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ほんのわずかな限られた時間にいる人たちが読者という事実

そもそもなんで絵本を読んでいるのかといいますと、あるプロジェクトのプレゼント企画で絵本を作りましょうといことになりました。私は毎日のように本を読みますが絵本は幼少期以来、ほとんど読んでいません。

絵本作家というのは、どういう職業なのでしょう。そもそも絵本作家という職域で活躍し続けることは可能なのでしょうか?仕事となるとがぜん興味が沸いてきます。

新規事業を立ち上げるのと同じメソッドで絵本のプロジェクトも推進していきたいと思いますが、どんな業界構造かすら知らないので調べて勉強してみることにしました。

そこで手に取った本がこちら「絵本をつくりたい人へ」土井あきふみさんの書かれた書籍でございました。著者はフリーの絵本編集者ということで今回の研究材料にはピッタリ。本書の著者は「あとさき塾」という絵本作家を養成するワークショップを28年も運営されています。

まず、プロジェクトを推進していくにあたって定義づけが必要になります。そこで第一に絵本の定義について確認していきたいと思います。

おそらく、この定義づけは千差万別でそれぞれの考え方があると思います。しかし、決めなければスタートできないので、こうした場合はターゲットから逆算して定義づけします。

まず、「セグメントとターゲットの違い」というところなんですが営業やマーケティングにおいて成果をだすために欠かせないことの一つが、見込客の「セグメント」と「ターゲット」の設定で、普段の業務において、「セグメントを決める」や「ターゲットを絞る」と言ったり、「セグメンテーション」や「ターゲティング」という使い方をしたりするかもしれません。


さらには「ターゲットセグメント」という言い方もあり、使っているうちに「セグメント」と「ターゲット」の定義が曖昧のまま会話を進めていることもあるのではないでしょうか。

そこで絵本というビジネスを語る前に、あらためてセグメントとターゲットについて整理をしてみましょう。

まず、「セグメント」とは、直訳すると「部分、区分」などの意味ですが、マーケティング用語では「購入者の年齢・性別・職業などによって行われる区分」のことで、言い換えると、特定の条件をもとに顧客をグループ分けすることをいいます。このセグメントに分ける、つまりセグメント化する行為を「セグメンテーション」といいます。

一方、「ターゲット」とは、セグメント化により作成したグループのうち、自社の狙いたい対象グループのことです。セグメントに分けたグループのうち自社のターゲットを決める行為を「ターゲティング」といいます。

このようにセグメントとターゲットは深く関係していることから、普段の会話でも無意識に同じような意味で使ってしまうかもしれません。

STP戦略といいまして、これは(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の略してつけられた名称です。

セグメントやターゲットの話をするときに、切っても切り離せないのが、このSTP戦略になります。これは、「セグメンテーション」や「ターゲティング」に加えて、「ポジショニング、つまり(競合と比較した自社商材の特性が位置するところ)」まで含めたマーケティングのフレームワークです。

マーケティングに関わる人なら一度は耳にしたことがあるでしょう。セグメントとターゲットが曖昧になったときに、この「STP」という言葉を思い出すと、「S=セグメントをわける」→「T=ターゲットを決める」と整理しやすいかもしれません。


STP戦略についてはネットや書籍に多数の情報が掲載されておりますし、考え方自体は難しくないです。しかし、いざ実行しようとすると、その難しさや奥深さに気づくことになります。

というのも、商材にもよりますが、セグメントの「軸」を決めること自体がポイントであり、競合と比較した自社や商材の特性(ポジショニング)と深く関係しているからです。

セグメントは自社の商材や競合などにより軸の選択自体が難しくもありますが、セグメント軸については、受注につながる重要な要素となりますので慎重に決めましょう。

そこで、このプロジェクトでは上記のマップでポジショニングを考えてみました。ひとまず「親が子供に読み聞かせさせたいと思う高価格帯の絵本」とします。

これは当たり前と言ったらそうなんですが、まずはどこに訴求するか決めなければ戦略は立てられないのです。

絵を描く人にとって絵本は、1冊まるごと自分の世界観を伝えられる魅力的なメディアという点で理想的な表現方法であると感じています。

絵本は限られた時間の貴重な存在ということなんです。

うちは少し複雑な家庭で一番上の娘はとっくに成人しておりますし、2番目の男の子に至ってはすでに結婚しています。

その下は小学3年生の娘と保育園に通う息子といった構成で、小学生の娘は私に似て読書が趣味で、推理小説にはまっています。

マンガやアニメにも興味をもつようになって「~がかっこいい」「このマンガが面白い」とか、友だち同士の横の情報交換も積極的におこなっているようです。

そうすると時代のなかに入り、時代を吸収していきます。

小学生向けの絵本ももちろんあるけれど、そこには流行の要素が少なからず入ってきますし、時代を反映したものには必ずといっていいほど、流行り廃りがあって、いずれは古く感じられるようになってしま います。

したがって、私たちが概念的に見ている「絵本」は、保育園や幼稚園くらいの子どもで多くの場合、4歳から6歳向けを指すと定義しました。

時代との接点が薄く、なおかつ横のつながりも下手で、個の状態で存在する子供たち。世界からポッカリ浮いた、限られた時間のなかにいる人たちが読者です。

だからこそ何十年も前に描かれた絵本が、今でも子どものエンターテインメントとして輝いているのだとわかりました。このように時代を超えて受けつがれることが、絵本の重要な要素のひとつであることは間違いありません。

また、彼らは保護する存在であると同時に、アナーキーで残酷な強靭で柔軟な精神力も持ち合わせている魅力的な存在です。強い精神というのは「嘘がない」ということです。

そういった読者に作品を作っていくという責任を重くかみしめているところでございます。

皆様の読書のある生活がより豊かなものになるよう、心より願っております。

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