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散文の仲間

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ジブラルタル峻が綴る、理性や科学の外側のテクスト。
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#オートマティスム

「詩(詩)」(総合詩)

「詩(詩)」(総合詩)

電離した言葉の花束に、糸電話の記憶を振りかけます。

そうして出来た【長さ】に引き寄せられてエゾモモンガとワオキツネザルが集まってきます。

かわいいね。かわいいな。

そういった人類の音声も含んだ環境の音楽は、常に近似値でしか記述できません。仕方のないことですが、【短さ】の方程式の援用でしのぎます。

交換ではなく譲渡であるような、つまり、愛というよりも恋であるような取り交わしの中で、非線形な系

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創作|アトリエを巡って

創作|アトリエを巡って

・時間にマヨネーズをつけて食べる。
・背徳的なサンシャインバターによく似た影絵で添い遂げる。
・至近距離でシュートを外す。
 それら一連の旧世紀を手裏剣にします。

・クラムベリーを解きほぐすかのように。
・刀の錆を研ぐように。
・フラスコの中の次世代のように。
・あきらめる、の中に釣り糸を垂らすかのように。
 これらは次第に放物線そのものになり、ゲートインとゲートアウトを繰り返します。別言するな

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散文:自動販売機2024/01/26

散文:自動販売機2024/01/26

 自動販売機がある。
 僕はコインを投入し、アサガオというボタンを押した。風邪薬のようなカプセルがスっと落ちてきた。拾い上げて水無しで服用する。ゴクリ。言葉と想念が頭の中を濁流のように駆け巡る。

 おおお。こういうやつか。その流れに身を任せる覚悟をした。

 目を固く閉じた。流れはまだ止まらない。

 言葉の流れが止まった。終わったのだろうか。よし。次はヒマワリのボタンを押すことにしよう。

小説:あなたの文法を見せなさい、などの言葉の塊(472文字)

小説:あなたの文法を見せなさい、などの言葉の塊(472文字)

 現象のゆりかごをマリアナ海溝から引き上げ、地鎮祭が催される。崖を背にした偉大な俳優が背水の陣とばかりに、前方後円墳に変貌する。手袋を自らの歯でもって剥ぎ取り、世代の鐘が鳴り響く。調子の良いエンゲル係数にヒッタイトの鉄を突きつけて、盤面を俯瞰する。
 するとどうだろう?
 トリオの左の担当者がファンシーなマシュマロを乱射するではないか! その際、固めるか吸わせるかはさして問題ではないのだ。高分子吸

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