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【読書】『人口減少時代の都市』諸富徹【地方創生】


今回は、地方創生について学ぶシリーズです。『人口減少時代の都市』(諸富徹 著)を読みました。


本書では、これからの人口減少を見据え、成熟型の都市経営を実践するための方法について、実際の事例も挙げながら論じています。


人口が減少する中でのまちづくり


日本の人口が急速に減少していく中、どのようなまちづくりが求められるのでしょうか。筆者は、人口減少は必ずしもマイナスではなく、逆にチャンスと捉える発想が重要であると説きます。


都市は、人口減少と社会資本の老朽化という問題に向き合い、何に対して優先的に予算を使うのか、選択することが必要になってきます。


人口減少に加え、経済のグローバル化や脱工業化という構造変化に対応していくには、非物質的要素、すなわち人的資本や社会関係資本への投資が重要で、そこで必要になるのが「成熟型都市経営」です。


成熟型のまちづくりには、人々の交流を生み出せるような都市のコンパクト化、既存ストックの有効活用が求められます。本書では、都市のコンパクト化について、これまでの日本の政策、成功例や失敗例も挙げながら考えていきます。


成熟型の都市における、公園や緑地の整備、福祉のまちづくりなどについても論じています。


建設的な議論


人口減少と正面から向き合い、人口減少を前提として建設的な議論をしているところが良かったです。自治体同士で人口の奪い合いをすることからは、何も生まれないと思うからです。


コンパクトシティー政策については、その重要性は理解できるものの、実際に進めるに当たっては困難も多いように感じていたのですが、本書にある、都市のコンパクト化は「漢方薬のように時間をかけて徐々に」行うのが重要ということが印象に残りました。


法改正の経緯や具体的な市町村の事例にも丁寧に触れられていて、勉強になりました。



誰もが経験することになるであろう、人口減少。その中でのまちづくりについて考えたい方は、ぜひ手に取っていただきたいです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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