ヴ

「ヴ」がなくて 恥をかいた


ショックというか怒り

3月の末に明らかになったこのニュース。

読み終えた私は、
「だから日本は世界から遅れるんだ!」とすぐさま思った。
ヴを消す前に、和製英語を消滅してくれ!!

ちょっと鼻息が荒くなってきた。
話を戻そう。。。


このニュースは、
世界の国々の名称から「ヴ」の表記を
 "やめる" という、改正を発表した。


日本に暮らしていて、外国との繋がりがないと、
特に支障をきたすことはないだろう。
しかし、仕事や交友関係で国外と繋がっている人、
外国で暮らしている人、または、よく海外に訪れる人などは
この「ヴ」がないことに小さなつまづきが起きていると想像する。



ロンドンでの赤っ恥

フィレンツェ留学を開始してしばらくした頃、
ドイツに住む幼馴染と、ロンドンに住む中学の同級生の元へ
遊びに行くことを決めた。
イタリアからロンドンまでの往復の航空券は、
わずか3000円というのには驚いた。しかも数時間で着くから、
ヨーロッパがいかに小さいかと気づかされる。



一週間ほどの滞在は、ロンドンの友人宅に泊まった。
彼女は、マーケットやコンサート、ショッピングなどを
住人の目線で街を案内してくれた。
そして週末には、彼女の友人たちが、
庭でBBQパーティーを開催するというので私たちも招かれた。


という私は英語をあまり話せない。
旅行直前の一ヶ月間でフィレンツェに住む、
日本人の英語の先生に集中してレッスンを受け、
最低限の会話を学んでいたので困ることはないようにした。


いざ、外国人だらけのパーティーに参加!
外国でのふるまいに慣れた友人たちは、
いとも簡単に輪に溶けていく。
私はというと飛び交う会話さえ聞き取れず、
ボーっと目の前の光景を眺めていた。

すると友人が、
「この輪の中にイタリア人がいるよ!」と紹介してくれた。
ついに、気軽に会話ができる!!と言ってもカタコトだが、
英語よりはスムーズな流れを作ることができる。


Ciao! Piacere! なんて軽く挨拶して、
なぜイタリアにいるのか、どこの出身なのか、
何をしているのかなどとお互いのことを話し合った。


このあと悲劇が起きた



明日は何をするの?と聴かれたので、
「幼馴染の誕生日会でベトナム料理を食べに行くんだ!」
すると、
🇮🇹「どこって?」
🇯🇵「ベトナム!ベトナム料理よ」
🇮🇹「ええっ!?何料理?」・・・
この繰り返しで埒が明かない。

ロンドンには、日本料理も韓国料理もイタリアもアメリカも
あらゆる国のレストランがあるし、多くの人種が混じり合う街だが、
ベトナムがわからないだと!?どういうこと??


困り果てた私は友人のもとへ。
なぜ伝わらないか尋ねると、すかさず彼女は、

「ベトナム」ではなく「ヴィエトナム」と説明した。


目からウロコ!!
私は今までベベベベベトナムと「B」を使って発音していたのだ!
Bだけでなく"ヴィエ"という小さな音があったことに気づいた。

この差で通じないだなんて彼らの耳の感覚もスゴーい!と
感心するほどだった。




国によって捻じ曲げられられた


この衝撃的な出来事により、
どんなイタリア人と話したか、またこの後の会話は全く記憶にいない。
恥ずかしい思いをしたことだけが脳裏に焼き付いている。

勉強をしていない私がいけないのは重々承知だが、
そもそもの日本語表記に物申ーす!!という気分になった。



なぜ、日本では「ベトナム」が定着しているかというと、
冒頭のニュース記事をよく読むとこんな一文がある。

多くの国名が変わる転機となったのが、平成15年の法改正だ。


そう、「ベトナム」は2003年以前は、
「ヴィエトナム」と表記していた。




なぜ 変えたんだ!

かつては、福沢諭吉先生が推奨していたという英語表記のカタカナ。
耳から感じる音をそのまま日本語に変換してなにがいけなのだ!
その方が、世界との繋がりが深くなる昨今ではとても有効ではないのか!

などと今更抗議しても時代はどんどん移り変わっていく。
そして、現在 MacBook で打っている文字変換でさえも、
「ヴィエトナム」はベトナムとは結び付けられていない。
ますます、淋しさや悔しさが募る。。。


どうしてここまでして表記にこだわれないのだろうか。
国名から「ヴ」がなくなれば、「V」を表す言葉だという
認識が消えてしまい、日本には「B」が横行する。



「V:ヴ」の持つ意味


日本語の素晴らしい表現であり、機能である
「ヴ」をなぜ国名から消す必要があるのか政府に問いたい。

グローバルした今だからこそ、「ヴ」は積極的に使うべきだ
ただでさえ、「L」と「R」の違いが無くて苦労するのに、
「ヴ」はもっと使おうよ!
外交にでる政府関係者も、知らずに発することで
恥をかいていることでしょうよ!


またまた熱くなってきた。


国名以外に都市名までは変えないように、
嘆願書を準備する必要があるかもしれない。

イタリアのあちらこちらの都市名も「V」表記のままでお願いしたい。
ヴェネチア、ヴェローナ、ジェノヴァ、パドヴァ、そしてリヴォルノも…
この街名を発するだけで、「V」の練習に充分なる!

若者よ!  おっさんらのルールにハマらず、
世界に通用する日本人としてどんどん活用しよう、
「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」を!

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