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ホンモノをみた③(超絶技巧展)


先日、NHK日曜美術館のアートシーンで紹介されていた、三井記念美術館の「超絶技巧 明治工芸のDNA展」(終了)に行って参りました。

お江戸日本橋、天下の三井財閥の本丸に座したる美術館。エントランス、エレベーターからして歴史と風格を感じさせるものであります。

超絶技巧とは何ぞや。
誤解を恐れずに言うと、
「いやあ、作るの大変だったでしょう。微に入り細にいるこだわりと費やした膨大なエネルギー。天下無双、天晴れ。」
という感じでしょうか。

現代の若いアーティストさんから、江戸時代の作家さんまで、幅広い層の作品が参集。

実は、明治の人で、超絶技巧の最高峰といわれる正阿弥勝義の作品を初めてみると意気込んで訪ねたわけです。

三つもみられて、満足でした。

ところで、現代作家も明治の偉人に決して負けていないことがわかったのです。

写真は、正阿弥勝義も含め、撮影できなかったものが多かったのですが、撮れたものもありました。

ふたつだけ紹介させてください。

青木美歌《あなたと私の間に》

青木美歌さんの作品です。
ご本人は40才台で逝去されていますので、遺作ということになると思います。

菌糸のようなガラスの工芸です。
生命の儚さを、感じます。
この作品は、絶妙な角度から光が当てられており、多くの人が魅了され立ち止まっていました。

創造者が世を去っても、遺されたものが人々を感動させるなど、凄いことです。

前原冬樹《『一刻』スルメに茶碗》

なんの変哲もないスルメと茶碗ですが、なんと前原さんの作品は、全て「一木造」なのですよ。

別の板から作られていないことに人々の感想は………割れるでしょうね。
時間の無駄だの、手間かかりすぎだの。

私は、この作家さんのこだわり、経歴、語り口、古びたモノへの愛着など、共感できる部分が多くありました。

スルメもいいのですが、グローブとボールに驚嘆しました。

戦前か、昭和2、30年代のグローブです。

芸術家とは、さもありなん。

願わくば、自分のためだけに時間を使い、すきなだけこだわり、すきなことに没頭してみたい。

サラリーマンの真逆の人生…………

芸術家の人生への憧れを再確認しつつ、とてもじゃあないがその超絶さについていけないであろう自分を思いしらされもし、行ってよかった展覧会でありました。

なんで入場料1500円なんでしょうね。
安すぎると思えるほど、素晴らしい体験でした。

【おまけ】
とてもよく解説されているブログですので紹介させていただきます。
グローブと硬球の写真がありますよ。













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