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電車の中で××を叫ぶ

20年ほど前、ド田舎のサーファー2人組が仲間の結婚式に東京へ行ったときの話・・・
(実話です!!)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

AM10時30分の<b>特急フレッシュひたち</b>に乗るため 嫁さんに送って貰った俺・・・

(後輩のサーファーとは駅で待ち合わせだった)

発車時刻の20分前には駅に着き 周りを見渡す俺だった。
「何事にも 余裕を持って行動しろ!!」
(死んだ爺様の遺言である)
(後輩の分の切符も俺が買って しっかり握りしめていた)

近くに高校が2つもあるためか たくさんの制服姿の女子高生がうろついていた。
日曜日なのに 学校で何かイベントでもあるのだろうか!?
「キャハハハハ・・・」「ウヒャヒャヒャヒャ・・・」
何がおかしいのだろう!?
話をしながら ずっと笑い続けている女の子達・・・
どの子も スカートをギリギリまで上げて 太ももの露出の限界に挑戦しているかのようだ。
手鏡で 下から覗いて捕まった某大学教授の気持ちも分かるような気がした。
オネエチャンのスカートの中は 男のロマンなのである。

行き交う人々の様子を見ながら 「いつまでも 地球が平和でありますように!!」と心から願う俺・・・
(無理やり 落ち着こうとしていただけである)

なぜなら・・・
「あの野郎!! 遅い!!」

・・・・

10時25分になった。
あと5分で電車が来る・・・これに乗り遅れたら 次の電車まで1時間待つことになるのだ。
田舎の特急は1時間に1本と法律で決まっていた。

我慢出来なくなり 電話をかけてみた。
呼び出しても出ない・・・

「さては何か事故でもあったか!?」
(あっ!? 電話がかかって来た)

俺 「もしも~し!! 今 どこ?? もうすぐ電車が来るよ!!」
後輩サーファー 「あっ 先輩! すいません!! 今 近くまで来てますので あと1分以内に着きますから!! デヘヘヘヘヘ・・・」
俺 「分かった! 改札の前で待ってるから 信号無視してもいいから早く来いよ!!」
カリ 「ハイ! 人を轢いても すぐに行きます!! ブヒョヒョヒョヒョ・・・」

10時28分・・・

後輩の車が見えた。

そして 駅の隣の駐車場に車を入れた。

リュックを背負いながら 「タタタタタッ」と走って来る後輩・・・

俺も切符を握り締め 彼に近づいて行く・・・

俺 「コレがお前の切符だ!!」
後輩 「スイマセン!! 風呂入っていたら遅くなりました。ギャハハハハ・・・」
俺 「風呂??? ふざけんな!! 新郎でもないのにチンチン洗ってどうする?? とにかく走れ!!」
後輩 「ハイ!!」
俺は 自動改札機に切符を入れ 素早くホームに駆け込んだ。

後ろを振り返ると アイツが立ち止まっている。
俺 「何してるんだよ!! 電車が入ってくるぞ!!」

「もうすぐ1番ホームに <b>特急フレッシュひたち</b>がまいりま~す!! ご乗車のお客様は白線の内側まで・・・・」
構内アナウンスが流れていた。

後輩 「切符が2枚ありますけど どっちを入れるんですか??」
俺 「えっ!? それは乗車券と指定券だから 乗車券を入れるんだよ!!」
後輩 「あっ ハイ!」

構内に入って来る<b>列車の先っぽ</b>が もう見えていた。
(田舎の線路は真っすぐなので500m手前からでも先っちょが見えるのである)

パタパタパタ・・・
1番ホームを走る2人・・・

後輩 「何で走ってるんですか??」
俺 「うるせ~!! <b>指定席が1号車だからだよ</b>!! 一番はずれなんだよ!! お前も全力で走れ!!」
後輩 「あっ そうですか!?」

「駆け込み乗車はおやめくださ~い!!」
構内アナウンスが響く・・・
(駅員は俺達を見て 言っているに違いない!?)
俺 「ふざけんな~!! 遅れても待っててくれないくせに~!!」

1号車乗車口付近に着いたとたんに 到着した電車のドアが開いた。
後輩 「ピッタリですね!! デヘヘヘヘヘ・・・」
俺 「ハア ハア ハア・・・ 何で俺も走らなきゃならねェんだよ!! まったく・・・」

後輩 「俺の人生 綱渡り~!! ダハハハハハ・・・」
(俺は 一緒にその綱を渡りたくな~~~い!!)
やっとの思いで 自分の席に着いた俺達・・・

後輩 「信号待ちを あと1つしたら 完全にアウトでしたね!! ギャハハハハ・・・」
俺 「ああ そうだな!! 今頃 俺1人で乗ってたな!!」
後輩 「えっ!? 俺の切符も先輩が持っていたのに行っちゃうんですか??」
俺 「当たり前だけど 切符代は後で請求するに決まってるだろ!! ったく・・・」

そして しばらく気マズイ沈黙が続く・・・

後輩 「ところで 先輩!! 上野駅に着いたら セブンイレブンに寄って下さいね!!」
俺 「何で セブンイレブンなんだ!?」

後輩 「まだ ご祝儀の金を下ろしてないんですよ!! 祝儀袋も買ってないし・・・ ギャハハハハ・・・」

俺 「えっ!?」   

・・・・・・・

後輩 「先輩 もしかして 怒ってる???」
俺 「いや 別に・・・(少しだけ・・・ あっ かなりかも・・・)」

後輩 「そうですよね!! 普通は電車に乗る前に 全部用意しときますもんね!? でも サーファーは み~~んなこんな感じですよ!!」

(そんなこと な~~~~~~~~~~~~~~~い!!!)

(みんなじゃ な~~~~~~~~~~~~~~~い!!!)

(俺も30年以上 サーフィンやってるし・・・)

俺は 東京行きの電車の中で 思いっきり叫びたい衝動に駆られたのであった。

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