記事一覧
病気であって病気じゃない
著者献本御礼。
本書を読んで奇異に感じる人もいるだろう。領域が違うと思われそうだが、僕の外来には「感染症に違いない」という確信を持ってやってくる患者さんとかが相当数いたりして、本書はかなりの既視感を持って読みました。コンセプトも普段から考えていることなので、よいことなのか悪いことなのかは分からないけれども驚きはなかった読書。
それじゃ良くないんだけど、さしあたりよい、ということは多い。そういう話
神戸はみだし近代歴史めぐり
古い写真や映像が大好き。本書は本屋で見つけて衝動買いした。貴重な写真群と洒脱な文章でとてもおもしろい。筆者はぼくより年下なんだ。すごいな。 目の付け所が半端ない。
統計的方法の考え方を学ぶ
復習とブラッシュアップに。他領域の事例が多いのでかえって勉強になる。
教育とイデオロギーについて
イデオロギーを教育してはならぬ、と思っている。それは教育というより「教化」であり、過激な言い方をすれば「洗脳」だからだ。教えるべきはファクトであり、主義主張ではない。
カール・マルクスは「資本論」を書き、レーニンがロシア革命を主導した、はファクトの伝授であろうが、偉大なるマルクスが、偉大なるレーニンが、となればイデオロギー教育となろう。
とはいえ、教育からイデオロギーを完全に排除するのは難しい
日本の外交について考える本
外国で生活する機会が割と多かったせいもあり、日本の外交、いや外交一般には素人ながら高い関心を持っている。最近、日本外交関係の新著が重なったので両方読んだ。
まずは高村正彦の「冷戦後の日本外交」。外務大臣などを歴任した政治家と学者などとの対談だ。ぶっちゃけ、偉い「先生」が自画自賛を繰り返し、それに追従する御用学者の先生たちがひたすらヨイショしまくる、極めて気持ち悪い本だった(笑)。しかも内容の多く
メロペンか、ピプタゾか
よく臨床現場で迷うのは「メロペネム(メロペン)か、ピプタゾか」ではなかろうか。素朴な方法としては、メロペネムは届け出、許可が必要な病院が多く、面倒くさいのでピプタゾ。患者の容態がよくないとき、よくならないときはメロペン、といった、割と雑な使い分けが多いようだ。
せっかくなので、生成AIのPerplexityに聞いてみた。ピプタゾではなく、メロペンのほうがベターなシチュエーションを訊いてみたのだ。以
Me too drugsの考え方
側鎖がちょっと違う、といった「既存の薬とほとんど違いのない新薬」をme too drugと呼ぶ、とアメリカで教えてもらったことがある。基本的には使う必要のない薬だ。
こういうme too drugは薬の説明会とかで、「感染臓器移行性が改善している」とか、「よりMICが低い」といった、in vitroな属性で宣伝されることが多い。特に日本で開発、販売される新しい抗菌薬はこのような説明がなされることが
安田明夏のとってもやさしい囲碁入門
中身もみずに本屋で衝動買いしました。写真も多くて「こういう作り方もあるのか!」と思いました。最近、囲碁は行き詰まっているのですが、読んでみていろいろ初心に帰るところ多かったです。ま、初心者なんですけどね。
そういえば、最近囲碁ジャーナル見てないな。
今すぐ知りたい血清療法
献本御礼。読むのが遅くなって本当に申し訳ないです。
血清療法は広義の意味では抗体療法ですが、なんとかマブみたいなのは本書の守備範囲に(ほとんど)入っていません。基本的には動物咬傷や、古典的な毒の病気(ジフテリアとかボツリヌスとか破傷風とか)、あるいはCOVID-19のようなウイルス感染などが解説されています。
特に、ヘビとか蜘蛛とかは、供給先やその背景にある制度もも裏的に解説されており、非常に
フローチャート 在宅医療漢方薬
献本御礼。読むのが遅くて本当にすみません。
ぼくは現在、在宅診療に携わっていませんが、いろいろと勉強になりました。特におおっと思ったのは猪苓湯の「あの」使い方。考えたこともなかったです。あと、当帰飲子を普段使わないのですが、「その」使い方があったのか、と驚かされました。ちょうどぴったりな患者さんで困っていたので、これまたよかったです。
世界の未解決ミステリー
事実は小説より奇なり
腎炎・ネフローゼ 診療大全
原書第3版。献本御礼。腎炎やネフローゼを勉強するのは本当に久しぶり。GAS咽頭炎の抗菌薬のSRとか知らないこともあって読めてよかったです。ぼくは咽頭炎後の尿検査をルーティンではしませんが、その根拠が本書で再確認できました。
映画になった恐怖の実話II
ちょっと装丁からしてトンデモ本チックだったけど、実に面白かったし勉強になった。映画と歴史を同時に学べる。
食卓の情景
池波正太郎の文章はつかれてるときでも、忙しい時でもスルスル読める。達人の文章だ。
イギリス国王とは、なにか
本屋で衝動買い。本当に良い本だった。NHK出版て実に良い仕事をしてますね。
イギリス国王は本当に苦手で、チャールズだのヘンリーだのエドワードだの、どこの時代に誰がハマるのかが全然分からなかった、というか関心持ててなかったのですが、だいぶ解像度が上がりました。まあ、一回読んだだけでは頭に入らないので再読必至ですが。
なぜ、英国に君主制が残り、フランスやドイツで残らなかったのかも理解できました。
デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界
本屋で衝動買い。素晴らしい辛子色の表紙に、DSMのジャケット、さらに村上春樹の文章ということで、実にお買い得な一冊。ジャズは選り好みが激しいので知らない人がとても多いのだけど、少しずつ開拓したいもの。