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J2第19節 大分トリニータvsモンテディオ山形 プレビュー【シーズンの折り返しに最大の緊急事態】

 こんにちは、トリノミカタです。前節は徳島の大分対策によって、前半から押し込まれる展開で、退場者も2人出してしまい敗戦しました。退場者が2人も出てしまったことで、今節は「怪我人」+「退場による出場停止」+「保田の代表招集」の三重苦をチームは強いられることになります。

 今回の記事では、今季のモンテディオ山形の特徴や注目選手大分の前節の振り返り今節の見どころについて書きます。

 今節でシーズンの半分が終了します。今季から記事を書き始めましたが、読んでくださる方がいるので続けられています。いつも読んでくださっている方、ありがとうございます!



山形前節スタメン

今季の山形の特徴

 今季の山形は現在勝ち点21の15位です(大分は勝ち点23の11位)。昨シーズンは5位で、今季は「J2優勝」を公言し、攻撃的な選手を中心に補強を行いましたが、ここまでは順調にいっていません。監督は昨シーズン途中から指揮を執る渡邊晋監督で、コーチには大分でヘッドコーチとして活躍した、戦術家でも知られる岩瀬コーチが在籍しています。そんな山形の特徴は以下の通りです。

・4-3-3
・ハイプレス型
・ポゼッション型(平均ボール支配率リーグ1位)※大分はリーグ2位
・WGのドリブルを生かしたサイド攻撃が強力
・得点力不足(総得点数リーグ16位)※大分はリーグ13位

 フォーメーションは4-3-3(4-2-1-3)で、守備時はハイプレスをかけて、ボール奪取を試みます。しかし、現状このハイプレスでボール奪取する回数はさほど多くなく、交わされてピンチになることもしばしばという印象。

 攻撃時は、数年前からポジショナルプレーに取り組み、GKから丁寧にビルドアップを行います。最近はポゼッション重視の大分を抑え、現在ボール支配率リーグ1位です。

 最大の武器はWGのドリブルを生かした攻撃で、右はイサカゼイン選手杉山選手(元熊本)、左は氣田選手坂本選手(元熊本)などがスタートからも、途中出場からもキレキレのドリブルでゴールに迫ってきます。

 しかし、惜しいところまではいくものの、最後の決定力が課題で、なかなか得点までいけていません。1トップは高橋選手が主に務めていますが、去年のデラトーレ選手の穴は埋めきれていません。また、一昨年のJ3得点王で、いわきで去年も活躍した有田選手が加入しましたが、まだフィットしきれていない現状です。

 興味深いデータとして、今季の相手が3バックと4バックでの結果の違いがあります。

・対3バック:勝率28.5% 負け率28.5% 分け率42.8%
・対4バック:勝率36.3% 負け率63.6% 分け率0%

トリノミカタ調べ

 実際の戦績で言うと、3バック相手には7戦2勝2敗3分。4バック相手には4勝7敗0分です。これは山形の攻撃のスタイルに関係があると考察しています。

 山形はWG武器とするので、3バック相手には、3バックの脇を狙ってロングボールを入れて、速攻を仕掛けます。そこを起点にWGが良い攻撃ができるし、相手が5バック気味に守ると、ロースコアになりやすいので、2勝2敗3分という安定した成績になっているのではないでしょうか?

 逆に4バック相手には、サイドにスペースがたくさんあると言うことはなく、相手のサイドバックとの勝負にWGが勝てれば試合にも勝つし、負ければ試合にも負けるということで、4勝7敗0分という両極端な結果になっているのではないでしょうか?

 大分は4バックなので、勝つか負けるかという試合になりそうです。残念なことに、現在の大分はサイドバック不足に悩まされています。サイドバックの質と相手WGの質の差が試合結果に直結すると仮定するならば、今回どのような采配にすべきでしょうか?後ほど個人的な予想を書きます。


山形の注目選手

 まず一人目は、FWイサカゼイン選手(27)です。イサカ選手は昨季山形で6得点5アシストを記録し、得点に直結する活躍ができる右ウインガーです。スピードのあるドリブルからクロスを多く配給し、自分でも得点することができます。現在、クロス数はリーグ3位ドリブル数は2位と、山形の攻撃を牽引しています。大分の左サイドは対人に強い選手を配置したいです。

 二人目は、FW後藤優介選手(31)です。大分ユースから昇格し、大分でも合計8年間在籍したごっちゃんも31歳。山形では現在トップ下で起用されており、自由に組み立てにもフィニッシュにも顔を出し、掴みにくい選手です。今季はまだゴールはなく、古巣相手に気合いも入っていると思うので、要注意です!

