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「秋の乗り放題パス」で行く!中国地方乗りつぶしの旅 ~2日目

2023年10月に「秋の乗り放題パス」を使って中国地方の路線を乗り回した旅の記録。
2日目はいよいよ中国地方に突入。

2023年10月15日(日)8:15 姫路駅

おはようございます。

早めにホテルをチェックアウトした。昨日までの雨は上がり、朝から良い天気。駅から正面に見える姫路城に行ってみようと思う。

世界遺産をアピールする姫路城のマンホール。
金色の郵便ポスト。キャラクター「しろまるひめ」がもっちりかわいい。
正面に到着。

写真を撮りながら向かったのもあるけど、駅から城の入口まで15分もかかった。駅からしっかり見えたからそんなに遠くないと思ったんだけどな…

「白鷺城」とも形容される姫路城の天守と櫓。漆喰の白が美しい。
別角度から。空の青が濃い分、白が際立つ。
天守の正面「三の丸」は広場になっている。城内の広大な敷地に驚く。

この広場がゴール地点になるマラソン大会が行われているそうだ。参加してみるのもいいな、と思ったけど、あいにく次回大会の申し込み期間は既に過ぎていた。またいつか。

天守に入れるのは9時からということで、入口の前には既に観光客が並んでいた。しかし自分は電車に乗らないといけないのでここでお別れ。開門の太鼓の音を後ろに聞きながら姫路城を後にした。

今日の行程

今日は「秋の乗り放題パス」利用の2日目。

最終目的地は岡山。山陽本線で1時間半程度で行ける距離だが、ぐるっと大回りして向かう。

まずは姫路から姫新線に乗って新見へ。新見からは一旦伯備線で山陽方面へ抜け、途中の総社で吉備線に乗り換えて、終点が岡山となる。

ぐるっと大回り。

岡山に着いたら、周辺の新駅も取れたらよいかなと考えている。ひとまず時間と体力との相談。

姫新線① ~姫路→播磨新宮→佐用

播但線、姫新線の乗換口案内。

秋の乗り放題パスを通して姫路駅の構内に入った後、播但線、姫新線用の専用改札を再度通ってホームへ向かう。

キハ127系気動車。2両編成。
側面には赤とんぼのロゴマークが貼られていた。

9:48、播磨新宮行きの列車は予定通り姫路駅を出発。高架から降りた後に山陽本線と別れ、いきなり単線となった姫新線は、一軒家が並ぶ住宅地の中を進んでいく。

途中、本竜野駅に到着。

ガードレールに少し隠れてしまったが、赤とんぼの碑が立っている。

本竜野駅があるたつの市は、童謡「赤とんぼ」の作詞者である三木露風の生誕地ということで、姫新線は赤とんぼを推しているらしい。車両のロゴだけでなく、車両のラインや路線を表す記号の「K」に朱色が使われているのもそのため、とのこと。

次の東觜崎駅では、見覚えのある名前を見かけた。

揖保…
乃糸。

全国的に有名なそうめん「揖保乃糸」はこの辺りが生産地だ。駅から近いところに揖保乃糸の資料館もあるそうだ。そういえば姫路駅にも揖保乃糸のネオンサインがあったっけ。

数年前に撮影。そうめんらしく?細い線が複雑に配された、ディテールの細かい一品。

揖保乃糸は近所のスーパーでも買えるんだけど、ここでしか買えない限定品とかあったりするのかな?

乗っていた列車は次の播磨新宮が終点。乗り換える。

キハ122系。ついに1両編成!

席の争奪戦だ!

