かけ算の順序問題は、論じる意味がないが、考えると面白い
「かけ算には順序があるのか」という数十年来の算数の大論争があるという。
数学者や教育関係者を含め、長い論争が続いているのだという。
このテーマに関する本もあるとか。
このブログでは、この不毛な論争に立ち入る意図はありません。
簡単におさらいしておきます。
小学校で習うかけ算で、「6人に対し、1人4個ずつミカンを配ると何個のミカンが必要?」という問題で、
「6×4=24」というのは、答えは合っているが、式が間違っているという立場(立場A)と、それはおかしいという立場(立場B)があります。
立場Aによれば、「4×6=24」が正解。
4個×6人=24個となる。
6人×4個では24人になってしまうというのがその根拠。
個×○=個、人×○=人というように、サンドイッチ(?)になるのが正しい式という説明。
教科書にもこうした趣旨が書かれているものがあるとかないとか。
立場Bは、諸説ありますが、主なものは、乗法には交換法則があるので、式自体は、6×4だろうが4×6だろうがどちらでもよく、数学的に全く同じ、というもの。
当記事では、この論争には立ち入りません。
議論する意味がないと思うからです。
但し、式の意味を考えると、なかなか興味深いところがあります。
まず、4×6=24 という式はどう解釈できるか?
数字に単位を付けてみます。
式の単位は、4「個/人」 × 6「人」 = 24「個」
と考えることができます。
4個ずつ袋にいれて、一人1袋ずつ、6人に配るので、全部で6袋分のミカンが必要になると考えるのと同じです。
4の単位は、「個」ではなく、「個/人」とするのがポイントです。
つまり、単位(1人)当たりの数量に人数をかけています。
では、6×4=24 という式はどう解釈できるか?
式に単位をつけるとすると、例えば、6「個/回」 × 4「回」 = 24「個」
と考えることができます。
ミカンをバラで、1人1個ずつ6人に配るのを1回としたとき、1回あたり6個必要になりますが、これを4回行うと考えるのと同じです。
この場合の6の単位は、「人」ではなく、1人1個ずつ配るときに必要な個数、つまり、1回あたりの配布個数で考えています。
単位(1回)当たり数量に回数をかけている意味になります。
1人4個ずつ配ればよいので、1人の人に対し、「一度に4個」配ってもいいですし、「1個ずつ4回」に分けて配ることもできるはずです。
2通りの配り方が考えられるといっているだけで、どちらが「正しい配り方」なのかは問題にしていません。
4×6 と 6×4 にそれぞれ異なる解釈を与えることができ、結果はいずれも同じです。
現在、中高一貫校に通う、我が家の算数小僧にも聞いてみました。
「単価かける数量でいいと思うけど、数量かける単価でも同じだと思う」
これが返事でした。
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