性同一性障害特例法を守る会

性同一性障害特例法の手術要件撤廃に反対する当事者の集まりです。特例法は私たち当事者にと…

性同一性障害特例法を守る会

性同一性障害特例法の手術要件撤廃に反対する当事者の集まりです。特例法は私たち当事者にとって必要な法律です。

最近の記事

司法の暴走に対する警鐘 ~最高裁国民審査の結果について

性同一性障害特例法を守る会 私たちは性同一性障害当事者として、2023年最高裁における特例法手術要件(不妊要件)の違憲判断の責任を問うために、10/27に行われた衆議院選挙に伴う国民審査で、この裁判に関わった尾島明・今崎幸彦の両裁判官を不信任するように、国民の皆さまに訴えました。 残念なことに、国民審査の「不信任」は過半数という高いハードルが設定されているために、両裁判官の罷免には至りませんでした。しかし、国民審査の結果を見れば、 尾島明   11.00% 宮川美津子 

    • 最高裁国民審査について訴えます~尾島明・今崎幸彦両裁判官に✖を!

      性同一性障害特例法を守る会 来る10月27日投票の衆議院選挙と同時に、最高裁判所判事の国民審査が行われます。私たちは性同一性障害当事者として、国民審査で尾島明・今崎幸彦両裁判官の不信任をするように、すべての国民に訴えます。 私たちの会は性同一性障害当事者が「特例法、とくに手術要件を守る」ことを掲げて作られました。署名活動などを通じて私たちは手術要件の維持を最高裁に対して訴えてきましたが、しかし、昨年10月26日の最高裁大法廷決定では、手術要件のうち「生殖能力の喪失要件」に

      • 熊谷俊人千葉県知事による森奈津子氏講演への「キャンセル」に抗議します

        性同一性障害特例法を守る会 10月2日に千葉県人権啓発指導者養成講座で行われる予定だった作家・森奈津子氏による「女性に関する人権」講座が、直前の9月26日に千葉県の側から一方的に中止されました。 私たちはこのようなあからさまな「キャンセル」に強い抗議の意思を表明します。また、このような「キャンセル」の理由が「知事決裁による中止」だと聞き及んでいます。知事が恣意的に人権に関する講演を「キャンセル」するという暴挙に出たとするのならば、千葉の民主主義が正面から問われなくてはなら

        • 「ノーディベート」と性同一性障害当事者~『情況』に関する声明批判

          美山みどり 先日、「特例法を守る会・美山みどりのオススメ書籍」として、雑誌「情況」2024Summer号を取り上げて、トランス思想側が「議論から逃げた」と評しました。以前も「私のおすすめ」として書いたものですので、この小文も、もちろん私の個人の見解を示したものであり、特例法を守る会には一切の責任がある文章ではなく、美山個人の文責によるものです。 もちろん「情況」のこの件について、「逃げた」トランス思想側もサヨク論壇の応援団を得て言い分を発表しています。 なかなか私たちにと

        司法の暴走に対する警鐘 ~最高裁国民審査の結果について

          特例法を守る会・美山みどりのオススメ書籍

          美山みどり 今までは「トランスジェンダー」をテーマとした本・雑誌記事はLGBT活動家サイドに立ったものがほとんどでした。しかし、今年に入って、シュライアー著「トランスジェンダーになりたい少女たち」が商業的にも成功したこともあって、LGBT活動家たちが敷いていた「言論統制」が崩れつつあります。 このため、LGBT活動家たちと「トランス思想」を批判し、「トランスジェンダー」についても「人権」ベースのイデオロギー的なゴリ押しではなく、客観的で現実を伝える書籍・記事がこの秋、続け

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          書評:「性別」医療現場の苦悩~「手術なし」をどうやって...(針間克己「正論」令和6年11月号)

          性同一性障害特例法を守る会 美山 みどり 性同一性障害(性別不合)について、精神科医として第一人者であり、2003年GID特例法にも主導的な役割を果たしたことで知られる、針間克己医師が7月号での「エビデンス重視のジェンダー医療を」に続いてまた産経新聞社発行の月刊誌「正論」誌上に登場しました。 タイトルからうかがわれるように、本年7月10日の広島高裁での差戻審の決定に対する現場の困惑の気持ちがストレートに綴られた文章です。この差戻審では特例法の外観要件「その身体について他の

          書評:「性別」医療現場の苦悩~「手術なし」をどうやって...(針間克己「正論」令和6年11月号)

          性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の改正についての意見書

          当会は2024年9月30日に自由民主党へ「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の改正についての意見書を出しました。送付した意見書の内容は下記の通りです。 記 2024年(令和6年)9月30日 自  由  民  主  党   御中  総裁   石  破  茂   殿  政務調査会長 小野寺五典   殿 性同一性障害特例法を守る会 代表  美山 みどり  当会は、性同一性障害当事者の団体であり、特例法によって戸籍上の性別変えた者・未変更の者、男性から女性・女

          性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の改正についての意見書

          性別不合に関する診断と治療のガイドライン(第 5 版)への感想

          性同一性障害特例法を守る会 美山みどり さて、唐突にですが、「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」が2024年8月21日に改定され、「性別不合に関する診断と治療のガイドライン(第5版)」(以下「ガイドライン」)として発表されました。ICD-11 での「性別不合」への診断名の変更もあり、それらの対応も含めて今回の対応となりました。 内容的にはさほど大きな変更はありません。しかし、いろいろと気になる点もあります。 私たちの要望書を無視するな私たち性同一性障害特例法

