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【金融のキャリア】金融業界は斜陽産業に見えるが、アセマネは成長分野。キャリア形成に魅力あり。

金融業界は斜陽産業のレッテルを張られていますが、アセマネ業界は成長を続けており、国内で専門性を磨いてキャリアを形成するのに向いていると思います。


1. 英運用会社 シュローダーの決算

本日本決算を発表していますが、預り運用残高が前年比+15%増加と大きく増加。コロナ禍においても、株主に対する配当金支払額を前年から据え置いており、欧州金融機関の中で堅調さを見せつけた。

投信分野においては、引き続きインデックスファンドや他のアクティブファンドとの過当競争に晒され、マージン(信託報酬率)が低下し、収益は伸び悩んでいる。一方で、個人資産運用分野やウェルスマネジメントにおいては欧米のみならず、中国やインドなどでも成長が著しく、収益を下支えしている格好

2. 金融セクターの構造的な低収益性

金融業界は斜陽産業であると囁かれていますが、主な理由は以下の通りです。世界的に経済成長率が年々低下しているため、連動して各種アセットの期待投資リターンが低くなっている。中央銀行による低金利政策の長期化から、国債利回りが非常に低い状態が継続。特に銀行・保険セクターでは、短期調達と長期運用の利回りの差分(スプレッド)が収益の源泉ですが、長期国債利回り低下を受け、構造的に収益率が上がりにくい状況です。


一方で、高齢化や老後資金ニーズの高まりを受けて資産運用ニーズは高まっています。また、相続など税金対策の観点から、特に富裕層の高齢者からの利用は今後ますます増えると予想されます。

3. 投資及びキャリア形成の視点

運用会社は銀行など金融グループの傘下にあり、グループ全体に対する収益貢献度は小さいです。そのため、個別企業の業績や株価を大きく動かすドライバーになることはありません。アセマネの成長に着目する、投資アイディアは、そこまで魅力的ではないように思えます。

一方、アセマネ業界で働くキャリアについては、引き続き魅力があると考えています。日本では高齢化が進み資産運用ニーズが高まっていますが、日本人の金融リテラシーは諸外国に比べて低い状態です。日本国内のマーケットで働く場合には、日本語と言う参入障壁が外国人プレイヤーに立ちはだかるため、優位性を作りやすい状態にあります。

また、IT企業ほど成長性は高くないのですが、新規参入者も限られており、金融産業の特性(情報の非対称)から、一人当たりの生産性・収益性は非常に高いので、サラリーは構造的に高くなる傾向にあります。

さらに、専門知識が重要視され労働時間はさほど長くないため、キャリアの寿命も長くなります。銀行や証券会社のような体育会系の文化もなく、理不尽なパワハラやキャリア脱線リスクは高くないこともポジティブです。

財閥系の大手金融機関と比べて、アセマネ業界は、プロパー中心でなく、転職者がかなりの比率を占めています。人材の流動性が高い分野であることから、専門性・キャリアアップを前提する場合には、金融業界では最も有望なセグメントであると考えています。

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英国紳士

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