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塾のあれこれ(4)失敗から学ぶ

手強い凡ミス

長男の塾では月に1回程度、国語・算数・社会・理科の定期テストがある。その中で、長男の点数で最もボラが高い教科が算数だ。

算数は、長男自身は特に苦手意識は持っていないようだが、点数上、弱点科目となっている。一度、テストで100点満点中、60点に届かないことがあった。それで、これまでも安定しない教科だったが、さすがにこれは理解ができていないのではないかと思って、夫にちょっと見てやってほしいとお願いしたことがあった。

なお、長男は凡ミスと言っていたのだが、凡ミスで20点、30点落とすのはにわかに信じがたかった。それに、仮に凡ミスだとしたら、やり方に問題があるのではないかと思った。

まず私が答案用紙を見てみたのだが、答案用紙には途中式は書かず、回答のみを記載する形式となっていた。確かに解答が間違っていたら部分点なしでゼロ点になるのだろうということは分った。

続いて途中式を見ようと問題用紙を開いて顎が外れた。縦横無尽に数字と式が鏤められている。まるでブランド物のバッグの絵柄のようだった。そこに問題文が書かれていようと、図形があろうと、お構いなしに、上から計算式を上書いている。スペースを上から下に綺麗に使うという発想の対局を行っていた。

私 :なんじゃこりゃ?おめ、これどうやって見直ししてんの?
長男:うん、まぁ。
私 :人間の目はそんな左右にあっちこっち見るのに適してないんだよ。縦長に計算していかないと。これじゃどこでどう間違ったか分らないじゃないの。

恐らく頭で計算するには負荷が高い部分のみを書き出していたのだろう。全てを綺麗に書いている様子がない。これでは理解の問題なのか、凡ミスなのかもわからなかった。

夫が言った。「いいか、学校が作ったテストを実際に解いてみたら分ると思うけど、上位校になればなるほど、テストは学校からのメッセージになってるんだよ。それをどう考えて、どんな風に応えようとしたかを学校は見たいんだよ。それをお前みたいにぐちゃぐちゃに書いてたら読んでもらえないよ。お前はビリビリに破いた手紙を、相手がテープで貼らないと読めない状態で渡すのか?」

実際、解答だけが合っていても、途中式がなければバツになることもあるだろう。逆に、答えは間違っていても、思考プロセスから部分点がもらえる可能性だってある。それを伝えたかった。

塾の方で対応してくれているとは思ったが、少々心配だったため、家庭でも何が原因でミスをしたか確認することにした。

まず、夫のアドバイスに従って、所定の幅に収まるように計算式を書かせながら問題を解かせてみた。夫も一緒に横で解いていた。それと突き合わせながら式の書き方をチェックしていた。

そのやりとりを見ていてくすっと笑えたのだが、長男が途中から、ここはこうするんだよ、ここも入れとかないと、と説明をし始めていた。塾で既に解き直しをした効果もあったのかもしれないが、夫が私の方を見て「理解はできてる」と言った。

その後のテストで点数は数十点上がったこともあったが、相変わらず問題用紙に書かれた途中式は綺麗とは言えない。しかし、今は途中式が採点対象外なこともあって、本人は効率を重視しているのかもしれないし、何より先生が「頭の中で処理しすぎて大失敗しましたが、必要な失敗だったと思っています」とおっしゃっていた。親はしばし見守ることとし、指導は先生にお任せしたいと思っている。

その他の弱点

国・社・理は大体安定しているようだ。国語は塾に入りたての頃は少し苦戦していた印象だが、今では得意科目になった。

しかし、国語で毎回点を落とすセクションがある。漢字だ。毎回見事に半分くらい落とす。とめ、はね、はらい、線が突き出て良いか否か等々の細かいところで必ずバツになる。

長男については、もともと漢字ドリルが大嫌いだった。反復練習に耐えられない。さらに本人にとっては、読めさえすれば良くて、書き順などどうでも良かった。それが塾に入ってこういったことも無視できないと分って、結構辛い思いをしている。

普通だと、こういった漢字のところは塾に行かなくても点が簡単に取れてしまいそうなものだが、長男はむしろこういった所を苦手としている。現に、理科のテストで満点が取れたかもしれないと思ったテストで、漢字のあるべき所に点がついていなかったために、公式な採点ではバツになった。

こういった経験ももしかしたら影響しているのか、長男は最近、小学校の漢字の宿題をきちんとやるようになった。ここは、担任の先生が替わったことや、そもそも宿題を期日通り提出する約束を守るとか、そういった動機も絡んでいるとは思うのだが、漢字をやって損はないという気持ちも以前よりは持っているのではないかと思う。

(5)につづく