踊る自動販売機

みなさんどうしていますか。

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最近の記事

緑のガラス片

まだまだ、気候が分からないよね。雨が降ったりね、止んだりね、してるの。最近はでもね、昔見た起き抜けの朝焼けを手の中で転がしながら、心地良い気持ちを纏って、雨の日も外に出るの。 ひどい気分の時もあるでしょう、隅の方で賑やかな音に耳をすましながら、冗談じゃない時がほとんどよ。本当にそういう時、体のサイズが分かっちゃうんだけどね、実際はもっと大きいの。気持ち悪いよね、デロンとしてて、異物だと分かって、そのことでまた一段階辺りが暗くなって、でも、頭だけ人工物で照らされているような気も

    • 経験。

      懐かしい環状2号線を背景に、くすんだ未来を見ている。僕は近未来と遠方の死に姿の両方に焦点を合わせながら、立体的に苦悩する明後日の午後を、日光を浴びながら想像している。これ以上背は伸びない。これが何を意味するかわかるか。僕は分かりたくない。分かりたくないまま船を漕ぎながら、思いのほか巨大な自分の体を意識して、輪郭をなぞっては絶望するのだ。汗がない。蒸発。少しでも遠くに意識を飛ばす必要がある。ここだけスペースが空いている。座っていいのか。充電器のコード。伸びながら僕は髪を撫でて、

      • サワダくん

        ねえ、あの人、さっきからこっち見て笑ってくるんですよ。ムカつきません?私たち、なんか変ですかね。変じゃないですよね?ムカつくなあまじで。なんなんすかあの人。あの人の方がよっぽど変ですよ、だってほら、あのキャップ。真っ赤っかで、全然服と合ってない。イヤホンも有線だし、今どき。普通、今有線のイヤホン使いますか?使わないですよ、邪魔ですし。 私、時間ないのに、なんでこんなことに気を揉まないといけないんですか。ねえ、そう思いません?私の自由な時間って、あと一週間ちょっとしかないんで

        • ブラックボックス

           期末テストの最終日、昇降口ではあちこちから様々な点数が聞こえてきた。聞こえてきた点数達はどれもカラフルではあったが、同時に、四色問題の正答のような印象も持ってしまった。色が隣り合っていないだけで、その種類自体は想像よりもずっと少ないのかもしれない。僕は試しに、自分の数学の点数を64点と予想して、心の中で呟いてみた。64という数字は、そのまま何色にもならなかった。聞こえてきた点数達は、持ち主を原色の予定に導く道しるべとなって消えていくのだろうが、僕の点数にはそんな気配がなく、

          安心感を

          大雪が昨日で、今日卒業研究の発表が終わった。これ以上研究なんてしたくなかったけど、満足いく発表ではなかったし、心残りがあると言うより、抑圧された感情の反発という、変に紛い物じみた直線に振り回されているのがハリボテ感があって悲しい。 僕は所属に対する依存が半端じゃないから、それは反発する気持ちよさと、諦めたときの安心感を含めて、だから、消極的に社会で働くことに向いているのだと思う。2秒後に定年を迎えてもおかしくない心地良さがあることを考えると、僕は、僕が一番向かない世界で生きて

          延長

          週に1回、昼休みに「みんな遊び」という、クラス全員と、担任の先生で外遊びをするというイベントがあった。 外は冬にしては暖かく、風が吹かなければ寒くはなかった。小学校の隣にある正体不明のビルが反射した光が、窓際の僕の席にちょうど刺してきて、それで誰もいなくなった教室が余計に拡大された気がした。 みんなが外に出たことを確認してから、僕は特に意味なく自分の席に座った。しんとした教室の中で、僕は僕で外遊びを楽しんでいた。黒板の上にかかった時計の秒針を見て、今度秒針が12をさしたら教卓

          日曜

          日夕方5時前くらい、アパートのベランダを見た。柵の棒、ひとつひとつが細くて、それがちょうどよい間隔で並んでいた。先輩は、「あのマンションは、柵がいいよね。友達で住んでいる人がいたら、柵がいい家ですねって言うなあ。」と言っていた。 僕は、ベランダに椅子がある部屋を探した。そんな部屋はなかったが、数年後、思い出すときには出現しているかもしれない。 川崎辺りを散歩したとき、ビルに反射した光がきれいだと思ったことがあった。その光景は、おそらくそこに住む人にとって、一番背景に近い

          おばあちゃんの家

          天気の良いお昼に電車に乗っていて、2番ドアの窓から日差しが差し込むと、緊急停止したときの車内を思い出します。 緊急停止してしばらく、車内は静かになり、ボソボソと人の話す声が大きく聞こえて、そこにはおばあちゃんの家のような懐かしさと、安心感があるな、と感じたことを思い出します。しかしもちろん、緊急に停止しなければならないことがあったことは事実で、踏切内に立ち入りがあったとか、自転車と接触しそうになったとか、もっと酷いこととか、でも戦車も銃もかっこいいし、爆弾のおかげで広くなった

          おばあちゃんの家

          大学

          遅くまで大学に残っていたのは真面目だからでもなんでもなく、ただ帰るのが面倒だからという僕の先送り癖の結晶で、 「頑張ってない奴が、私数学できないから〜とか言うなよって思わない?」とヘラヘラしながら聞いてくる友達を見て、これを普通に言える人になりたいとも思った。 話してみたい人に、いざ話しかけたとき、何を話したら良いか分からなくなって黙ってしまうとか、なんで今まで経験してこなかったのだろうか。 昼ごろに、友達がソワソワしながら話しかけてきて、なんだろうと思って話を聞いていた。ソ

          たろおみが好きで、夏が終わってしまう

          以下、敬称略 たろおみというミュージシャンを見つけて、聴いていたら夏が終わりそうになっている。 大学4年間でずっと、何かやらなきゃと思っていて、そしてそのまま終わってしまいそうになっていることに焦っているが、多分本当はこんなこと言わない方が良い。 たろおみが好きとか、もりもりごはんが好きとかも本当は言わない方が良くて、そういう気持ちとかを膨らませて、何か別な形で出力しなきゃいけないし、そうしたいのだが、結局直接的で楽で、気持ちいい方に流れてしまっている。気持ちいい方に流れる

          たろおみが好きで、夏が終わってしまう

          もりもりごはん、最高!

          もりもりごはんさん(以下、ごはんさん)という、投稿主?が好きという文章です。多分キモいです。 ごはんさんは、Youtubeに耳かきボイスを投稿している(していた?)人だ。何度か消えたり、また浮上したり、また消えたりしていて、生配信をしていたり、絵を描いていたり、いろいろしているっぽいが、全て把握しているわけではないし、全部触れるとブレるので、投稿された耳かきボイスのみについて書こうと思う。 ごはんさんの動画は、大学受験のときにたまたま発見して、かなりお世話になり、その後、

          もりもりごはん、最高!