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【読書】『まちづくり幻想』木下斉【地方創生】


前回に引き続き、この記事においても「地方創生」がテーマの本を紹介していきます。


今回読んだのは、『まちづくり幻想』(木下斉 著)です。


まちづくり幻想


タイトルの「まちづくり幻想」とは、「皆が常識だと思いこんでいるものが、実は現実とは異なり、それを信じ、共有してしまうが故に地域の衰退を加速させるという本質的な問題」です。


本書では、地域を再生するどころか衰退させてしまう「まちづくり幻想」を紹介し、排除するための方策について論じています。


2021年発行と新しい書籍のため、コロナ禍に関する内容も織り込まれています。
第1章において、「コロナ禍で地方の時代が訪れる」という考え方は幻想であるとまず筆者は語っています。


筆者の冷静さが印象的 


皆が何となく信じてしまう幻想を一つひとつ否定していく筆者の冷静さが印象的でした。


・当たり前のようだけれども忘れてしまいがちな、「地方にはお金では測れない価値がある」などのふわっとした考え方では何も進まず、地域でしっかり稼ぐことが地域振興の基本であること
・「コロナ禍で東京一極集中が改善されているらしい」というような、つい信じてしまうメッセージが実は事実と異なること
を改めて認識しました。


そして、自治体は、資金を外注よりも職員育成に活用すべきという考え方など、たしかにと納得できる部分が多くありました。


自治体の職員の方をはじめ、地域のプロジェクトに直接関わる方にとって参考になるのはもちろん、地方創生の全体像を掴みたいという場合にも、何が課題なのか明確に理解できるため、おすすめの一冊です。


木下斉さんの他の著作についても勉強したくなりました。『地域再生の失敗学』『地方創生大全』はkindleに入っているので、近いうちに読んで、紹介できたらと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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