          性別不合に関する診断と治療のガイドライン(第 5 版)への感想

          トランスジェンダーと性同一性障害は無関係、私たちは共同通信社に抗議します

          本投稿内容を9月21日に共同通信社へ郵送で送付しましたのでご報告いたします。送付した文書は添付の通りです。 2024年(令和6年)9月20日 性同一性障害特例法を守る会 私たちは性同一性障害特例法を守る会は、性同一性障害当事者による団体です。これまでも、マスコミが流布する「性同一性障害とトランスジェンダーの混同」について、強い抗議の意思を表明してきました。 しかしまたもや、共同通信社が配信したニュースで次のように報道されました。 記事のヘッドラインに当たる「心と体の性

          トランスジェンダーと性同一性障害は無関係、私たちは共同通信社に抗議します

          「性同一性」とはなにか?

          美山みどり そもそも「性同一性」って何?性同一性障害(GID)は、gender identity disorder の訳語ですから、キーになるのは「gender identity」という単語です。これは「性同一性」とか「性自認」という訳語で定着しています。しかし、 と、法務省のような「公式見解」を述べる必要がある官公庁でも定義されています(法務省HPではこの文言が現在消えています。詳しい事情は女性スペースを守る会の note https://note.com/sws_jp

          「性同一性」とはなにか?

          日本精神神経学会への要望書

           以下、今年の2月に日本精神神経学会へ出した要望書になります。  日本精神神経学会はその下に「性別不合に関する委員会」を設け、「性別不合に関する診断と治療のガイドライン」を策定する重要な役割を果たす学会です。性同一性障害特例法の改正論議にも「医療に何ができるか?」「医療は何をすべきか?」が重要なポイントとなります。私たち性同一性障害(性別不合)当事者としても、その動向に注目し、私たちの意見を反映するように働きかけています。しかし、この要望に直接答えることなく、8月21日に「性

          日本精神神経学会への要望書

          特例法改正論議について、当事者として外してほしくないポイント

          性同一性障害特例法を守る会 美山 みどり 昨年の最高裁判決によって、性同一性障害特例法の不妊要件の違憲判断が出たことによって、特例法の改正論議が始まりつつあります。私たちは当事者としての立場から、この議論自体にいくつかの注文を付けたいと思っております。私たちがまさにこの特例法の当事者であり、私たちの声を無視したいかなる改正も望みません。 しかし、当事者の間での特例法に対する意見はさまざまです。また性同一性障害と戸籍性別の変更の間には、人権や法律では解決しない重大な問題もい

          特例法改正論議について、当事者として外してほしくないポイント

          西日本新聞社説「戸籍の性別変更 手術の必要がない法律に」(2024年7月21日付) に抗議する

          2024年7月23日 性同一性障害特例法を守る会  去年10月の最高裁での「不妊要件」の違憲判断に続き、その決定で差し戻しされた広島高裁で、一切の性器手術をしていないこの申立人の性別変更を認める判断が出てしまいました。この件については今まで私たち「性同一性障害特例法を守る会」は、まさにこの性同一性障害特例法によって手術によって戸籍性別を変えてきた当事者の立場から、この決定を批判してきました。  おそらく多くの国民・マスコミの方々は「恩恵があるはずの当事者がなぜ、条件を緩め

          西日本新聞社説「戸籍の性別変更 手術の必要がない法律に」(2024年7月21日付) に抗議する

          広島高裁差戻審決定を批判する

          性同一性障害特例法を守る会 美山 みどり またもやおかしな司法判断がなされてしまいました。 とはいえ、これは昨年の最高裁での特例法手術要件の不妊要件の違憲判断を受けて、広島高裁での差戻審の決定ですから「もう一つの手術要件である外観要件は、どうなるのか?」と私たちも注視してきた裁判なのですが… ある意味「逃げた」決定になります。 さすがに「外観要件は違憲である」という判断まではしません(「違憲の疑いがある」とは言っています)が、性ホルモンによる治療を通じて、男性器が委縮

          広島高裁差戻審決定を批判する

          凍結精子をめぐる最高裁判断について

          美山みどり また最高裁が国民感情からズレた、ヘンな判断を下してしまいました。 私たちの抱える性同一性障害という問題も、広く見れば「性と生殖をめぐる医療」から発する問題の一つだともいえましょう。性ホルモンと外科手術によって、ある程度条件が揃えば見た目上、生物学的性別とは逆の性別として社会的生活が営めるようになった、という医学的「進歩」から、私たちの問題が「社会問題」になってきた、という側面はあるのです。 科学の進歩によって提供されるものが、そのまま社会にとって有益だとする

          凍結精子をめぐる最高裁判断について

          立憲民主党の特例法改正案を糾弾する

           2024年6月11日、立憲民主党は「GID特例法改正法案」を衆院に提出しました。  私たちはGID当事者であり、まさにその当事者者として、立憲民主党のこの手術要件を不妊要件(第四号)外観要件(第五号)ともに全廃する法案を強く批判し、撤回を要求します。  去年の最高裁判決で、手術要件の一部(不妊要件)が違憲と判断されましたから、改正をタイムテーブルに乗せること自体は政治家の役割であるとはいえましょう。しかし、この特例法とは、まさに「手術要件ありき」で作られた法律です。手術

          立憲民主党の特例法改正案を糾弾する