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【オフィスの未来】ロンドンでは、アフターコロナの働き方が議論されており、他国も追随する可能性。

イギリスでは、早ければ6月末から行動制約の全面解除が実施されます。ロンドンで起こる、在宅・オフィスの使い分けは、日本企業や投資家にとって参考とすべき先行事例になると思います。

1.英国での在宅勤務状況

ロックダウン下のイギリスでは、可能な限り在宅勤務を要請されており、主なホワイトカラーはほぼ自宅で働いている状態が続いている。

政府のテレワークによる出社7割削減を要請にも関わらず、なかなか定着されない日本からすると、もはや別世界だ。

金融街シティはもはやゴーストタウンとなっており、飲食店のほとんどは閉鎖、補助金が相当支給されるはずだが、将来的にどの程度生存できるかは定かではない。

イギリスでは、今回の在宅勤務定着を好機とし、DXの普及・インターネットの設備投資・ニューエコノミーの発掘など、ピンチをチャンスに変える施策に余念がない。

初期のインターネット導入と同様に、強制的に導入・使用するからこそ、イノベーションが発展するように、すでにDXに関するノウハウでは他の先進国を先行し、Brexit後のビジネス創出に備えているようにも見える。

2. 各社のハイブリッド勤務に対する姿勢

イギリスでは、想定以上に定着した在宅勤務に対する賞賛とともに、オフィス不要論や在宅勤務恒久化を求める声も相当数あったが、直近ではトーンダウンしている。FT調査によると、調査対象のほぼ全ての企業で、オフィスと在宅勤務を併用したハイブリッドモデルを模索している模様。

とりわけ顧客サービスを生業とするコンサルでは顕著で、PwCでは週3-4日のオフィス出社を想定している。コロナを契機にオフィス縮小を図るドイツ銀行においても、オフィスと在宅勤務の中間を目線として計画を策定している。

ロンドンにおいては、在宅勤務の長所は「生産性(HyperProductive)」であり、オフィスの良さは「協調性(HyperCollaborative)」と認識されている。日本では専ら、オフィススペースの不要性や通勤時間の削減が協調されるが、やはり在宅勤務は「一人で集中できる=知的生産性があがる」ことが最大のメリットであるようだ。

日本のように、賃金が安く・労働集約的な働き方では、あまり在宅メリットが焦点にあたらない(上司がさぼってないか頻繁に連絡するので、生産性が下がる?)ようだが、やはりハイブリッドな働き方には、双方の長所を認識して、施策に落とし込む必要があるだろう。

3. 投資の視点

ロンドンはアフターコロナの先行市場であり、オフィス回帰の趨勢が注目されるが、予想以上の復帰となる場合は、オフィス銘柄や、周辺のサービス業においても収益改善が見込めるだろう。

行き過ぎた悲観的な見方も今では後退しているが、足元のオフィスJ-Reitの株価は、本格的なオフィス回帰をさほど強く織り込んだ水準ではないと考えている。

ビジネストレンドを先行してるのは常にロンドン、ニューヨークなどの先端都市である。将来の働き方について、効率的に情報収集することで、日本の将来像についても、今後も有益な示唆をもたらしてくれると考えている。

(以下は以前にNoteに書いたオフィスReitの見通しです。)

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英国紳士


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