見出し画像

11.未来への展望 - これからの夢と家族の目標

秋が深まり、青森の山々が赤や黄色に染まる季節となった。佐藤志保は自宅のキッチンで煮込み料理をかき混ぜながら、ふと手を止めた。窓の外には子どもたちが庭で遊ぶ姿が見える。その光景に、彼女の心にはある種の満足感が広がった。

「ここまで来るのに、いろいろあったけど、やっぱり青森に引っ越してきてよかった。」

そんな独り言をつぶやきながら、志保は今までの出来事を振り返っていた。群馬から青森への移住、慣れない環境での生活、子どもたちの新しい学校やサッカーチーム。すべてが挑戦だった。それでも、家族全員で支え合い、ここまで乗り越えてきた。

その夜、家族が揃って夕食を囲む中、夫の康太が静かに切り出した。

「みんな、この1年、本当に頑張ったな。今日はこれからのことを少し話したい。」

子どもたちが口を揃えて「何の話?」と興味津々の様子で顔を上げた。

「これからの家族の夢を一緒に考えていこうと思うんだ。」

康太の言葉に、長男の拓海が真剣な表情で答えた。

「僕はもっとサッカーが上手くなりたい。いつかプロになって、家族に恩返ししたい。」

「私もサッカー頑張る!」 次男の翔太も負けじと声を上げた。その後、三男の健太から末っ子の美咲まで、それぞれの夢を語り始めた。医者になりたい、学校の先生になりたい、絵描きになりたい…。小さな声で話す次女の美咲に至るまで、志保は全員の言葉を一つひとつ心に刻んだ。

そして、子どもたちの夢を聞き終わった後、志保は自分の思いを話し始めた。

「私も一つ夢があるの。みんなのお母さんとして、これからも家族の支えになりたい。そして、ピラティスを通じてもっと多くの人を元気にしたいと思ってる。」

康太も頷きながら、自分の夢を語った。

「俺は家族全員が安心して暮らせるように、もっと仕事を頑張る。そして、みんなで旅行に行く時間を作りたいな。」

「旅行!いいね!」

子どもたちが歓声を上げる中、志保の胸には希望が広がった。家族が一つの目標を共有し、それに向かって進むこと。それがどれだけ力強いことなのかを実感していた。

---

それから数日後、志保は家族会議で決まった「未来の計画ノート」を作った。ノートにはそれぞれの夢と目標、そしてそれを達成するための小さなステップが丁寧に書かれていた。

例えば、拓海と翔太のページには、「毎日練習を欠かさない」「試合で全力を尽くす」などが書かれていた。美咲のページには、「毎日絵を描く」「動物図鑑を読む」などが書かれている。そして、志保自身のページには、「毎朝ピラティスをする」「新しい動きを学ぶ」「家族と笑顔で過ごす時間を大切にする」と記されていた。

「このノートがあれば、みんなが迷ったときに思い出せるね。」

志保の言葉に、子どもたちはうなずいた。そして康太も、家族全員の努力を応援する姿勢を見せた。

---

青森の冬が再び訪れたころ、佐藤家はますます活気づいていた。子どもたちは夢に向かって少しずつ前進し、志保は地元の人々から「元気をくれる存在」として感謝されるようになっていた。

「夢は一人で見るものじゃない。家族みんなで共有して、応援し合うものなんだ。」

志保は青森の澄んだ空を見上げながら、静かにそうつぶやいた。そして、これから先も続いていく家族の物語に思いを馳せた。

青森の風は冷たくても、佐藤家の絆は温かかった。未来への希望を胸に、彼らは新たな一歩を踏み出していくのだった。


この小説は、妻が日々のストレスを軽減するために実践しているピラティスのクラスから着想を得ました。青森発のオンラインピラティス『Manycent』では、特にお母さんたちが心身の健康を取り戻すサポートをしています。ぜひ一度体験してみてください!


いいなと思ったら応援しよう!