になってしまっている。

この夏、小学校の夏期合宿があったのだが、合宿中の写真を見ていたら、ある場面になると途端に長男の姿が見当たらなくなる。おかしいなと思って目を凝らして探してみたら、遠くの隅っこの方に長男だけうずくまっていて、誰か大人が優しくしてくれているような写真があった。

あぁやっぱりと思うと同時に、わかった、気持ちは分るから、でもそこを何とかできんかね?と困った気持ちにもなってしまった。

またあいつ

なんで困るかと言うと、とにかく「またあいつだ」となるからだ。で、これは要はこちら側の事情を押しつけているにすぎないわけで、この感情でもって長男を問題視するのは間違っているとも思っている。

ただやはり学校という場所でそういう印象が出来ていくのは止めたいなと思う。疲れるし、何より長男にとっても不利なことばかりだからだ。

こういう時どうしたら良いのだろうか。叱るのも間違っている気がするし、そもそも長男が「うっ・・」となる感情自体は異常なこととも思わない。ただ、結果的に集団の和を乱していて、もしかしたら不快な気持ちになった人もいるかもしれないのだ。こんな感じで、あちらを立てればこちらが立たずの状況が発生してしまう。

本人も苦しいわけで

もう親の方が面倒臭くなってしまって、やってやれないことはないのだから、やっちまいなよ、と言ってしまいそうになる。

ただ本音を言ってしまうと、本人には言わないが、そりゃそうだよね、何が楽しくて暑い中みんなで踊るんだい?やめときゃいいのに、とは思う。

でも建前として言えない。言えないと言うより、まだ言わない方が良いだろうと思っている。日頃から明確な根拠が示されないと動かない子だ。意義の感じられない集団行動に辟易しているところに、親が本音を見せたら歯止めがかからなくなるかもしれない。甘えた気持ちで暴走されてはもっと困る。

ここは叱ることもしないが、あまり追求しない範囲で、写真が届いたら気持ちだけ聞いてやって、あとはそっとしておくのが良いのではないかと思っている。

本人に悪気はないのは分かる。写真を見ても、隅っこで背を向けて小さく丸まっている。ただ苦しかったのだろう。そこは理解もある程度示してやらないとかわいそうな気がする。反抗して走り回ったり、邪魔をしなかったのだから、修行僧の如く耐えたのだ。甘いかもしれないが、上等ではなかろうか。

(2)につづく