席を確保すべく急ぎ足で向かっていると、でかいトラベルケースを転がしたアジア系の女性に呼び止められ、「この電車は三日月駅に行くか?(英語」と聞かれる。「OK!」と答えたのだが、そのやり取りの間に席はすべて埋まってしまっていた。まぁ、しゃーないか、と、車両の後ろ寄りに立つ。

播磨新宮からは田園地帯に。遠くは山々、近くは田んぼに囲まれるのどかな風景の中を進んでいく。しかし新型車のキハ122系はディーゼル車なのに静かで乗り心地が良いし、線路も直線区間が多く、1両編成のローカル線とは思えない快適さだ。座れていればうっかり一寝入りしてしまっていたかもしれない。

時折カーブがありつつも、一直線の線路が続く。快適。

着実に山地に向かっているはずなのに、意外にもトンネルは多くない。ちょっと長めのトンネルがあったな、と思ったところで、この列車の終点の佐用駅に到着。

姫新線② ~佐用→津山

佐用駅。「さよう」じゃないのか。

奥には智頭急行のホームがある。ちょうど特急の乗換のタイミングだったようで、乗っていた客の半数くらいは智頭急行に乗り換えた。引き続きの津山行き列車のホームに残った人は思ったより少ない。

キハ120形気動車。ついに登場。

キハ120形はJR西日本のローカル線で運用されている車両だ。東はキハ100系(110系)、西はキハ120形がローカル線の雄だ。ちなみにローカル線のレジェンドがキハ40。(意見には個人差があります)

11:04、ディーゼルの音もにぎやかに、佐用駅を出発。ようやく席に座れたので、ゆったりした気持ちで列車に揺られる。

佐用駅の次、上月駅を過ぎると、いよいよ田んぼも少なくなり、両側の山が近くに迫ってきた。県境へ向かう上り坂を時折25km/h制限で徐行しながらゆるゆると進んでいく。

国境の長いトンネルを越え、岡山県に突入。線路は一転、なだらかな坂を下りながら、津山方面へ向かっていく。

途中の林野駅近くの山にあった、「美」の文字。美作の「美」かな?

出発から1時間ほど経ち、遠くの小高い丘に城壁と櫓が見えたところで、この列車の終点、津山に到着。

乗ってきた白いキハ120と、入れ替わりで出発を待つキハ120。

ここから先、新見行きの列車はおよそ1時間後。一旦外に出てみるかー、と改札を出たところ、

これで
これで
これときたもんだ(いい匂い

ちょっと…津山めっちゃいいじゃない…

なんで自分はこんな素敵なところに1時間しか滞在できないんだ…

確かに今日はダイヤの制約がそこまで厳しくなく、予定の列車を見送ってこれらを堪能することもできる。正直かなり悩んだが、1本見送ったところで堪能しきれる量じゃない、と踏んで、予定通りの行動を決意する。

津山からは因美線も出てるから、きっとまた来るよ。大丈夫(たぶん

津山はB'zの稲葉さんの故郷でもある。ファンらしき人が生家最寄りの東津山で降りていった。

姫新線③ ~津山→新見

駅に戻ってくると、可愛らしいピンクの車両が停車していた。

おなじみキハ40。丸っこい車体がまたかわいい。

津山線で岡山と津山を結ぶ臨時列車「SAKU美SAKU楽」だ。

とても可愛らしい車体だし、是非来年の春あたりに駅メモに実装希望。そしてコラボイベントが開催されて、津山にまた来ることができれば…(妄想

しかし今回自分が乗るのはこっち。新見行きのキハ120。

12:54、SAKU美SAKU楽に見送られながら津山駅を出発。

隣のボックス席には老齢の女性が2人話し込んでいる。こっそり聞いてみると、片方の女性は九州在住、先ほどのSAKU美SAKU楽に乗ってきて、この後新見から伯備線を北に抜けて米子に行くとのこと。手練れの乗り鉄だ。もう1人は大阪在住、この先の親戚の家に向かうそうで、津山の隣駅の院庄駅の由来や、津山出身のウェストランドの話などをしていた。そちらの方も来週は「秋の乗り放題パス」で信州に行く、と。こちらも素晴らしい乗り鉄。

そんな出会いがある鉄道旅。やっぱいいなぁ、と思う。自分も話に入っていきたいのはやまやまなんだけど、やっぱ駅メモやりながらだとスマホをちょいちょい見ないといけないから失礼な気がするんだよなぁ…

