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「桜の法医」

アメリカの医学大学卒業後、東京都監察医務院でのインターン兼実技を終え辞令を受けて、ドイツへ渡り、ベルリン大学病院の司法解剖研究員として何年か経て、帰国して東京監察医務院に再入職し。解剖医学に携わり、すごした私の日々。椿原零26歳女子の監察日記と、ややストーリーが並行します。

「はじめまして、椿原と申します、不束者ですが今日から配属になりましたのでご指導のほどよろしくおねがいします。」

朝礼時、これから仕事を共にする解剖医や助手などの様相があまり覇気のない面持ちだった。

「どうも院長の寺山です。丁度ドイツに渡るときは院長は植野だったとおもうが、厳しい研究ご苦労様でした、これからこちらこそ、ご教授よろしくおねがいします。各自、昼休みにでも自己紹介を終えておいてくれ、それじゃあ、よろしく、まずは警察庁の刑事局に挨拶にいっておいてください。失礼します、ご存じですよね?」

「はい。」

「では、よろしくです。」

廊下を1人丸裸の資料と別途資料袋、私物鞄、を両手と脇に抱え、特にやる気があるわけでも無く、微妙な心持ちで医務院のドアを開け外に出る。

駐車してある水色のビートルのTYPE1の後部座席を開き、荷物を奥から手前に乱雑に配置して運転席に乗り込んだ。

溜息を一つ。

「よしっ。行くか。」

「つづく」

スピンアウト、零の長崎旅行で起こる偶然発見した遺体から長崎医局と巻き起こる「プルメリア」も乞うご期待。

《END》











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