［詩］¬♾️

ここに風船がある
大好きな緑色の風船

すぐどこかへ行きそうになるけど、
振り向くと見える緑色
私を見守って少し後ろをついて来てくれるみたい
かわいい　大好き

大好きだから　もっと知りたいのか
知るから　もっと大好きになるのか

緑色の風船　なでて　なぞって　引っ掻いて

また好きになる

少ししぼんだ緑色の風船
掴んだひもを離す時がきた　そう悟った
この世に永遠はないと　不条理だと

手を離された緑色の風船
まだ手を伸ばせば届く距離
いつも一緒にいたのに
どうして遠くへ行くの？
信じられない　信じたくない
あんな風船、大嫌いだ

喚き声を置いて高くのぼる緑色
もう手は届かない

一生のお願い。緑色の風船を返して下さい
もう声は届かない

少しずつ空の青に混じって見えなくなる緑色
大好きも大嫌いも風船と一緒にはじけた

なでて　なぞって　引っ掻いた

あの記憶だけが　どうにも　苦しい