恋愛エッセイ : 男は見た目じゃなくて中身だというのは女性差別(男は第1印象が大事)

僕はサラリーマン時代、アシスタント業務をしていてくれていた女性が3人いた。
僕は欧州を担当する営業マンだった。
欧州は日本の夕方の4時(サマータイム時は3時)が朝の9時。
夕方4時から電話がかかって来るので、どうしても他の部署に比べて残業が多かった。
でもこの3人のアシスタントの女性たちは、嫌な顔ひとつせず働いてくれていた。 
僕にとって大切なパートナーの女性たちだった。
僕はそんなに大したご馳走は出来なかったが、2〜3ヶ月に1度、この3人の女性たちに夕食をご馳走していた。
その日は焼肉を食べに行った。

今でも思うが、僕はこの食事会をしていて良かったと思っている。彼女たちが日頃不満に思っている事
仕事上の悩みを聞くことが出来たからだ。
またお年頃の女性たちだったので、恋愛相談、特に こういう時は男はどう思っているか、とか、男はどうして、こういうことを言うのか、みたいな男の気持ちを質問して来ることが多かった。

その日は、僕が車で家まで送るから焼肉を食べながら生ビールを飲んでいいよ、と言うと、
本当にいいですか〜、と言って、美味しそうに焼肉を食べながら生ビールを飲んでくれた。

やはり、途中から男の話しになった。
そして、アシスタントのなかのリーダーの女性が
僕にこう言った。
「主任、男は見た目じゃなくて中身だ、と言う男の人がいますよね? 男は見た目で女を判断してよくて、女は男を見た目で判断してはいけない、というのは、女性差別です。」

確かに、この女性の言う通りだと思う。
僕は海外営業部にいて、アメリカの担当者やアジアの担当者の人達ともよく話しをしていて、分かったのだが、
男は見た目じゃなくて中身だ、と言っているのは、たぶん世界中で日本人の男だけだと思う。
欧州の男は見た目に気を使う、それどころかきちんとした身なりをしていないと信用されない。
アメリカの男も同じだと聞いた。
韓国の男の人たちもお洒落だと聞いた。
インドの男の人たちは、素晴らしい民族衣装を着て
お洒落な帽子まで被って出かけると聞いた。

焼肉を食べ終わり店から出ると僕は、
いつものカフェでみんなでパフェを食べない?
と言った。
すると皆、食べま〜す、主任はいつも期待を裏切らない。と言ってついて来た。

食事中は皆、不平不満ばかり言うが、落ち着いて
珈琲を飲みながらパフェを食べ始めると、本音を話し出す。そして、心配事や悩みを話し始める。
僕にとっては、こっちの方が大事だった。

リーダーの女性が、
きっと主任にも経験がおありだと思うんですけどね
と言ってクスッと笑って、こう続けた。
「男の人たちは、かなり無駄な努力をしていますよ女にとって男の人は第1印象が凄い大事なんです。女はその男の人と初めて会った時、当然好きになることもありますが、その男の人に、素敵だなぁとか優しそうだなぁとか、何かいい感じだなぁみたいにその男の人に好意なり興味を持てば、その男の人のことをもっと知ろうとします。趣味は何かなぁとか誕生日は?血液型は?もう彼女いるのかなぁみたいに。ところが、最初に会った時に、何の興味も持たないと、その男の人の必要最低限のことしか知ろうとしないんですよ。最初に何の興味も持たれないと
その後、いくら頑張ってもダメなんですよ。
男は見た目じゃなくて中身だ、なんて言っていると結婚はおろか彼女も出来ないと思いますよ。」

新入社員のアシスタントの女性が
「しゅに〜ん、まだ時間いいですか?」
「まだ8時だからいいよ。」
もうひとりのアシスタントの女性が
「主任、私たち主任に教えてもらいたいことがあるんすよ。」
そしてリーダーの女性がこう言った。
「主任、参考に私たちに教えてください。奥様に
結婚を意識されたのは、何時どんな時でしたか?」
「分かった。いいよ。」
「しゅに〜ん、パフェ食べたら、あんみつも食べたくなっちゃった〜。」
「主任、私達もいいですか?主任もいかがですか?甘い物お好きですよね?」
と言ってリーダーの女性はまた、クスッも笑った。




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