 三人目は、DF西村慧祐選手(26)です。身長187cmあり、クリア数リーグ5位と守備力もありながら、一番の武器は足元です。パス数リーグ1位ロングパス数リーグ2位で、近くに繋ぐか、裏を狙うかは西村選手とボランチの小西選手が判断を担い、攻撃の起点となっています。この二人がパスの出どころになるので、できる限り制限をかけたいです。


大分の前節の振り返り

 徳島戦は、徳島の大分対策にハマってしまい、散々なゲームでした。具体的には、徳島が5バック気味にボールを回すことで、大分のサイドバックが前に釣り出され、徳島が前線にロングボールを出すと、大分の2CB対徳島の2トップという状況を作り出されてしまいました。

 そこで、徳島のチアゴ選手ブラウンノア選手の高さとスピードに負けてしまい、多くの決定機をつくられてしまいました。大分がハイプレスに行かずに引いたら引いたで、エウシーニョ選手のクオリティによって崩されてしまい、各ポジションでのマンパワーの差が出てしまった試合でした。

 ただ、退場者が出てからの大分の戦いは称賛に値し、特に保田選手の推進力を活かして、中川選手や野村選手が関わりながら、中央から崩すシーンも見られ、サッカーは面白いなと思わされる試合でした。


大分の今節の見どころ

 今節はとにかく出場できる選手の数がギリギリです。まさに総力戦で、これまでベンチにも入っていなかった選手含め、チーム一丸となって逆境を跳ね返せるかが見どころになります。

 特に見どころなのは、攻守のサイドの攻防です。まず守備においては、大分は4バックで臨むと予想されるので、先述した通り、大分のサイドバックと山形のWGの勝負が試合結果に直結します。

 純粋なサイドバックは現在、野嶽選手しか稼働できない状況ですが、今節は野嶽選手は右サイドバックに入り、左サイドバックにはデルラン選手が入ると予想します。デルラン選手は本来CBですが、この緊急事態でイサカ選手をシャットアウトして欲しいです。

 また、攻撃では相手の4-3-3というフォーメーションの弱点である中盤の脇(図1)をうまくつけるかが鍵になります。

図1

 このスペースで大分のIHの選手である野村選手や中川選手、長沢選手がボールを上手く受けることができれば、チャンスを多く作れるはずです。後半からは調子を上げている木本選手が入ってサイドからドリブルで仕掛ければ、相手は脅威に感じるでしょう。


大分の注目選手

 まず一人目は、先日のトレーニングマッチで4得点を挙げたキムヒョンウ選手です。ここまでベンチ入りはするも、試合展開が合わずに出場できない選手が続いていました。ゴール前での動きだしの質が高く、ボールを上手く呼び込むことができます。緊急事態だからこそ、これまで出場機会をあまり得られていなかった選手がヒーローになって、チームを救ってほしいです。

 二人目はデルラン選手です。どのポジションで出場するかは分かりませんが、予想通り左サイドバックで出るとしたら、非常に重要な役割を担います。イサカ選手を抑えることができれば、負ける確率がグンと下がると思います。ここで左サイドバックとしてフィットできればチームとしても非常に助かります。頑張れデルラン!!


最後に

 現在11位の大分はこの試合で勝てば、9位まで上がる可能性があります。逆に負ければ、15位まで落ちる可能性があります。後半戦を迎えるにあたって、せめて一桁順位で折り返したいところ。

 後半戦になれば、少しずつ選手が戻ってくるはず(ずっと言っている泣)ので、今は踏ん張りどころです。サポーターは応援するのみ!!前回のコールリーダー素晴らしかったですね!

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