隣を中国自動車道が並走している。国道だと思った。これも女性が教えてくれた。

線路は次第に山に向かって上り基調になる。美作追分、美作落合という、ここが街道の分かれ道だったんだろうなぁ、という名前の駅を通る。ちなみに鉄道は分岐していないが、高速道路は米子自動車道と分岐している。

美作落合から先は川に沿ってしばらく平坦な土地が続くが、中国勝山駅を過ぎてからは再び本格的な山登りに挑む。25km/h制限の徐行再び。右に左にくねくね曲がりつつ、上り下りも混ぜつつ、徐行と制限解除を繰り返しつつ。今までの姫新線とは走りのバリエーションが異なり、乗ってて楽しい。

富原駅を過ぎた先の峠が姫新線の最高地点。峠のトンネルを越えてからは一気に下りになる。しかし時折徐行が入るのは反対方向が上りになるからだろうか?

刑部おさかべ駅、丹治部たじべ駅という、なんか別の読み方をしてしまいそうな駅を過ぎ、緑の中を走るジェットコースターに乗ったような気分で最後の坂を下り、終点の新見駅に到着。無事姫新線を制覇。

山越えお疲れさまでした。対面には特急やくもが待っている。
こいつが新しいやくもね…!

現在の特急やくもで用いられている381系は2024年3月の新型車デビューに伴い引退の見通しとなっている。それまでに乗りに来れるかなぁ…

伯備線 ~新見→総社

「秋の乗り放題パス」では特急に乗れないので、やくもは見送って各駅停車に乗り込む。

海をイメージした青いラインの213系。山中で見かけるとちょっと違和感?
新見駅を出発。やっぱ岡山と言えば黄色い電車だよね。

新見駅を出た途端、外の風景に目を奪われた。

おぉ…
これは
素晴らしい
渓谷美…

荒々しい岩肌と緑が渓谷美を織りなす。少し色づいてはいたのだが、これ、紅葉の季節は国内屈指の絶景が見られるんじゃないですかね。

山肌の岩は石灰岩。採石場もちらほら散見された。

また紅葉の季節に乗りに来たいなぁ。やっぱ人気なのかなぁ。

吉備線(桃太郎線) ~総社→岡山

新見で乗った車両は岡山行きなのでそのまま乗っていっても良いが、乗りつぶしのため、途中の総社駅で降りて吉備線に乗り換え。

桃太郎線の愛称がついている。
車両はピンクかな?と思ったが、キハ47のタラコ色だった。

車両はあまり桃太郎感ないなぁ、と思ったが、ちゃんと車内放送のチャイムは「も~もたろさん、ももたろさん」だったw

桃太郎線の沿線は由緒ある神社がいくつかある。車窓から最上稲荷の大鳥居を見つつ、今回はまっすぐ岡山へ向かった。

夕飯:岡山のデミカツ丼

岡山駅に到着。長かったー。
桃太郎像。遥か彼方を見つめている。何がある?

