偶然ばったり、を大切にしたいとおもった。
大学でお世話になった教授と、
仕事終わりに寄った図書館でばったり会った。
先生の歩き方と髪型が変わらないので、すぐに分かった。
夫が迎えに来ていたので、話しかけないで、帰ろうかなと一瞬思ったけど、やっぱり話しかけてみた。
静かな図書館でなんと話しかけようか迷ったが、
目も合いそうにもなかったので、
結局、「すみません」と声をかけてしまった。
「はい」と先生が返事して、
私の顔を見ると、はっと思い出したようだった。
図書館の外を出て、色んな話しをした。
私は結婚して、職場も変わった。
先生の授業を受けた友だちは、子どももいるし、引越しもした。
先生と話していると、
なんだかあの頃にワープしたみたいだった。
一瞬だけ大学生に戻ったみたいだ。
「28だっけ?」と先生は、私の今の年齢を確認したが、
私は30だ。
20代はあっという間だった。
先生はまったく変わらない。
偉い教授だというのに、飄々としていて、
謎に学生目線で。ユニークで。
これからきっと先生からメールが届くだろう。
偶然ばったり、なんてのは、
これから大切にしたいと思う。
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