さて、時刻は17時をちょっと回ったところ。サクッとホテルにチェックインして、今のうちに夕飯にしよう。

何か岡山らしいもの、ということで、岡山発祥のデミカツ丼をいただくことにした。

デミカツ丼の元祖とも言われている、野村でいただきます。

元祖の店だから混んでるかな、と思ったけど、時間が早いせいかすんなり入ることができた。

実は昼飯を食ってないので、ここはガッツリいったれ、と、デミカツ丼と卵とじ丼のセットをいただく。

「子膳」。とはいえ2つ合わせれば大盛相当のボリューム。
こちらデミカツ丼。カツの下には茹でキャベツが敷かれている。

デミグラスソースが濃厚で美味い。大盛相当という量にビビってヒレカツにしたんだけど、脂分の多いロースカツの方が合うかも。

こちらは卵とじ丼。

こちらも老舗らしい上品な味わい。おいしゅうございました。

さらなる乗りつぶしへ

お腹も膨れたところで、予定通り岡山周辺の乗りつぶしを敢行する。

岡山電気軌道

まずは岡山電気軌道。岡山駅の駅前から出ている路面電車だ。
駅前の案内所で1日乗車券を購入して乗り込む。

名物のきびだんごの広告ラッピングがなされた車両。
「次とまります」のフォントがやたらかわいい。

ちなみに最近流行の低床車両も走っているのだが、あいにく時間が合わず乗車は叶わなかった。走ってるのは見かけたんだけど。

岡電の路線は2路線あり、ちょうど「乃」のような字の形をしている。行って帰ってを2回繰り返して両方とも制覇。

赤穂線へ

もう1つ、JRの赤穂線にも乗っておこう。

赤穂線は岡山駅の隣、東岡山駅から兵庫県の相生駅を結ぶ路線だ。え、兵庫県に戻るの?と思ったが…まぁ、そういうことである。

赤穂線は岡山駅に乗り入れている。再び岡山駅に向かい、ホームに行ってみると…

あれ、この車両は…

でんこの集う場所、岡山駅

「私と一緒、だね!」

岡山駅は、山陽線はもちろん、四国方面や山陰方面へ向かう路線が集まる、西日本屈指のターミナル駅である。そして、様々な車両が乗り入れるため、岡山駅に張っているだけで、でんこの元ネタ車両もたくさん見ることができる、というわけだ。

岡山を発着または通過する車両が元ネタのでんこを挙げると…

  • 根雨つむぎ(国鉄381系電車)

  • 妹尾まりか(JR四国5000系電車)

  • 新居浜いずな(JR四国8000系電車)

  • 新居浜ありす(JR四国8600系電車)

  • 窪川まぜ(土佐くろしお鉄道(JR四国) 2000系気動車 ※2021年まで)

  • 坂出アサ(JR西日本・JR東海285系電車)

  • 東海なな(新幹線N700S系)

…と、なんと7体もいたりする。

それに気づいちゃったからもう大変。間髪入れずやってくる元ネタ車両にあたふたしながら次々とツーショット写真を収める。

「ふふ、またいつか、お姉さんと旅に出ましょ……♪」
「また会ったね♪これも運命ってやつ~?」

結果としてわずか30分で3体の撮影に成功した。岡山駅でないものも含めて、ツーショット写真が撮れてないのはまぜだけになった。満足満足。

で…ああ、そうだ、赤穂線だ。

赤穂線、播州赤穂行きに乗り込む。

時刻は20時を回った。まぁ片道1時間くらいかな、楽勝楽勝となめてかかっていた。

赤穂線で相生まで2時間弱、そして山陽線岡山行きの終電が22時だと気づくまでは。

あれ…きわどくない?

慌てて時刻表を引き直す。

今は20時を回っている。今乗っているのは赤穂線の播州赤穂行き、そこで乗り換えて相生に出て、到着するのは…

結果としてはギリギリ相生から岡山行きの最終に乗れることが分かった。いやぁ、首の皮一枚繋がった。
まぁ、万が一乗れなかったとしても、相生から新幹線で岡山に戻ることはできたのだが、もちろん乗車券+特急券が両方必要なので、その出費は避けたかった。

忠臣蔵でおなじみの播州赤穂を経て…
相生に到着。
22:01 岡山行き。これを逃せば後はない。
幸せの黄色い電車、到着。
およそ1時間後、無事岡山駅に到着。

最後の最後にスリル満点の旅だった。景色を楽しむ余裕もなかった。まぁ、真っ暗で何も見えなかったんだけど…

おつかれさまでした。

本日の成果

  • アクセス駅数: 105

  • 獲得新駅: 74

  • 通算アクセス駅: 5,431

  • 移動距離(駅メモ!基準): 337km

次回予告

乗りつぶしの旅3日目。最終日は津山線を経て芸備線へ。いよいよ営業係数20,000超の区間へ足を踏み込むぞ。


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